春の羽アリは要注意!|シロアリ被害の見分け方【5つのサイン】と正しい対策

春になると、「家の中に羽アリが出た」「ベランダに見慣れない虫を見かけた」という話をよく聞きます。
実はそれ、シロアリ被害の「始まり」ではなく、すでに進行していた被害が表に出てきたサインかもしれません。
シロアリは、床下や柱など目に見えない部分で静かに被害を広げ、気づいたときには大きな修繕が必要になるケースも少なくありません。
特に春は、シロアリ対策を考えるうえで非常に重要な季節です。
今回の記事では、シロアリの基本知識・春に被害が増える理由・見逃してはいけないサインや放置するリスクを紹介します。
また、自分でできる予防方法や業者に相談すべきタイミングも分かりやすく解説しています。
ぜひ最後まで読んで、住まいを守る判断材料にしてください。
シロアリとは?住宅に与える影響

シロアリとは、木材を主なエサとして生活する害虫で、住宅に深刻な被害を与える存在です。
普段の生活で目にする機会はほとんどありませんが、建物を支える重要な部分を内側から食害します。
日本の住宅は木造が多く、湿気がこもりやすい構造のため、シロアリが発生しやすい環境が整いやすい点も特徴です。
日本の住宅で多いシロアリの種類

日本の住宅で被害が多いシロアリは、主に次の3種類です。

日本でいちばん被害が多いシロアリ
分布: 北海道北部を除く、ほぼ全国
特徴: 湿気を好む
被害: 床下・水回り・浴室まわり
日本の住宅被害の約7~8割にあたる
被害の進行は比較的ゆっくりだが、気づきにくい

被害規模が大きくなりやすい危険種
分布: 西日本(九州・四国・近畿・東海の一部)
特徴: 巣が巨大・活動量が多い
被害: 短時間で家全体に広がることも
1つの巣に数万~100万匹規模
見つかった時点で緊急度が高い

乾いた木材も食べる"厄介タイプ"
分布: 関東~西日本を中心に拡大中
特徴: 水分不要・家具や柱にも住み着く
被害: 局所的だが発見が遅れやすい
蟻道を作らないことが多く、見つけにくい
家具から発生して驚くケースも多い
なぜ春にシロアリが増えるのか

春になると、シロアリ被害の相談や点検依頼が一気に増えます。
それは、シロアリの生態と季節の条件が重なるためです。
羽アリが出る理由
春になると、シロアリは繁殖のために「羽アリ」となって飛び立ちます。
羽アリが見られるということは、すぐ近くにシロアリの巣がある可能性が高いというサインです。
春は「発生」ではなく「発覚」しやすい季節
重要なのは、春に突然シロアリが発生するわけではないという点です。
多くの場合、被害は以前から進行しており、春になって初めて「目に見える形で気づく」というケースがほとんどです。
シロアリ被害を見極める5つのチェックサイン
シロアリ被害は、ある日突然深刻な状態で「発覚」することがほとんどです。
しかし、シロアリは活動の痕跡を必ずどこかに残しています。
ここでは、建物に潜むシロアリの存在をいち早く見極めるために、5つのチェックサインを紹介します。
1|羽アリを見かけた

春から初夏にかけて、室内やベランダ・窓まわりで羽アリを見かけた場合は要注意です。
羽アリは、シロアリが繁殖のために飛び立つ姿であり、すぐ近くに巣がある可能性が高いサインです。
2|基礎に「蟻道(ぎどう)」がある

シロアリは、光や風・乾燥を嫌うため、土や糞を固めた「蟻道(ぎどう)」という専用のトンネルを作って移動します。
もし家の基礎部分に、地面から上に向かって伸びる茶色の泥のような筋があれば、それはシロアリが建物内に侵入している決定的な証拠です。
中ではシロアリが列をなして移動していますが、壊すと別の場所に逃げて被害が広がる恐れがあるため、見つけても触らずに専門業者に相談しましょう。
3|床がフワフワ・沈む感じがする

歩いた時に「床が少し沈む」「踏むと柔らかい」と感じる場所はありませんか?
これは、床下の土台や根太(ねだ)・束(つか)といった重要な木材が、内部から食害されている際によく起こる現象です。
フローリングなど表面がきれいに見えても、木材の中身がスカスカになっているケースは珍しくありません。
4|木部を叩くと空洞音がする

柱や敷居・玄関のドア枠などを軽く叩いたときに、「コンコン」と軽い音がする場合は注意が必要です。
健全な木材は中身が詰まった重い音がしますが、シロアリ被害を受けた木材は中が空洞化し、太鼓のような音が響きます。
特に、築年数が経過した住宅では、見逃されやすいサインですが、被害がかなり進行している可能性もあるため、早急な確認が必要です。
5|ドアや窓の「建付け」が悪化している

家全体のドアや窓が「急に閉まりにくくなった」「どこか引っかかる」と感じるなら、それは単なる経年劣化ではないかもしれません。
建物全体を支えている土台や重要な柱をシロアリが食害することで、建物にわずかな歪みが生じ、水平が保てなくなっている可能性があります。
「最近あちこちの建具がスムーズに動かない」という異変は、家の耐震性に関わる深刻なサインであると捉え、早急に調査を行いましょう。
シロアリ被害を放置するとどうなる?

シロアリは自然にいなくなることはなく、時間が経つほど被害は確実に進行していきます。
修繕費用が高額になる
柱や土台が弱くなり、耐震性に影響する
見た目では分からないため、発見が遅れる
「今は困っていないから・・・」と先延ばしにするのが最も危険であり、放置した期間が長いほど、家全体の寿命と安全性が刻一刻と削られていくのです。
シロアリが発生しやすい家の特徴
シロアリは決して特別な家にだけ発生するわけではありません。
彼らは「水分」と「餌(木材)」がある場所を求めて移動しており、特定の条件が揃った家は、シロアリにとって絶好のターゲットになってしまいます。
ご自身の住まいが以下の特徴に当てはまっていないか、チェックしてみましょう。

暗くジメジメした環境は、シロアリにとって理想的な住処です。

換気口が塞がれていると湿気が溜まり、木材が劣化しやすくなります。

水分を含んだ木材は、シロアリを引き寄せる原因になります。

体長わずか数ミリのシロアリは、わずかな隙間からでも内部に侵入します。

家の基礎周りが常に湿った状態になると、被害リスクが高まります。
自分でできるシロアリ予防

シロアリ被害を防ぐ最大のポイントは、「シロアリが好む環境を作らないこと」です。
特別な道具がなくても、日々のちょっとした心がけで住まいの安全性を高めることができます。
基礎の周りに物を置かない
家の基礎周りに荷物や段ボール・薪などを放置すると、シロアリの通り道である「蟻道(ぎどう)」が見えにくくなります。
早期発見を妨げる原因になるため、壁側は常にスッキリ保ちましょう。
庭の不要な木材を処分する
古い添え木や木製の杭・切り株は、シロアリの格好のエサになります。
不要な木材は速やかに処分し、木製のフェンスなどは防腐・防蟻処理されたものを選びましょう。
換気口を塞がない
換気口の前に物を置くと、床下の湿気がこもりやすくなります。
湿気はシロアリを呼び寄せるため、空気の通り道を確保することが重要です。
水漏れや雨漏りを放置しない
配管の水漏れや雨漏りは、シロアリが好む湿った環境を作ります。
シミや不自然な湿気に気づいたら、早めに対処して乾燥状態を保ちましょう。
基礎の「蟻道」をチェックする
家の外周を一周し、基礎に茶色の筋のような土の道がないか確認しましょう。
蟻道を見つけた場合は、触らず壊さず専門業者へ相談するのが安全です。
業者に依頼すべきタイミング

シロアリ対策は、被害が出てから行う「駆除」と、被害を防ぐための「予防」の2種類があります。
最も理想的なタイミングは「被害が出る前」ですが、もし少しでも異変を感じているなら、被害を最小限に抑えるために一刻も早い調査が必要です。
| タイミング | 具体的なサイン・状況 | 優先度 |
|---|---|---|
| 今すぐ(緊急) | 羽アリや蟻道を発見・床がフワフワする | ★★★ |
| なるべく早く | 近所でシロアリ駆除をした・5年以上消毒していない | ★★☆ |
| 定期メンテナンス | 前回の消毒から5年が経過するタイミング | ★☆☆ |
上記のサインに一つでも心当たりがある場合は、“被害が深刻化する前に"専門家による正確な床下診断を受けることを強くおすすめします。
迷わずプロに相談すべき「3つの基準」

「まだ大丈夫だろう」という自己判断が、結果的に家の寿命を縮め、修繕費用を膨らませてしまう原因になります。
ここでは、被害を最小限に食い止めるために、プロの介入が不可欠となる具体的な3つの判断基準を詳しく解説します。
羽アリの発生や「蟻道」を見つけた場合、すでに建物内部に数万匹単位のシロアリが潜んでいる可能性が高いです。
市販の殺虫剤を撒くと、生き残ったシロアリが建物の奥深くへ逃げ込み、かえって被害を拡大させてしまうため、何もせずすぐに専門業者へ連絡してください。
一般的なシロアリ駆除剤の有効期限は、環境省などのガイドラインでも「5年」とされています。
新築から一度も点検していない場合や前回の消毒から5年経過している場合、薬剤の効果が切れてバリアがなくなっているため、再点検のベストタイミングです。
シロアリは地中を通って移動するため、お隣や近所の家で駆除作業が行われた場合、逃げだしたシロアリがあなたの家を次のターゲットにする可能性があります。
「羽アリが出た」という噂や作業を見た場合は、被害を未然に防ぐために「予防調査」を検討しましょう。
シロアリ駆除で使われる主な薬剤・工法

シロアリ駆除は、被害の有無や建物の構造、床下の状態によって適した工法や薬剤が異なります。
そのため、まずは「どのような工法があるのか」を知ることが大切です。
主なシロアリ駆除工法
| 工法 | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| 土壌処理 | 侵入防止・予防 | 床下や基礎まわりに薬剤を散布し、侵入を防ぐ |
| 木部処理 | 被害箇所の駆除 | 柱や土台に直接薬剤を注入・塗布 |
| ベイト工法 | 巣ごと駆除 | 餌を巣に持ち帰らせ集団駆除 |
工法ごとに使われる主な薬剤
上記の工法では、それぞれ目的に応じた薬剤が使用されます。
- ネオニコチノイド系
比較的新しい薬剤で、人やペットへの影響が少なく、安全性が高いとされています。
即効性があり、土壌処理や木部処理で使用されることが多いです。 - ピレスロイド系
即効性に優れており、シロアリを素早く駆除したい場合に用いられます。
主に木部処理で使用される薬剤です。 - ホウ素系
浸透性が高く、木材内部まで成分が行き渡るのが特徴です。
土壌処理・木部処理のどちらにも使われ、持続性を重視した施工で選ばれます。 - IGR剤(脱皮阻害剤)
ベイト工法で使用される薬剤です。
シロアリの脱皮や成長を妨げ、時間をかけて巣全体を壊滅させます。
適切な駆除方法を選ぶために
どの工法・薬剤が適しているかは、「すでに被害が出ているのか」「床下に入れるか」「再発防止を重視するか」などによって異なります。
自己判断で対策を行うのではなく、まずは専門業者による調査を受け、現状に合った方法を提案してもらうことが後悔しないシロアリ対策につながります。
よくある質問

シロアリやシロアリ対策について、多くの人が抱く疑問をまとめました。
羽アリを見かけたら、必ずシロアリですか?
いいえ、すべてがシロアリとは限りません。
羽アリにはクロアリの仲間もいますが、春に家の中や基礎付近で大量に発生した場合はシロアリの可能性が高いです。
見分けが難しいため、気になる場合は専門業者に確認してもらうと安心です。シロアリは冬でも活動していますか?
冬は活動が鈍くなりますが、床下など暖かい場所では一年中生息しています。
春になって羽アリとして表に出てくるため、春に被害が発覚するケースが多いです。築浅の家でもシロアリ被害はありますか?
はい、あります。
築年数が浅くても、防蟻処理の効果切れや湿気の多い環境があると、シロアリ被害が発生することがあります。
築年数だけで安心せず、定期的な点検が重要です。市販のシロアリ薬剤だけで対策できますか?
市販薬は、応急処置としては有効ですが、根本的な解決にはなりにくいです。
見えない床下や構造内部に巣がある場合、被害が進行してしまうこともあります。シロアリ駆除の薬剤は、ペットや子どもに影響がありますか?
現在使われている薬剤は、安全性に配慮されたものが主流です。
正しく施工すれば、日常生活への影響はほとんどありませんが、施工直後は触れないように注意しましょう。シロアリの予防は、秋や冬に行うのは意味がありますか?
はい、予防目的であれば秋から冬の点検・対策も有効です。
この時期はシロアリの活動が比較的穏やかなため、専門業者による点検を落ちついて行うことができます。
また、春の活動期を迎える前に予防処理をしておくことで、侵入リスクを事前に抑えられます。
特に築年数が古い住宅や過去に被害があった家では、活動期前の対策がおすすめです。
まとめ|春はシロアリ対策のベストタイミング
春は羽アリが飛びだすことで、これまで床下に隠れていたシロアリの存在が最も「発覚」しやすく、住まいの健康診断に最適な季節です。
適切な調査と対策を行うことで、大切な家の資産価値を守り、将来発生するかもしれない高額な修繕費用を未然に防ぐことができます。
シロアリ被害は目に見えない場所で静かに進行し、気づいたときには柱や土台がボロボロになっていた、というケースも少なくありません。
「うちの家はまだ大丈夫」と過信せず、今回ご紹介した5つのチェックサインに1つでも当てはまるなら、まずは業者の無料調査を検討してみてください。
たとえ今すぐ駆除の必要がなくても、現在の床下の状況を知っておくことは、家を長持ちさせるための大きな安心材料になります。
被害が広がり修繕が困難になる前に、早めの一歩を踏み出すことが、ご家族の安全で快適な暮らしを長く守ることへとつながります。



