
訪問業者などから「屋根の釘が浮いている」と言われたら、すぐに工事した方がいいのか迷いますよね。
実は、屋根の釘は非常に重要で、釘が浮いた隙間を放置すると、雨水が家の中に入り家を傷めてしまいます。
この記事では、屋根の釘が浮いている原因と工事方法と修理費用を併せて解説しています。
実際に、修理にかかる費用はこちらです。
価格 | 修理内容 |
釘打ち込み | 16,000~/1棟 |
棟板金交換 | 6,000~/m |
棟積み直し | 8,000円~/m |
棟瓦交換 | 10,000~/枚 |
最後まで読んでいただくことで、大切なお家の屋根の状態を正しく把握することができ、適切なメンテナンスを行うことができます。
屋根の釘ってなに?
屋根の釘とは、屋根の棟瓦や棟板金を固定するために使われる釘のことです。
屋根の釘が浮いてしまう原因
屋根の釘が浮いている状態とは、棟瓦や棟板金を固定している釘が外れて今にも取れそうな状態のことを言います。
棟瓦や棟板金は屋根の真上に位置し、あまり目立たない部分かもしれませんが、雨水の侵入を防ぐなど重要な役割を担っています。
屋根の釘は、どのお家でも7〜8年ほどで少しずつ緩んでいき、釘浮きを放置すると雨水が入り込み、雨漏りを引き起こす可能性があります。
では、なぜ釘が浮いてしまうのでしょうか。
ここからは、屋根の釘が浮いてしまう原因をくわしく解説していきます。
- 寒暖差で木材が収縮して釘が浮く
- 木材が腐敗して釘が浮く
- 台風で釘が浮く
寒暖差で木材が収縮して釘が浮く
棟板金を固定する下地には、貫板と呼ばれる木材が使用されています。
この貫板が気温の寒暖差により収縮と膨張を繰り返すことで、釘が外に押し出されて棟瓦や棟 板金ごと一緒に浮いてしまいます。
木材が腐敗して釘が浮く
貫板は木材であるため、水分を含んで腐食していきます。
この結果、屋根だけでなく建物の柱などの根幹部分にも被害が及び、腐敗した木材に打ち込まれていた釘が抜け落ちることがあります。
台風で釘が浮く
屋根の一番高い位置にある棟瓦や棟板金は、風の影響を受けやすく、風圧や台風などの自然現象に釘だけで耐えているため、風が長時間吹き続ければ、釘が緩んでしまいます。
屋根の釘が浮いているのを放置してはいけない理由
釘浮きが少しあるだけだからといって放置するのはよくありません。
釘浮きは地上からはなかなか確認できないものですが、心配な方は工事業者に一度確認してもらい、必要に応じて対応してもらうことをおすすめします。
そのままにしておくと以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 貫板が傷む
- 釘浮きの隙間から雨漏り
- 棟板金や棟瓦の破損や落下
- 棟板金によるケガ
貫板が傷む
屋根は普段、目につかない場所ですが、屋根の釘が浮いたまま放置すると、釘穴のわずかな隙間から雨水が入り込み、内部の貫板が傷む原因になります。
釘浮きの隙間から雨漏り
釘浮きが原因で棟板金が変形したり破損したりすることで、雨水が入り込み雨漏りにつながる恐れがあります。
早急に修理が必要ですが、台風などで被害が大きくなった後などのタイミングでは、工事業者がなかなか捕まらず、対応が遅れることがあります。
棟瓦や棟板金の破損や落下
浮いたままの屋根の釘を放置すると、台風などの際に棟板金が破損したり、変形したりすることがあります。
また棟瓦は非常に重く、屋根から落ちると本来の重さ以上の衝撃を伴います。
棟板金によるケガ
金属の板の棟板金は棟瓦に比べ軽量ですが、施工をする中で細かな加工をしています。
その中には角が鋭利なものもあり、変に触れてしまうと手を切る危険があります。
屋根の釘が浮いていたら工事業者に依頼をする
屋根の釘が浮いているかは、遠目からみてもどうなっているのかわからないでしょう。
しかしプロの業者であれば、高所カメラで屋根を点検してくれます。
写真で確認できるような点検をしてくれる業者は信頼できますし、お客様自身も写真を見て状態を知ることができるため、安易に騙される心配がありません。
屋根の点検であれば、地元の工事業者が無料で行ってくれるところもあります。
点検をしてもらい問題がなければ安心ですが、もし釘が浮いていたら以下の方法により屋根の釘浮きを補修工事してくれます。
- 浮いた釘を打ち直すまたはビス留め
- コーキングで補修する
浮いた釘を打ち直すまたはビス留め
浮いている釘を直すには、再度ハンマーで打ち込んでいきます。
また、再び浮いてこないように、別の箇所にも釘を多めに打ってもらいましょう。
もしくは釘よりもビスの方が抜けにくいので、ビスで固定し直してくれる業者もいます。
こちらの方が安心なため、心配な人はビスで固定してもらうよう工事業者に伝えてみましょう。
コーキングで補修する
ゴム状の補修材であるコーキングを、釘打ちした上から補強していくことで、釘浮きを防止してくれます。
寒暖差による収縮・膨張はいつでも起こりうるため、今後抜け落ちにくくするためにも、コーキングは必須の作業です。
点検の際の写真は必ず保管しておく
屋根の釘は真上にあるため、素人が簡単に登って確かめることはできません。
点検時には、屋根の状態を撮影してもらい、写真をきちんと保管しましょう。
20枚程度の写真があれば十分です。
次回の点検時などに、不必要な工事や劣化の言いがかりを避けるためにも、写真を必ず残しておくことが大切です。
屋根の釘浮き修理費用
ここからは、屋根の釘が浮いている時の修理費用をくわしく解説します。
しかし、屋根の状態によっては釘打ちだけではなく、別の補修工事が必要になることがあります。
例えば、棟瓦や棟板金が変形・破損していたり、貫板が腐食していたりする場合です。
屋根材やその状態によって異なるため、点検の結果に合わせて補修工事を行いましょう。
- 釘浮き補修にかかる修理費用
- ストレート屋根にかかる修理費用
- 瓦屋根にかかる修理費用
釘浮き補修にかかる修理費用
釘打ち込み | コーキング補修 | |
価格 | 15,000~/1棟 | 16,000~/1棟 |
屋根に釘浮きが発生している場合は、早めにリフォームを行った方が安心できますし、費用も安く済みます。
ストレート屋根にかかる修理費用
棟板金交換 | |
価格 | 6,000~/m |
棟板金が強風や衝撃で変形・破損している場合は、交換が必要です。
釘が浮いた隙間から雨水が入り込み、貫板が腐食することがあります。
腐食している場合は交換が必要ですが、棟板金より安い場合がほとんどです。
また、新築時には木製が多く使われますが、リフォーム時には腐らない樹脂製に交換することがおすすめです。
瓦屋根にかかる修理費用
棟積み直し | 棟瓦交換 | |
価格 | 8,000円~/m | 10,000~/枚 |
棟積み直しは、棟瓦を取り外し、漆喰や垂木を交換・補修して、再び瓦を積み直す工事です。
内部が劣化している場合に実施されます。
棟瓦交換は、台風で物がぶつかり割れてしまったなどの理由で、交換する場合があります。
放置すると、割れた部分から雨水が侵入してしまうため、気づいたらすぐに交換しましょう。
屋根の釘が浮いている原因まとめ
屋根の釘が浮いている原因は、以下の3つの理由でした。
- 寒暖差で木材が収縮して釘が浮く
- 木材が腐敗して釘が浮く
- 台風で釘が浮く
屋根に異変がある場合の多くの理由は、釘や貫板に問題があることが考えられます。
早急に修理をすることは、被害もコストも小さく済ませることができます。
屋根の釘は些細なことに思えますが、お家にとって非常に重要です。
定期的に点検し、正しく対処して、お家をいい状態で保ちましょう。