
皆さん、雨樋に鳥の巣ができた経験はありますか?
雨樋は高所にある為、普段からお住まいの雨樋を定期的にみられている方は少ないと思います。
鳥が屋根や雨樋などに巣を作ることは自然なことですが、時には住まいの構造に大きな被害をもたらしてしまうことがあります。
今回の記事では、基本的な部分から雨樋のメンテナンス方法、対策や業者への依頼方法まで徹底解説します。
雨樋とは?構造と機能を解説
雨樋は、屋根からの雨水を樋(とい)というパイプに流し、地面に安全に排水するシステムです。
樋は、屋根からの雨水を受ける樋(軒樋)と、壁に沿って雨水を下げる樋(縦樋)があります。
また、雨水の流れを確認したり、雨樋内の詰まりを取り除いたりできるよう、マンションやアパートでは、点検口が設置されているところもあります。
雨樋が正常に機能していると、家の外壁や基礎、庭園などへの雨水の被害を防ぐことができます。
しかし、雨樋が詰まると、雨水が溢れて雨漏りやベランダの水たまりなどのトラブルが発生することがあります。
特に、落ち葉や枝などが詰まることが多いので、定期的な清掃や点検が必要です。
雨樋の寿命は、素材によって異なりますが、だいたい10年から20年程度です。
樋が破損したり、隙間ができたりした場合は、修理や交換が必要になることがありますが、樋の修理などは高所での作業の為、安全な方法で行うことが大切です。
雨樋が詰まってしまうと起きる問題
雨樋は屋根に降った雨を排水する役割を持っています。
雨樋の上部は蓋がないため、風の強い日に飛んできた落ち葉や小枝などが滞留して詰まってしまうケースがあります。
落ち葉や小枝は雨で流れたり飛んでいったりする場合もありますが、鳥の巣はしっかりスペースに納まっているため簡単に無くなりません。
雨樋が詰まると以下のような問題が考えられます。
雨水を綺麗に排水できず、雨樋が重みで傾き破損
雨樋は綺麗に雨水を排水させるために傾き(勾配)が設けられています。
雨樋が詰まって雨水が溜まってしまうと、重さに耐えられなくなり破損してしまう場合があります。
部屋に雨漏れが発生
上記の通り、雨樋で排水できなかった雨水が予期せぬ場所に流れてしまい、窓サッシや天井及び壁面から雨漏れが発生してしまうケースがあります。
鳥の糞で外壁材や屋根材が傷んでしまう
問題は雨だけではありません。
外装材に付いた鳥の糞は放置しておくと外装材を傷めてしまいます。
また、鳥を狙った小動物をおびき寄せる為、害獣被害を引き起こす可能性があります。
外壁や屋根などの主となる外装材に目が行きがちですが、快適で安心な住まいを維持するために雨樋などの付帯部分も定期的なメンテナンスが必要です。
原因|雨樋に鳥の巣ができるわけ
雨樋に鳥の巣ができる原因についてお話しします。
雨樋に巣ができるのは、鳥が安全で暖かい場所を求めているからです。
雨樋は屋根の近くにあるため、天敵から身を守ることができますし、雨や風からも遮られる場所にあります。
また、住宅の壁や屋根には熱がたまりやすく、鳥にとって快適な温度が保たれることも、巣を作る理由の1つです。
注意|卵やヒナがいる巣の撤去は法令違反になります!
鳥の巣ができて雨樋が詰まってしまったからと言って、すぐに撤去ができない可能性があります。
巣の中に卵やヒナがいる場合は、鳥獣保護管理法により、撤去をすることができません。
もし、卵やヒナがいる状態で撤去してしまった場合、罰則として1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
鳥の巣ができたからと言って、すぐにご自身で撤去しようとは思わず、まずは専門業者や市区町村・県に相談しましょう。
撤去できる状態としては、巣を作り始めている途中またはヒナが巣立った後であれば、撤去することが可能です。
対策|雨樋に鳥の巣を作らせない!
では、どのような対策があるのでしょうか。以下にいくつか紹介します。
セルフメンテナンスを定期的に行う
巣を作られないように、定期的に雨樋の掃除や点検を行いましょう。
特に落ち葉やごみが詰まりやすい部分や隙間は、鳥が巣を作りやすい環境です。
清掃で鳥が寄り付かないようにしましょう。
簡単にできるセルフメンテナンスを紹介します。
階部分は危険ですので、細心の注意を払い、主に1階部分で行ってください。
- トングなどを使って樋に溜まったゴミを取る
- 垂直方向の樋(縦樋)を軽く叩いて、樋内のゴミを落とす
- はしごや脚立を使って水平方向の樋(軒樋)の中を掃除する
- 集水器の中に溜まったゴミを取り除く ※集水器:軒樋と縦樋が合流する部分についている樋の部材
- ホースを使い、雨樋に水を適量流してゴミを流し出す
鳥よけ対策を行う
雨樋ネットを設置することで、鳥が雨樋に近づくのを防ぐことができます。
ただし、雨樋ネットは取り付ける際に高所作業が必要なため、安全対策をしっかりと行いましょう。
ホームセンターやネットショッピングで購入できるものもあります。
専門業者に相談する
専門業者に依頼して、適切な対策を講じてもらう方法もあります。
無料で相談できる会社も多く、費用や施工方法についても確認できます。
結論|プロの業者へ相談しよう
結論として「プロの業者へメンテナンスを依頼する」ことがおすすめです。
前項で解説したセルフメンテナンスは、主に1階部分のみしかできません。
1階建ての平屋であればご自身でもできる範囲が広いと思いますが、2階建てなどの住宅では高所作業のため、足場が必要です。
「はしごで何とか…」と無理をすると、大きな怪我や事故につながる為おすすめしません。
ここではプロの業者へどのように依頼すればいいか解説します。
地元の業者に直接相談する
地元に根付いている業者へ直接相談してみましょう。
以下の業者がおすすめです。
- 小さなことも相談に乗ってくれるリフォーム会社
- 雨樋や屋根専門の業者
- 害虫害獣駆除を専門とする業者
電話やWeb相談、店舗訪問など様々な相談方法がありますが、ホームページでお問い合わせフォームが用意されている会社であれば、気軽にメールで相談してみることをおすすめします。
不誠実な仕事をしたり不当な請求を行ったりする業者がいる為、気軽に相談に乗ってくれるか、見積もりは無料でしてくれるか、どこから有料なのか、大体いくらかかるのか等事前に確認しましょう。
地元に根付いている業者であれば、より問題なく対応してくれると思います。
建築したハウスメーカー・工務店に相談する
「どこに頼めばいいかよく分からない…」という方は、お住まいを建築したハウスメーカーや工務店に依頼することもできます。
メリットとしては、自社が建築した建物のため、施工は間違いないという点と他の気になる箇所も一緒に点検してもらえるという点が挙げられます。
デメリットとしては、金額が高い傾向にあることです。
これは業者によって異なりますが、特にハウスメーカーは材料費と施工費の金額が高額です。
その中でも良心的な価格でお見積りしてもらえることもありますが、できれば相見積もりを数社行って比較することをおすすめします。
ホームセンターに相談する
近隣のよく行く大手ホームセンターでは住宅のリフォームやメンテナンスを相談できるところが増えてきました。
店内に設けられているリフォーム相談窓口に行けば簡単に相談できます。
主に自社施工ではなく協力業者に委託する形を取るため、施工事例や保証期間などを一緒に確認することをおすすめします。
どの業者へ相談する場合でも、お住まいの図面や現状を撮影した写真を用意しましょう。
言葉だけでなく、実際の寸法が分かる資料や状態が確認できる写真があると打ち合わせがスムーズに進みます。
まとめ
雨樋のメンテナンス情報や業者の紹介、リフォームの効果や費用などは、インターネットで調べることができます。
また、お住まいの地域によっては、自治体がサポートする施工業者や割引制度があることもありますので、お客様にとって有益な情報をチェックしてみてくださいね。
雨樋の点検や清掃、修理については、プロの業者に依頼するのがおすすめです。
まずは、無料の見積もりや相談を利用してみて、現在の雨樋の状態を点検診断してもらいましょう。
安全かつ快適な住まいのためにも、適切に雨樋を管理していきましょう。