サッシ周りのコーキングとは!?コーキングが劣化することで何が起こる?

サッシ周りのコーキングと聞いて、場所が思い浮かぶ方は少ないのではないでしょうか。

サッシは窓と置き換えても良いでしょう。

では、コーキングはどの部分を指すのか、そしてコーキングが傷んでくると何が起こってしまうのかを徹底解説していきます。

サッシ周りのコーキングとは?

サッシ(窓)周りのコーキングとは、サッシ(窓)と壁との間にあるゴム状のものです。

すぐ目の前に窓がある方は、窓から外を覗いてみてください。

アルミでできているサッシと、壁の間が少し凹んでいませんか?

その部分を指で押してみてください。弾力のある、ゴム状のものが確認できます。

それがコーキングです。それでは、コーキングは何故必要なのか見ていきましょう。

サッシ周りにコーキングが必要な理由

今時のサッシのほとんどは、アルミでできています。

昔のサッシはスチール製のもの、さらに古いものでは木製のものもありますが、今ではほとんどがアルミ製です。

アルミ製のサッシと壁との間は、素材が異なるため、もちろん一体化することはありません。

一体化されない部分には、少しの隙間が生じます。

その隙間を埋めるために、コーキングが使われているのです。

コーキングには止水効果があるため、水の侵入を防ぐことができます。

また、ゴム状のものなので伸び縮みし、地震などの揺れにも強い特徴を持っているのです。

そういった理由からサッシ周りをはじめとする、異なる材質のもの同士が繋がる部分には、コーキングが多く用いられています。

コーキングの費用相場


コーキングは乾燥するまでは、半固体でできています。

半固体のものをコーキングガンに流し込み、それを溝に沿って入れていくのです。

上の写真が、溝にコーキングを流し込む作業状況です。

ここでコーキングの作業の流れを簡単に解説しておきます。

コーキングの作業の流れ

  1. 今あるコーキングを取る
  2. 接着剤を塗る
  3. コーキングを流し込む周りにテープを貼る(養生)
  4. コーキングを流し込む
  5. コーキングをヘラなどで抑える(平らにする)
  6. 周りに貼ったテープを外す

コーキングにはいくつか種類がありますが、ここではサッシ周りに使われることの多い種類のみ、ピックアップしています。

それでは、コーキングを取り替える費用相場を見ていきましょう。

ポリウレタンコーキング

サンスター技研株式会社 ペンギンシール PU9000typeNB

ポリウレタンコーキングは、非常に塗料と相性の良いコーキングです。

価格面でも優れており、集合住宅、戸建てに限らず多く使用されています。

ただし、耐候性が悪いので必ず上から塗装する必要があるのです。

ポリウレタンコーキングの費用相場

  • 既存のコーキング取り外し(1ⅿ):400円
  • 新しいコーキング(1ⅿ):500円〜1,000円

費用に幅があるのは、コーキングする溝の大きさによって変わってくるからです。

変成シリコンコーキング

サンスター技研株式会社 ペンギンシール MS2500typeNB

変成シリコンコーキングは耐候性が高く、塗料との密着性も高いコーキングです。

サッシに繋がる壁がタイルでできているのであれば、変成シリコンコーキングが使われます。

変成シリコンコーキングの費用相場

  • 既存のコーキング取り外し(1ⅿ):400円
  • 新しいコーキング(1ⅿ):700円〜1,400円

変成シリコンコーキングも同様に、溝の大きさによって使われる材料の量が変わってきますので、費用に幅があります。

コーキングの劣化が原因で起こる事案


それでは、コーキングが傷んだまま放置しておくと、どのようなことが起こるか見ていきましょう。

窓周りへの雨漏り

コーキングが傷んでくると、隙間が生れてきます。

その隙間から水が侵入すると、部屋の中で雨漏りが起こるのです。

窓周りへの雨漏りは、カビを増殖させることに繋がりますので、身体にも良くありません。

雨漏りが起こるまでに修繕することをおすすめします。

下の部屋への雨漏り

窓周りの雨漏り以上に、多額の費用負担に繋がるのが下の部屋への雨漏りです。

サッシ周りのコーキングが傷んだことにより、下の部屋に雨漏りすることは少なくありません。

ひとたび下の部屋に雨漏りが起こると、雨漏りの原因究明の調査費用、雨漏りした部屋の内装修繕費用と多額の出費になります。

外壁下地材が劣化する

サッシ周りのコーキングが傷んでしまうと、防水性がなくなりますので水が建物の壁に浸入していきます。

浸入した水は雨漏りするだけでなく壁の内部に湿気として留まり、柱や壁を腐らしていくのです。

柱や壁など建物の骨組み部分が傷んでくると、建物の倒壊につながる非常に危険な状況に陥ります。

どんな状態がコーキングの劣化なの?

それでは、コーキングが劣化している状態について解説します。

ひび割れ


コーキング表面に小さなひび割れが見られるのであれば、柔軟性を失い劣化が始まっています。

表面のひび割れはやがて内部まで進行し、最終的にコーキングは破断してしまうのです。

肉やせ・剥離


コーキングが溝の幅より細くなってきていると肉やせが起こっています。

肉やせしたコーキングはやがて接着力を失い、剥離するでしょう。

軟化


特定の材料に起こる、練りたてのように柔らかくなる現象を軟化と呼びます。

軟化したコーキングは、正しい効果を発揮しませんので新しく取り替えることが必要です。

コーキングの劣化を確認するには?

取り返しのつかない事態になる前に、サッシ周りのコーキングの傷みを見つけて修繕する必要があります。

ここでは、サッシ周りのコーキングを確認する方法を解説していきましょう。

触診する

コーキングは触診することで傷みを確認することができます。

指で触ってみたときに、ゴムのような弾性があればまだまだ傷みは少ないと言えるのです。

一方で、触ったときに硬かったり、指に付着するほど柔らかかったりすると取り替え時期がきています。

業者に依頼する

自分自身で触診してみたけどわからない場合は、業者に頼りましょう。

業者に現地調査を行ってもらうことで、今の状態に併せて数年後にどうなるかを確認できるのです。

場合によっては一部分を切り取り、伸び率を計り寿命を確認してくれるのです。

また、サッシ周り以外にもコーキングが使われている場所は多く存在しますが、高所などは業者に確認してもらうことをおすすめします。

サッシ周りのコーキングは必要不可欠!【まとめ】

最後にサッシ周りのコーキングについてまとめます。

  • サッシ周りのコーキングは重要!
  • サッシ周りのコーキング費用相場は1ⅿあたり900円〜1,800円(材料・幅により異なる)
  • コーキングの劣化は建物の寿命を縮める
  • コーキングの劣化状況は業者に任せるほうがベター

    サッシ周りのコーキングの傷みは、気づきにくく、あまり重要だと思われない傾向にあります。

    ところがサッシ周りは、雨がよく当たり水が溜まりやすい場所なので、雨漏りになる可能性は高いのです。

    手の届く範囲で一度確認されてみてはいかがでしょうか。

    少しだけ気をつけて家を観察することが、家の寿命を延ばすことに繋がるのです。

    みなさんの資産価値である大切な家が、より永く、より綺麗な状態であり続けることを願っています。

    この記事が皆様の家を守るために役立ったのであれば幸いです。