スレートとは|特徴・種類・製造法などを解説!気になるアスベストについても解説しています。
スレートとは、元々はヨーロッパで屋根材などの建築資材として使用されてきた薄く割った岩石の板ことです。
現在では、セメントに繊維質の素材を混合し板状に加工して製造された「化粧スレート」を指すことが多くなっています。
軽量で施工性もよく多くの建物に使われてきましたが、アスベストを含む製品の問題や劣化が早い製品の問題も起こっています。
この記事では、「化粧スレート」に重点を置いて「スレートとは」について解説します。
種類は?特徴は?アスベストは大丈夫?劣化問題は?といった疑問も解説しています。
スレートの種類は?|天然スレート
※天然スレートの屋根(フランスの世界遺産モン・サン=ミシェルの建物)
スレートと呼ばれているものには、大きく分けて天然スレートと化粧スレートがあります。
- 天然スレート(天然の岩石を薄く加工)
- 化粧スレート(セメントで人工的に製造)
天然スレートは、ヨーロッパで使われてきた、薄い板状に割れる性質のある「粘板岩(英語でslate)」と呼ばれる岩石を職人の手で薄く加工した建築資材で、防水性・耐久性があることから屋根材に多く使われてきました。
「石の板」と言うと分かりやすいかもしれません。
粘板岩の中でも「玄昌石」と呼ばれる石種が代表的な石材です。
19世紀後半から20世紀初頭に欧州で多く使われ、学校の黒板にも使われた時期があったようです。
かつて世界に輸出もされた高級スレート(天然)を採掘していた英国ウェールズの粘板岩採石場群は、2021年に「ウェールズ北西部のスレートの景観(英語のページに推移します)」として世界遺産に登録されています。
※フランスの世界遺産モン・サン=ミシェルの景観
今も残る天然スレートの屋根はヨーロッパらしい美しい景観を形成し観光客らを楽しませています。
スレートの種類は?|化粧スレート
※化粧スレートの屋根
現在では「スレート」といえば化粧スレートのことを指すことが多くなっており、多くの住宅で屋根材として使用され一般的な建築資材となっております。
化粧スレート(屋根材)の意味で「コロニアル」「カラーベスト」などと呼んだりすることがありますが、これらはいずれもケイミュー(株)の商品の名称です。
化粧スレートの製造方法は?
化粧スレートはセメントを使用し人工的に製造する建築資材です。
化粧スレートは以下の工程で製造されます。
- セメント・繊維質の素材・水などの材料を混合
- 抄造(紙漉きのような工程)、シート状にする
- 裁断して形を作る
- 養生(乾燥させて固まらせる)
- 塗装(塗料を材料とともに練り込むものもある)
※波型スレートの場合は抄造の後に高圧でプレスする工程があります。
※材料の繊維質の素材は木片パルプなどを使用します。
化粧スレートの特徴は?
化粧スレートの特徴としては以下が挙げられます。
- 重量が軽量
- 価格が比較的安価
- 塗装が必要
- 積雪の多い地域では施工不可
特に重量が軽量であることが利点をもたらしています。
屋根材として使用することで建物が支える屋根の重量が軽減でき、耐震性能の向上に貢献します。
地震災害発生のあと、スレートが軽量であることと安価であることから施工実績が伸びた実績があります。
また、リフォームとして老朽化した屋根の上に新たに屋根を被せて設置するカバー工法にも利用されていましたが、現在ではスレートよりも軽量な屋根材が販売されているため、スレートをカバー工法で使うことは少なくなりました。
なお、化粧スレートは主成分がセメントでできており本体だけでは防水性能がないため、塗装の膜を維持することが必要です。
防水の効果を塗装の膜に依存していますので、はがれてきたら塗装をし直す必要があります。
また、北海道や東北の北部、山岳地域などの積雪の多い地域には施工できない地域があります。
化粧スレートが積雪に対応できないためで、メーカー側で地域ごとに施工可否を指定しています。(ケイミュー(株)の例)
化粧スレートの耐用年数は?
※塗装塗替え直後の化粧スレートの屋根
化粧スレートの耐用年数は、屋根材の場合、メンテナンスをしっかり行うことで20~30年といわれています。
数年に一度は信用できる屋根工事業者に点検を依頼するなど、屋根の化粧スレートの状態を把握し、必要なタイミングでメンテナンスをするといいでしょう。
化粧スレートのメンテナンス|屋根塗装
化粧スレート本体には防水性能がありませんので、年月とともに塗装がはがれた状態のままメンテナンスを怠ると劣化が早く進む可能性があります。
したがってメンテナンスで主なものは塗装塗替えです。
見た目にもとてもきれいになり、屋根の耐久性だけでなく家の外観が一新します。
化粧スレートのメンテナンス|葺き替えまたはカバー工事
もし、劣化が進み化粧スレート本体の表面がはがれたりがボロボロと崩れたりする状態になった場合、塗装でも維持できない状況です。
このような場合、対応としては屋根の葺き替え工事またはカバー工事となります。
屋根の葺き替え工事は、今ある屋根材を撤去し、新しい屋根材に葺き替える工事です。
カバー工事は、今ある屋根材の上に新しい屋根材を被せる工事で、廃材が出ないため、葺き替え工事よりも安価で屋根の工事が可能です。
工事の検討にあたっては、信用できる屋根工事業者にご相談されることをおすすめします。
化粧スレートの種類は?
※セメント瓦の一種の「モニエル瓦」
化粧スレートは5mmほどの板状や波形の屋根材などを指すことが一般的ですが、場合によってはより広い意味で「セメント系」の屋根材として瓦(粘土瓦)のような厚さのある形状の「厚型スレート」や「セメント瓦」といったものを類似のものとして言う場合があります。
セメントを材料に瓦の形状に製造するもので、セメント・骨材(川砂)・水を型枠で高圧プレス成形(押出し成型)し、養生、塗装したものです。
アスベストは大丈夫?|化粧スレート
※アスベスト
アスベストは石綿(せきめん、いしわた)とも呼ばれる天然の鉱物繊維で、昭和30年(1955年)ごろから化粧スレートの屋根材などの原料として使用されてきました。
その後発がん性があることが分かり、平成16年(2004年)10月に法律により販売が禁止となっています。
ですので、2004年9月以前の工事で設置した化粧スレート屋根の場合はアスベストが使用されている屋根材の可能性があります。
アスベストが使用されたスレート屋根だからといって、すぐに撤去しなければならない義務のようなものはありませんし、日常生活の中で特別な管理が必要とされているものでもありません。
ですが、屋根材に穴をあけたり切断したりするとアスベストが周囲に浮遊する可能性がありますので、しないようにしてください。
また、屋根材が劣化している場合は屋根の葺き替え工事をご検討されることをおすすめします。
化粧スレート屋根のアスベストについて、こちらの記事に詳しく書きましたので是非ご覧ください。
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劣化問題は?|化粧スレート
※劣化が進んだ化粧スレート屋根
アスベストを使用した化粧スレートが平成16年(2004年)10月に法律により販売が禁止となりますが、これによりアスベストを使用しない化粧スレートの開発が急がれました。
メーカーは以下の2種類の対応をとりました。
- 既存のアスベスト含有製品を、アスベスト以外の材料使用に変更し販売を継続する
- アスベストを含まない化粧スレートを新規に開発し販売する
しかし、このころ販売が開始されたアスベスト不使用の化粧スレートの屋根材の中に、設置後10年に満たないうちにボロボロに劣化してしまうものが多発しました。
それは上記のいずれの製品にも起きました。
ボロボロになってしまった化粧スレートは撤去し新しいものと取り換えるしか対応方法がありません。
屋根材の場合は葺き替え工事またはカバー工事となります。
なお、現在販売されている化粧スレート屋根材に関してこのような問題は顕在化しておりません。
化粧スレート屋根材の劣化の問題について、詳しく書いた記事が2つありますので、ぜひお読みください。
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