屋根瓦の漆喰が必要な理由と劣化した状態を紹介。修理方法と施工実績もお見せします!

瓦の耐用年数は50年以上とも言われるので、瓦はメンテナンスフリーに見えます。

しかし、それは瓦自体の耐用年数で、屋根を作っている他の部材は50年持ちません。
大体15年〜20年くらいで交換が必要とされています。

今回は瓦屋根がどのように作られているのか、その中であまり重要視されていないけれど、実は重要な漆喰の修理についてや漆喰の劣化をそのままにしたら、どんなトラブルを引き起こす可能性があるのかを紹介します。

瓦屋根はこう作られている

瓦屋根は、大まかに分けて野地板・防水紙・桟木・瓦・漆喰・棟で作られています。

屋根瓦

屋根が作られる順番ごとに紹介します。

  1. 野地板:瓦を載せるための土台となる板です。木の合板を乗せています。
  2. 防水紙:防水用のシートです。ルーフィングとも呼ばれています。

    ※正直なところこの防水紙が劣化していなければ、雨漏りはしないと言ってもいいくらいです。

  3. 桟木:さんぎと読みます。瓦を並べるための角材です。
  4. :屋根材です。素材だけで5種類の瓦があります。
  5. 漆喰:石灰と砂が主原料。屋根では棟の隙間埋めと瓦同士の接着で使われています。
  6. :屋根を作るときに最後に作られるところで、屋根の頂点にあります。

もっと細かい名称や瓦屋根の施工方法などはあるのですが、専門的な要素が強く、混乱してしまうので、かなり簡単に紹介しています。

漆喰の必要性

漆喰
上記でも紹介したように漆喰は石灰と砂が主原料の屋根瓦を作る上で必要な部材の一つです。

屋根瓦における漆喰は棟に使われている瓦同士の隙間を埋めるために使われています。

瓦の隙間を埋めることで、雨や風が入ることができなくなります。

そのほかにも積み上げた瓦が落ちないよう接着して固定する役割があります。

もし、漆喰がなければ、棟は固定されずにすぐに壊れ、好き放題に雨や風が入って、初めから雨漏りする家になってしまいます。

一般的に重要視されていませんが、漆喰も屋根瓦を作る上で、なくてはならない部材です。

屋根瓦の漆喰がこんな状態になっていたらプロに調査依頼を

瓦屋根のお家を見ていると、こんな状態になっているのを見かけます。

鬼瓦が外れている

鬼瓦が外れている

漆喰が崩れている

漆喰が崩れている

漆喰が苔だらけ

漆喰が苔だらけ

瓦の耐用年数は50年以上と言われいるのに比べ、漆喰の耐用年数は、15年〜20年とされています。
劣化してしまう原因は、太陽の紫外線や雨風などの自然によるものと地震によるものです。

施工時には水を含んで紙粘土のような質感の漆喰ですが、時間が立つと水分が抜け、しっかりと固まって瓦を固定してくれます。

年数が経ち、太陽の紫外線などを浴びて、どんどん乾燥し、硬さが増して、柔軟性がなくなります。

その結果、建物自体の微振動や地震などの揺れでひび割れたり、破損をしやすくなったりするのです。

漆喰が劣化したまま、放置するとどうなるのか?

 雨漏り
漆喰が劣化したまま、放置してしまうと、雨漏りに繋がります。

初めうちは、ひび割れたところから水が入っても防水シートが劣化していなければ防水シートが水の侵入を防いでくれるでしょう。

でも、その状態が長く続いたり、初めから防水シートが劣化していれば、水はどんどんお家の内部に入っていきます。

最終的には、天井や壁から雨漏りしてしまいます。

雨漏りまで進んでしまうと、下地からの修理や内装の修理まで必要になるため、莫大な費用が必要になります。

そういった理由からも放置するのは、得策とは言えないです。

そのほかにも放置したままだと、棟の部分の瓦が抜け落ちたり、棟がズレたりします。

最悪なケースで抜け落ちた瓦が滑り落ちて、通行人や家族に当たってケガをしたり、死んでしまう可能性が考えられます。

大袈裟でしょ?と思う人もいるかもしれませんが、実際に瓦が滑り落ちて地面に当たり割れたという話は聞きます。

そこに運よく人が通らなかっただけで、十分に考えられる可能性です。

そうならないためにも、建ってから大体15年~20年くらいや前回の修理から大体15年~20年くらい経ったら、特に気になることはなくても無料調査をすることをおすすめします。

人間の健康診断と同じと考えて、今、住んでいるお家の健康診断もしてあげましょう。

屋根瓦で漆喰の修理するなら2種類

漆喰の修理にはどんなものがあるのか紹介します。
どちらも屋根に上がっての工事になるので、足場は必須になります。

漆喰の詰め直し

漆喰の詰め直し
既存の漆喰を取り除いて、新しい漆喰を詰め直す工事です。
軽微なひび割れや破損の場合は漆喰の詰め直しの工事をすることが多いです。

棟瓦の積み直し

棟瓦の積み直し
既存の瓦を取り外して、漆喰や土などを全て取り除きます。その後、新たに土台を作り直して、漆喰と瓦を積み上げ直します。
瓦は新しい瓦ではなく、既存の瓦を使います。

瓦が抜け落ちたり、棟がズレている場合に棟瓦の積み直しの工事をすることが多いです。

漆喰の修理はどんなことをやるの?

今回は実際に行った漆喰の詰め直しを例にして手順を簡単に説明します。

  1. 既存の漆喰:施工前の漆喰です。欠けてしまって、誰が見ても劣化していることが分かります。
    既存の漆喰
  2. 漆喰を取り除く:古い漆喰は全て除去します。手で簡単にボロボロと簡単に取れてしまうくらい劣化していました。
    漆喰を取り除く
  3. 漆喰を詰める:新しく漆喰を詰めていきます。表面がツルッとした仕上がりにするため、コテを使って仕上げます。
    漆喰の施工中
  4. 完成:漆喰というと白のイメージが強いですが、今回は、お客様のご要望で黒の漆喰を塗らせていただきました。
    漆喰を詰める

漆喰工事の実績

川崎市麻生区

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川崎市宮前区

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武蔵野市

瓦棟の積み直し

船橋市

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中野区

屋根瓦工事

相模原市

漆喰工事

2023年4月21日住宅知識,屋根修理,屋根,