足場とは?基礎知識から役割・種類・費用・2024年の法改正まで分かりやすく解説!

足場とは?足場の役割や種類・費用・2024年の法改正まで丸ごとが完全ガイド

建設工事や解体工事で欠かせない「足場」は、高所作業の安全確保作業効率向上のために設置される仮設構造物です。

職人の命を守るために欠かせないのはもちろん、作業のしやすさ工事の仕上がりの品質にも大きくかかわる重要な設備です。

工事の見積もりに足場代が入ってるけど、これって必要?」「足場代は高いから、脚立で工事できないの?」という疑問をお持ちの方もいるかと思います。

労働安全衛生法により、2m以上の高さで作業をする際は、足場を設置することが義務付られています。

さらに、2024年の法改正により、一側足場の設置基準や点検義務が厳格化され、現場作業員の安全管理がさらに強化されました。

今回の記事では、足場の役割や種類法改正のポイント、さらには世界の足場事情意外な施工現場についてまで幅広く解説します!

足場とは?

足場とは?

足場(あしば)」とは、建設工事や解体工事などで、高所での作業や作業床を確保するために設置される仮設の構造物です。

作業員が安全かつ効率的に作業を行うための足場となり、現場では欠かせない存在です

使用例としては、以下のような工事があります。

使用工事 設置内容
建設工事 新築やリフォーム時、外壁や屋根などの作業をするために、建物の周囲に配置される
解体工事 建物の解体時に、高所での作業や撤去作業を安全に行うために設置する
その他 橋やダムなどの大規模構造物でも、作業床や通路として足場が活用される

足場の役割

足場の役割

足場は、工事を安全かつスムーズに進めるために欠かせない存在です。

外壁塗装や屋根工事・雨どい工事など高所での作業は、足元が不安定だと転落事故の可能性がありますが、足場があることで安定した作業スペースが確保され、安全性が向上します

また、ハシゴや脚立より移動がスムーズで、作業時間の短縮にもつながり、しっかりとした作業スペースで丁寧に作業することができ、工事の仕上がりや品質の向上にもつながります。

なぜ足場が必要なのか

なぜ足場が必要?

足場は「本当に必要?」「簡単な作業ならいらないのでは?」と思われがちですが、高さ2m以上の場所で作業を行う場合、法律で足場の設置が義務付けられています

ハシゴや脚立で施工した場合、転落や落下物による事故の可能性や現場職人だけでなく、近隣住人や通行人にとっても危険が及ぶリスクがあります。

安全面を考えると、足場の設置は非常に重要です

足場があることで作業がしやすくなり、施工ミスの防止や工期の短縮にもつながります。

結果として、「工事の品質」や「工期の短縮」に影響を与えるため、足場を省略するのではなく、しっかりと設置することが、安心で安全な工事を実現するカギとなります。

足場の主な種類と特徴

足場の主な種類とそれぞれの特徴をイラスト付きで紹介します。

各足場には、特徴によって得意な場所と不得意な場所があるため、工事内容や現場の条件・安全性・コスト・作業効率などを総合的に判断して選ぶことが大切です。

くさび緊結式足場(ビケ足場)

くさび緊結式足場(ビケ足場)

特徴 くさび形の金具でしっかり固定でき、組み立てが早く強度が高いのが特徴です。
向いている工事・現場 高層ビルやマンションの外壁工事など、大規模な建築・改修工事など

単管足場

単管足場

特徴 単管パイプを使った簡易的な足場で、自由度が高く柔軟に組み立てできるのが特徴です。
向いている工事・現場 小規模な修理や補修工事、短期間の仮設足場など

吊り足場

吊り足場

特徴 建物や橋などの上部から吊り下げて設置する足場で、地面に足場を設置できない場所でも対応できます。
向いている工事・現場 橋梁や高架下の補修・点検作業、ビルの高層部分の外壁工事など

移動式足場

移動式足場

特徴 キャスター付きで移動が簡単な軽量足場で、短時間での移動や設置・解体がしやすいことが特徴です。
向いている工事・現場 室内工事や工場内の設備点検、小規模な外壁塗装やメンテナンス作業

足場が使われる工事の例

足場が使われる工事の例

足場は、外装工事や高所作業に欠かせない設備で、新築や外壁塗装、屋根の工事、太陽光パネルの設置など幅広く使われています。

戸建て住宅では、外壁全体を囲むように足場を組み、職人の動きやすさと広い作業スペースを確保することが可能です。

商業施設や高層ビルの建設・メンテナンスにも必要で、安全性と作業効率を高め、工期短縮にもつながります。

足場は、高所作業における「安全と効率」を支える重要な存在です。

足場設営にかかる費用の目安

足場設営にかかる費用の目安

足場の設営費用は、建物の広さや足場の種類、設置条件によって異なりますが、一般的な戸建て住宅では15万~20万円前後が目安です。

また、足場の設置が必要な工事は、その分コストがかかりますが、外壁塗装や屋根工事をまとめて行うことで、足場費用を1回で済ませることができ、トータルコストを抑えられる場合もあります

実際に当社で行った、同じ足場を利用して複数箇所の施工を行った様子です。よろしければご覧ください。

2024年の足場法改正でどう変わった?

2024年の法改正でどう変わった?

2024年に施行された足場に関する法改正は、現場作業員の安全確保をさらに強化することを目的としています。

特に、一側足場の設置基準や点検義務の明確化が大きなポイントとなりました。

この改正により、足場の組み立てや解体時の安全対策が厳格され、より細かなチェックや記録の義務化が求められるようになりました。

また、点検の頻度や内容についても基準が明確になり、安全管理の徹底が図られており、これにより、事故の減少労働環境の改善が期待されています。

こちらの記事では、2024年の足場法改正について詳しく説明しています。ぜひご覧ください!

足場にまつわる豆知識

最後に、世界の足場事情に関する豆知識と、「こんな場所に足場が・・・?!」と思ってしまうような意外な施工現場をご紹介します。

世界の足場事情

世界の足場事情

上の写真は、今もなお香港やアジアの一部地域で使用されている「竹足場」という伝統的な工法です。

軽くてしなやかな竹は、高層ビルにも対応できる強度があり、10階以上の建物にも使われているそうです。

香港では「竹足場職人(Bamboo Scaffolder)」という国家資格も存在し、現役の技術として根付いています。

鉄パイプと竹を組み合わせたハイブリッド型の足場も使われていて、伝統と現代技術が共存する足場文化になっています。

足場ってどんな場所で使われる?意外な施工現場まとめ

こんなところに足場?!意外すぎる施工現場

足場と言うと、建物の外壁や屋根工事に使われるイメージが強いですが、実は超巨大な建造物にも欠かせない存在です。

たとえば、東京スカイツリーのような超高層建築では、地上600m級の高所で安全かつ効率的に作業できるよう、特殊な足場技術が使われました。

そのひとつが「外周部特殊足場」と呼ばれる、タワーの形状に合わせた完全オーダーメイドの足場です。

超高所・強風・狭小空間という過酷な条件下で、足場は工事を支える縁の下の力持ちとして活躍しました。

また、ダムのような巨大構造物では、垂直に切り立った側面に沿って、何十メートルにもおよぶ足場が組まれます。

仮説資材とは思えない圧倒的スケールで、作業員の命を守り安全な作業空間を与えています。

まとめ

足場は高所作業の安全と効率をよく行うために欠かせない仮設設備です。

安全性・作業効率・仕上がりの品質」という3つの柱を支える、とても重要な役割を担っています。

2024年の法改正で、一側足場の使用制限点検の義務化など安全対策が強化され、作業員の命を守る取り組みが進んでいます。

また、足場には種類があり、現場の条件工事内容に応じて最適なものを選ぶことが重要です

費用面では、複数の工事をまとめて行うこと足場のコストを抑えることができます

工事を検討している方は、足場の重要性を正しく把握しておくことで、信頼できる業者を見極める際の判断材料になります。

安全で満足のいく工事を実現するためにも、足場に関する知識は欠かせないポイントです

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