雪で雨どいが破損!?火災保険は使える?雨どいが破損する理由とこれからできる対策

雪で雨どいが破損

関東では、雪が降っても積もることが少ないですが、ここ最近は関東でも20㎝以上積もるほどの大雪が降ることがあります。

例えば、2018年1月22日の大雪2014年2月の大雪などで20cm以上の積雪、2024年2月5日の雪では、都心で10cmの積雪を観測したそうです。

その大雪によって、雨どいやカーポート、屋根が壊れてしまう被害が発生しており、当社にもたくさんのご相談や修理依頼が寄せられます。

「え、雪で壊れるの?」と、思われる人もいらっしゃっるかもしれません。

この記事では、雪で壊れてしまう理由や対策・火災保険を使った修理方法などを紹介します。

雪の重さはどのくらい?

屋根に雪が積もっている

関東でも、2018年1月22日や2024年2月5日に降った雪のように10㎝以上の積もるほどの雪が降ることがあります。

ふわふわとキレイに舞って一見軽そうに見える雪ですが、雪は水蒸気が結晶したもので水を含んでいます。

水を含んだ雪が積もって、塊になり、時間の経過と共に密度が高くなるため重くなります。

雪の重さを表にすると以下のようになります。

雪の状態 重さ/㎥(立方メートル)
新雪(しんせつ) 50〜150kg/㎥
こしまり雪 150〜250kg/㎥
ざらめ雪 250〜500kg/㎥

※1㎥(立方メートル)は、縦・横・高さが1メートルです。

雪は、新雪(降ったばかりの雪)から状態が変化し、重くなっていきます。

新雪 → しこまり雪(雪が積もってやや硬くなった雪) → ざらめ雪(ザラメのような氷粒がある雪)へと変化します。

雪で雨どいが破損してしまう理由

上記で説明したように雪は積もると非常に重くなります。

雨どいが破損してしまう原因は、2パターン考えられ、どちらも雪の重さによって「変形」「破損」「落下」が起こる可能性があります。

それぞれ以下で詳しく説明します。

雨どいに降り積もった雪の重みで破損

雨どいに降り積もった雪の重みで破損

雨どいに降り積もった雪の重みで破損するケースは、この言葉のままで雪が降ると屋根にも積もりますが、雨どいにも雪が積もります。

降り積もる雪が多くなればなるほど、時間が経って密度が高くなればなるほど、雪は重みを増して雨どいに大きな負荷をかけます。

その負荷に耐えられず、雨どいに歪み(変形)が発生する可能性があります。

関東では、雪が降っても1日〜2日で溶けてしまうので、このケースで変形することは少ないですが、雪国などのたくさん雪が降る地域では雪で雨どいが変形することがあります。

雨どいの変形

もし、雨どいに歪み(変形)ができると、歪んでいる箇所に水が溜まって流れを悪くし、大量の雨が降ったときには水が溢れ出て、音がうるさかったり、お隣の敷地へ水がバシャバシャ入ってしまうかもしれません。

さらに雨どいが劣化している状態で雪が降ると、万全ではない状態で雪の重さに耐えなければならないため、最終的に雪の重さに耐えきれず、大きく破損してしまうこともあります。

屋根に積もった雪が流れ落ちて破損

屋根に積もった雪が流れ落ちて雨どいを破損してしまうことがあり、関東の場合は、このケースでの破損が多いでしょう。

関東の場合は、雪国と違って連日雪が降ることはないので、ざらめ雪まで変化することは少なく、雪が積もってやや硬くなった状態(しこまり雪)までだと思います。

雪の重さの表に当てはめると、雪が降った場合、屋根に約150〜250kg以上の重さが乗っているということになります。

関東では1日〜2日くらいで雪が溶け始め、ポタポタと水が落ちますが、稀に雪崩のように大きな塊が滑り落ちてくることがあります。

屋根に積もった雪が流れ落ちて破損

想像してみてください。

約数百kgの雪が勢いよく滑り落ちてきて、雨どいに当たってしまうことを。

多くの家の屋根は勾配(傾き)があり、雪の重さに速度も加わるので雨どいにかかる負荷は相当なものになります。

雨どいは構造上、屋根に降った雨水を集めて地面まで流すという排水の役割があるため、どうしても屋根から滑り落ちた雪の影響を最も受けやすいです。

雪が降ったとき・溶け始めたときに屋根の下を歩くことは控えてほしいですが、もし屋根の下を歩くことがあれば、雪が落ちてきたり、雨どいが落ちてくる可能性もあるので、頭上に注意して歩くようにしましょう。

実際に当社に寄せられた雪で雨どいが壊れてしまった例

ここでは、実際に当社に寄せられたお問い合わせを一部紹介します。

皆さんの家でもこのように破損していたりしたら、ぜひ当社にご相談ください。

【実例①】築4年|雨どいの破損・落下

雨どいの破損・落下

築4年の家で雪の影響で雨どいが一部破損して、落下してしまいました。

恐らく屋根から滑り落ちた雪によって、破損してしまったのだと推測しています。

【実例②】築20年|雪の重みで雨どいが外れ、宙ぶらりん状態に

雪の重みで雨どいが外れ、宙ぶらりん状態

雨どいの金具などが壊れて宙ぶらりんの状態なっています。

今回は、運が良く場所がベランダで、物干し竿をひっかける柱もあったので、事故を防げていますが、これがベランダでなかったら・・と考えると怖いですね。

今まで雨どいの交換などの修理は行ったことがなく、恐らく雨どい自体の劣化もある状態の中で太陽光パネルから滑り落ちた雪の重さで破損してしまったのではないかと思います。

【実例③】築13年|雨どいが2階から落下

雨どいが2階から落下

約2.7mの雨どいが2階から落下してしまいました。

落下した雨どいの屋根には、雪がまだ積もっていたため、恐らく雨どいに積もった雪の重みで雨どいが継手部分から破損してしまったのだと思います。

また、雨どいの寿命が10〜15年と言われており、この家の築年数が13年だったので、雨どい自体の劣化もある状態の中で雪が雨どいに積もって破損したのかもしれません。

雨どいが破損したらどんな修理が必要?費用は?など、雨どいについてもっと知りたい人はこちらもご覧ください。

雨どいが破損しないためにできる対策

雨どいが破損すると修理にお金と時間がかかります。

雨どいの修理には、雨どいの交換と補修がありますが、どちらも2階以上の修理の場合、足場代がかかってしまい、最低でも15万円以上の出費になります。

全ての雨どいを交換すると60万円の出費も考えられます。

雨どいが破損して修理となる前に雨どいが破損しないためにできる対策を3つ紹介します。

定期点検

雨どいの定期点検

雨どいが雪で破損している実例を見ると分かるとおり、雨どいを交換してから10~15年経っている家や一度もメンテナンスしていない家で発生していることが分かります。

同じようにならないためにも定期的な雨どいの点検をするようにしましょう。

目安としては、1年に1度が良いですが、最低でも雪が降りそうと分かったタイミングや雨どいの寿命といわれている10年目くらいで点検をすることをオススメします。

雪止め金具

雪止め金具

雨どいが雪で破損してしまう理由の一つに屋根からの落雪があります。

この落雪を防ぐために屋根に設置する部材が雪止め金具です。

雪止め金具があると、雪が溶けて滑り落ちてくるときに雪止め金具が雪を止めてくれるので、落雪することを防いでくれます。

また、雪止め金具は後付けが可能なので、瓦屋根・スレート屋根・ガルバリウムなどの金属屋根で設置が可能です。

費用も足場代は別途かかりますが、10万円〜となります。

雨どいが壊れてしまって、雨どいの修理をするよりも安く工事ができると考える人もおり、雪が降ると雪止め金具の設置の依頼が増えます。

雪国では雪下ろしの時に邪魔になってしまうので、設置されているところが少ないですが、関東などのたまに雪が降るくらいの地域では雪止め金具が活躍してくれるので、設置されていない人は検討してみてはいかがでしょうか。

元旦内樋

元旦雨樋

公式サイト:元旦ビューティー株式会社|元旦内樋

雨どいが雪で壊れてしまうことを防ぐため、雨どい自体を雪に強いものにした商品が元旦内樋です。

この元旦雨樋は、通常の雨どいとは形状が変わっており、雨どいの上に鉄板を被せたような形になっています。

そのため、雪だけではなく、枯葉が雨どいに入ってしまうことを防いだり、強度が高いので台風にも強いとされています。

雪がたまに降るくらいの関東では、活躍の場が少なそうにみえますが、家の近くが公園で枯葉が詰まって困っているなどのお悩みがある人は雪と枯葉どちらも防止してくれるので、設置を検討してみるといいかもしれません。

雪の影響は雨どい以外にも!雪でカーポートも破損する

雪でカーポートも破損する

雪が降って破損するものは、雨どいだけではありません。

よく聞くものでいうと、カーポートの破損、テレビアンテナの転倒・破損、車などです。

ここではカーポートの破損について少し触れます。

雪が降るとカーポートが破損してしまったというお問い合わせもいただきます。

一般的なカーポートは、降ったばかりの雪(新雪)で20cm(61.2kg/㎡)までは耐えられるように設計されているそうです。

参考サイト:リクシルよくあるお問い合わせ|カーポートやテラスはどの程度までの積雪に耐えられますか?

カーポートが壊れてしまう理由は、雨どいと同じで屋根から落ちてきた雪の重さで破損してしまいます。

屋根から落下する雪は、新雪ではなく雪が溶け始めて、固まったものがまとまって落ちてくるので、それなりの重さがあります。

それがカーポートに直撃してしまうと破損に繋がってしまいます。

カーポート工事をしている様子
カーポート工事をしている様子

もし、破損してしまった場合、破損した度合いにもよりますが、カーポート全体を交換したら30〜50万円くらいになります。

その他、カーポートの屋根部分(ポリカ)を交換で2〜3万円/枚くらいかかります。

※ポリカーボネート製品等値上げしているため、時期によっては、記載価格よりも高くなることがあります。詳しくはご依頼される業者にご確認ください。

カーポートが破損しないためにできる対策

カーポートが破損しないために簡単にできる対策としては、早めにカーポートの屋根から雪を下ろすことです。

20cmになる前に雪下ろしするだけでも、カーポートを破損から守ることができます。

それ以外では、費用がかかってしまいますが、屋根に雪止め金具をつけることです。

雪止め金具とは、屋根につける部品で、これを設置することで雪が大量に滑り落ちてくることを防ぐことができます。

また、これからカーポートを設置する予定の人は、屋根からの落雪がカーポートが破損する原因となるため、可能であれば屋根から離れた場所に設置すると被害を避けられます。

雪で破損したら火災保険が使える?

雪で破損したら火災保険が使える

雪で雨どいやカーポートなどが破損した場合、火災保険の「雪災」の対象となるため、火災保険の申請をすると修理費用が下りる可能性があります。

火災保険を利用することで、自分たちはお金を出さず、火災保険が下りた金額だけで雨どいの修理やカーポートの修理をすることが可能です。

ここからは、火災保険の申請方法と気をつけたいことについて紹介します。

火災保険の申請方法

火災保険の申請をする上で、最初に確認してほしいことが入っている火災保険に雪災が含まれているかどうかです。

これは火災保険の証書を見て雪災に「◯」が付いていたら申請が可能です。

その後は、以下のステップで申請を進めましょう。

  1. 保険会社に連絡をする
  2. 保険会社から申請書類が郵送される
  3. 修理業者に見積書作成の依頼をする
  4. 見積書・写真・申請書類をまとめて保険会社へ提出する
  5. 保険会社の審査や鑑定人の調査
  6. 保険金の入金

通常はこの流れで保険金が入金されるまで1ヶ月〜3ヶ月くらいかかります。

火災保険の申請で気をつけたいこと|申請期限

火災保険の申請で気をつけてほしいことの一つ目が、申請期限です。

火災保険の申請は、被災されてから3年以内と期限が決められています。

そのため例えば、2018年1月22日の大雪で雨どいが破損したから火災保険を申請したいと思っても、被災してから6年経っているので申請できないということになります。

もし、2024年2月5日の雪で被災された場合は、今すぐに申請することをオススメしますが、最低でも2027年までに申請するようにしましょう。

火災保険の申請で気をつけたいこと|業者の選定

火災保険の申請で気をつけてほしいことの二つ目が、業者の選定です。

火災保険の申請方法でもあったように、火災保険を申請するためには必ず修理業者の見積書や写真が必要になります。

ネットで検索すると、火災保険の代行会社などもありますが、火災保険が下りた数パーセントを支払う成果報酬型なため、せっかく下りた保険金を全て修理費用に当てることができません。

また、火災保険のサポートしてくれる会社を探すことと実際に修理してくれる業者を探すこと、この2つをしなければならないため、労力がかかります。

他には、雨どい専門の修理業者やリフォーム業者などもありますが、火災保険に対する知識が低いと修理に必要な金額を下ろせない可能性もあります。

そのため、火災保険を使って雨どいの修理をしたい場合は、火災保険の知識がある雨どい専門業者に依頼することをオススメします。

最後に

火災保険の知識がある雨どい専門業者をお探しの人は、ぜひ当社にご相談ください。

当社では、屋根や雨どいを中心に外装リフォームや火災保険サポートもご用意しております。

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当社にご依頼いただければ、下りた保険金を全て修理費用に当てることが出来、別で修理業者を探す手間も省けて、一石二鳥です。

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2021年1月22日住宅知識,雨どい