雪で雨どいが破損してしまう理由は?
近年、関東でも20㎝以上積もるほどの大雪が降ることがあります。
例えば、2018年1月22日の大雪や2014年2月の大雪などです。
その大雪によって、雨どいやカーポート、屋根が壊れてしまう被害が発生しており、当社にもたくさんのご相談や修理依頼があります。
「え、雪で壊れるの?」と、思われる人もいらっしゃっるかもしれません。
今回は雪で壊れてしまう理由を実例なども交えながらご紹介します。
雪で破損してしまう理由とは
記憶にも新しい2018年1月22日に降った大雪のように10㎝以上の積もるほどの雪が降った場合、雨どいの「変形」「破損」「落下」が起こる可能性があります。
ふわふわとキレイに舞って軽そうに見える雪ですが、そもそも雪は水蒸気が結晶したもので水を含んでいます。
水を含んだ雪が積もって、塊になり、時間の経過と共に密度が高くなるため重くなります。
雪の重さを表にすると以下のようになります。
雪の状態 | 重さ/㎥(立方メートル) |
---|---|
新雪(しんせつ) | 50〜150kg/㎥ |
こしまり雪 | 150〜250kg/㎥ |
ざらめ雪 | 250〜500kg/㎥ |
雪は、新雪(降ったばかりの雪)から状態が変化し、重くなっていきます。
新雪 → しこまり雪(雪が積もってやや硬くなった雪) → ざらめ雪(ザラメのような氷粒がある雪)へと変化します。
雨どいに降り積もった雪の重みで破損
雨どいが雪で破損してしまう理由は2つ考えられます。
1つめは、雨どいに降り積もった雪の重みで破損するケースと屋根に積もった雪が流れ落ちてきて破損するケースです。
詳しく見ていきましょう。
1つめの雨どいに降り積もった雪の重みで破損するケースは、この言葉のままで雪が降ると屋根にも積もりますが、雨どいにも雪が積もります。
降り積もる雪が多くなればなるほど、時間が経って密度が高くなればなるほど、雪は重みを増して雨どいに大きな負荷をかけます。
その負荷に耐えられず、雨どいに歪み(変形)が出来てしまいます。
雨どいに歪み(変形)が出来てしまうと、歪んでいる箇所に水が溜まって流れを悪くしたり、水が溢れ出てしまう原因となります。
また、雨どいが劣化している状態で雪が降ると、万全ではない状態で雪の重さに耐えるため、最終的に雪の重さに耐えきれず、大きく破損してしまうこともあります。
屋根に積もった雪が流れ落ちて破損
もうひとつ、雪で雨どいが破損してしまう理由として、屋根に積もった雪が流れ落ちて雨どいを破損してしまうことがあります。
関東の場合は、雪国と違って連日雪が降ることはないので、ざらめ雪まで変化することは少なく、雪が積もってやや硬くなった状態(しこまり雪)までだと思います。
ということは、雪の重さの表に当てはめると、雪が降った場合、屋根に約150〜250kg以上の重さが乗っているということになります。
雪が溶けると、ポタポタと水が落ちますが、稀に雪崩のように大きな塊が滑り落ちてくることがあります。
想像してみてください。約数百kgの雪が勢いよく滑り落ちてきて、雨どいに当たってしまうことを。
多くのお家の屋根は傾斜があるので、雪の重さに速度も加わるので雨どいにかかる負荷は相当なものです。
雨どいは構造上、屋根に降った雨水を集めて地面まで流すという排水の役割があるため、どうしても屋根から滑り落ちた雪の影響を受けやすいです。
そのため、雨どいの変形・破損・落下が起こる可能性があります。
実際にあった!雪で雨どいが壊れてしまった実例
実例①
写真のような状態になっておりました。
通常の雨どいは、直線を引いたようにまっすぐな形状をしていますが、この写真を見ると
雨どいが歪んでいるのが分かりますでしょうか?
これが雪の重さによる雨どいのゆがみになります

雪災 レベル1
実例②
この写真の雨どいの場合は雪の重みで雨どいが下り、金具も浮いています。
そのため、近い将来、雨どいが外れて落下する恐れもあります。

雪災 レベル2
実例③
雪が何かの影響で一部だけに集中して発生した歪みで、この状態では雨どいの役割を果たせていません。
そのため、すぐに交換が必要なレベルの歪み

雪災 レベル3
実例④
すぐにでも落下してしまいそうなくらい、とても危険な状態です。

雪災 レベル4
雨どい以外の破損事例
雨どい以外にも雪の重みでカーポートが破損してしまったり、雪の重みで倒木し電線が切れるなど、様々なところで雪による被災が起きています。
その場合、火災保険が適用され、修理費用がもらえる可能性が高いので、火災保険を利用してみるのもいいかもしれません。