こどもみらい住宅支援事業とは?|外壁塗装は対象?屋根は?補助金の額は?手続きは?

こどもみらい住宅支援事業は国の予算上限に達したため、現在は受付を終了しております。(2022年11月28日予算上限到達)

国土交通省の「こどもみらい住宅支援事業」は、子育て世帯や若年夫婦世帯の住宅取得の負担軽減、省エネ性能のある住宅を増やすことを図る事業です。

この記事では、ご自宅の外壁と屋根のリフォームの関連の内容にしぼって「こどもみらい住宅支援事業」を解説します。

外壁塗装は対象になっているの?屋根は?補助金の金額は?手続きは?といった疑問も解説しています。

こどもみらい住宅支援事業の概要

住宅が補助金を得ているイラスト。
こどもみらい住宅支援事業は、⼦育て⽀援及び2050年カーボンニュートラルの観点から創設されており、子育て世帯や若年夫婦世帯の住宅取得の負担軽減、省エネ性能のある住宅を増やすことを図る事業です。

外壁と屋根の関連のリフォーム工事では、「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」が補助対象になっており、条件を満たす工事をすると業者を通して補助金が支給されます。

補助金は業者に渡りますので、施主にとっては工事代金が減額される形での支給になります。

【 例 】 工事代金が50万円で補助金が30万円となった場合、施主の支払いは20万円
業者の受取りは50万円(補助金30万円+施主から20万円)

こどもみらい住宅支援事業のリーフレットはこちらの特設サイトからダウンロードできます。

2022年11月28日に国の予算上限に達したため、現在は受付を終了しています。

必要な手続きは?

申込用紙を書いている写真

ご自宅のリフォーム工事を発注する施主は手続きの必要はありません

国への必要な手続きは業者が代行して行うことになっています。

施主としてこの事業の適用に必要なことや注意点は以下の6点です。

  1. 「こどもみらい住宅事業者」に登録している業者にリフォーム工事を依頼する。
  2. ご自身がリフォーム工事をする住宅の所有者や家族等である。
  3. 補助金は事業で指定する工事の内容のみが対象。
  4. 補助対象の工事が5万円以上である。
  5. 工事は指定するの期間内に着工、完了すること。
  6. 補助金で工事した箇所は10年間は国の承認なく交換したり取壊したり等ができない。

詳細はこどもみらい住宅支援事業の特設サイトでご確認ください。

補助の対象になる工事は?

補助の対象になる工事

住宅の断熱材が断熱効果を持っているイメージのイラスト

リフォームで補助の対象になる工事は以下の工事です。

必須の工事とそれ以外の工事があります。

  • 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
  • 開口部の断熱改修
  • エコ住宅設備の設置

ご自身が行うリフォーム工事に上記の「必須の工事」のうちどれかが含まれている必要があります。

「開口部の断熱改修」では、ガラス・外窓・内窓・ドアの省エネ・防音・防犯に関する改修が対象になっています。

「エコ住宅設備の設置」では、太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽・高効率給湯機・節湯水栓に関する改修が対象になっています。

エコ住宅設備のイラスト

必須の工事を含んでいれば以下の工事も同時に行なうことで補助の対象になります。

  • 子育て対応改修
  • 耐震改修
  • バリアフリー改修
  • 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • リフォーム瑕疵保険等への加入

「子育て対応改修」には、ビルトイン食器洗機・掃除しやすいレンジフード・ビルトイン自動調理対応コンロ(ガス)・ビルトイン自動調理対応コンロ(IH)・浴室乾燥機・宅配ボックスがあります。

「バリアフリー改修」には、ホームエレベーター・衝撃緩和畳があります。

こどもみらい住宅支援事業の特設サイトで詳細の要件を確認できます。

外壁の塗装は補助の対象?

住宅塗装のイメージのイラスト
外壁や屋根の塗装に使用する塗料には「遮熱塗料」と呼ばれるものがあります。

外壁や屋根に塗装すると、夏の日照が強い時に熱の吸収を抑え、室内温度の上昇を緩和してくれます。

遮熱塗料を屋根に使用した場合、最大で約15~20度の屋根表面温度低下の効果があると言われています。

ただ、こどもみらい住宅支援事業では現状、外壁、屋根・天井のリフォームは登録された型番の断熱材の製品を使用した断熱改修工事のみが対象です。

外壁の塗装は対象になっておりません。

今後、事業の内容が変更になるときがあった場合、外壁の塗装が補助対象になることがあったときはこの記事でお知らせいたします。

補助金の金額は?

この事業を活用してリフォームした場合、補助金を受け取れる上限はいくらでしょうか?

1戸あたりの補助金の上限は?

リフォーム工事への補助金は原則1戸あたり30万円が上限です。

ただし以下の場合は上限が引き上げられます。

子育て世帯または若者夫婦世帯 既存住宅購入 1戸あたり上限
該当する 該当する 60万円
該当しない 45万円
該当しない 該当する
(安心R住宅に限る)
45万円
該当しない 30万円

※子育て世帯とは、2003年4月2日以降に出生した子がいる世帯、若者夫婦世帯とは、夫婦のいずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯です。

※既存住宅購入の場合は、リフォーム工事の工事請負契約が不動産売買契約の締結から3か月以内であることが必要です。

※安心R住宅は、耐震性があり建物状況調査等が行われた、国が定めた要件に適合する住宅です。
「R」はリユース(再利用)・リフォーム・リノベーション(改修)の頭文字のRです。

外壁と屋根・天井のリフォームで補助金の金額は?

断熱材が施工されている外壁の写真

外壁と屋根・天井のリフォームでは断熱改修が補助対象で、使用する断熱材のメーカーや型番が決められています。

>>対象製品はこちらから検索できます

外壁、屋根・天井の部位ごとに、最低使用量以上の断熱材を使用する必要があり、補助金の金額が決められています。

施工部分 断熱材の区分 補助額
 A-1/A-2/B/C D/E/F
外壁 最低使用量 6.0m³ 最低使用量 4.0m³ 102,000円
(部分断熱の場合) 最低使用量 3.0m³ 最低使用量 2.0m³ 51,000円
屋根天井 最低使用量 6.0m³ 最低使用量 3.5m³ 36,000円
(部分断熱の場合) 最低使用量 3.0m3 最低使用量 1.8m3 18,000円

※スマホやタブレットで見ている場合は横にスクロールできます。

※断熱材の区分は、使用する断熱材の熱伝導率によりこの事業で A-1/A-2/B/C/D/E/Fの7つに区分されています。

※部分断熱では間仕切りの壁に設置する断熱材を含みます。

※補助額は各工事の1戸あたりの補助額です。

「カーボンニュートラル」とは?

カーボンニュートラルを説明したイラスト
こどもみらい住宅支援事業は子育て支援と2050年カーボンニュートラルの実現という観点が根底にある事業です。

この記事の最後に「カーボンニュートラル」について簡単に解説します。

地球環境の関連で二酸化炭素に代表される温室効果ガスの上昇が問題視されています。

カーボンニュートラルでは排出量ゼロの「脱炭素」を目指すのではなく、排出する量と吸収する量との差し引きでゼロになるのを目指します。

つまり、温室効果ガスの排出量が森林などが吸収する量を超えないように抑えることで、実質の排出量がゼロになることを目指す取り組みです。

  • 脱炭素:排出量=ゼロ
  • カーボンニュートラル:出量ー吸収量=ゼロ

まとめ

「こどもみらい住宅支援事業」は国の事業で、⼦育て⽀援と2050年カーボンニュートラルの実現の観点から創設された事業です。

「子育て支援」という国の支援を受けられ、住みやすく子育てしやすい住宅にできることは本当にありがたい事業です。

また、「カーボンニュートラル」の取組みへの参画として省エネ性能を持った住宅に改修できます。

ご自宅の今後のランニングコストの低減が図れるところも事業の恩恵ですね。

リフォーム工事というイニシャルコスト(初期費用)を補助金で支援してもらえて、その後のランニングコスト(維持費用)の低減もできるわけですね。

こういった事業は機会をとらえてぜひ活用されることをおすすめいたします。