招き屋根とは?メリット・デメリットや差し掛け屋根との違い・メンテナンスまで解説!
みなさんは、招き屋根をご存知でしょうか?
今、この記事を読んでいる人の中には、工事業者などから『招き屋根』という言葉を聞いて、気になって調べているという人もいるかもしれません。
この記事では、招き屋根についてのメリットやデメリット、間違えやすい差し掛け屋根との違い、メンテナンス方法まで分かりやすく解説します。
招き屋根とは
まず、みなさんが家の絵を描くとしたら、どんな形の家を描くかイメージしてみてください。
恐らくこんな三角屋根の家をイメージした人が多いのではないでしょうか。
招き屋根とは、この三角屋根の一辺が短い屋根のことを言います。
イラストにするとこのような屋根です。
招き屋根の外観
実際に建築されている招き屋根はどんな外観なのか見てみましょう。
画像出典:株式会社ヘルシー|施工事例
画像出典:エフ・ベース|スタッフブログ
このように三角屋根の一辺が短い屋根が招き屋根です。
招き屋根は、構造がシンプルで平屋との相性が良く、平屋なのに2階建のように広々とした空間作りをすることができます。
招き屋根と差し掛け屋根の違い
招き屋根を調べていると、このような屋根を見たことはないでしょうか。
画像出典:Reform life
実は、この家は招き屋根ではなく、差し掛け屋根という形の屋根です。
差し掛け屋根とは、画像のように片流れの屋根の壁にもう一つの屋根(下屋根)を差し掛けた形をいいます。
しかし、招き屋根と検索するとこのような家が検索で多く表示され、一般的にはこちらの家が招き屋根と紹介されることが多いので、差し掛け屋根を招き屋根と勘違いされる人もいます。
なぜ、この差し掛け屋根が招き屋根と言われているのかというと、以下のイラストを見ていただくと分かるとおり、屋根の一辺が短いからです。
招き屋根は屋根の一辺が短い屋根という特徴があるため、この差し掛け屋根も招き屋根と混同されてしまう傾向にあるようです。
しかし、厳密にいうと招き屋根は、一つの三角屋根の一辺が短い屋根のことをいいます。
差し掛け屋根との違いは、もう一つの屋根(下屋根)があるかないかの違いで、イラストを見ていただくと分かるかと思います。
その他にも招き屋根に下屋根がある家もあり、それもまとめて招き屋根と呼んでいる人もいるようです。
招き屋根の構造
※あくまで一例となります。
ここでは、招き屋根の構造について、少し解説します。
構造や名前を少しでも分かっていると、メンテナンスの際、業者と話すときにスムーズに進みますので、参考程度にご覧ください。
この例で挙げているイラストは、先述した招き屋根に下屋根があるタイプの家です。
このような家の場合の棟や雨どいは画像のイラストように設置されることが多いです。
詳しく見ると、棟は大棟が一つ、雨どいは軒樋や縦樋、呼び樋がある構造になります。
雨どいの縦樋は、地面の排水管に直接雨水が流れるような仕組み作りをして、設置するケースが多いので、排水管があるところに縦樋が設置されます。
この家のメンテナンスは、使用している材料などにもよりますが、屋根だったら20年〜・大棟/雨どいならば15年〜くらいで点検またはメンテナンス工事を行うと良いでしょう。
招き屋根のメリット
招き屋根のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
主にメリットと言われている2つを紹介します。
工事費用が安い
招き屋根はシンプルな構造なため、工事費用が安くできる可能性が高いです。
また、屋根のリフォームをする際、複雑な形をしているとリフォーム費用も高くなりがちですが、招き屋根の場合はシンプルな形のためリフォーム費用も安く抑えられます。
なるべく安価に抑えたい人には、おすすめな屋根の形です。
太陽光パネルが設置しやすい
エコな発電方法で余った電力は電気会社に買い取ってもらえることから、屋根に太陽光パネルを設置しようかと検討されている人も多いかと思います。
そんな人におすすめできる屋根の形が招き屋根です。
太陽光パネルはメーカーによって大きさが異なりますが、約1.5m前後のものが多く、屋根面が狭いと設置することができません。
招き屋根は一辺が短いことが特徴ですが、その分、もう一方の屋根面を広く設計することができます。
広く設計した屋根面に太陽光パネルが設置可能のため、太陽光パネルを検討される人に特におすすめです。
招き屋根のデメリット
招き屋根のデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
主にデメリットと言われている2つを紹介します。
雨漏りしやすい
このような複合タイプの招き屋根の場合、壁と屋根が接している部分(業者内では壁との取り合いが・・なんて話したりします)から、雨漏りしやすいです。
この壁と屋根が接している部分は建物の構造上、少なからず、隙間が空いてしまいます。
そのため、しっかりと水が入ってしまわないように雨仕舞い(あまじまい)をする必要があります。
さらに仮にちょっとした隙間から水が入ってしまっても水を上手く誘導して、外に流れてくれるような仕組みを作るので、雨漏りのリスクを軽減させられます。
外観がダサい
招き屋根のことを調べようと思い 『 招き屋根 』 と入力すると、予測ワードで 『 ダサい 』 と表示された人もいるのではないでしょうか。
外観のデザインは人の好みが分かれる部分ではありますが、ダサいと感じる人が多いようです。
一方で普通の三角の屋根だと面白くないから、個性を出したい人にとっては自分流こだわれるので魅力的な屋根の形だと思います。
招き屋根のメンテナンス方法
招き屋根の家で行う必要があるメンテナンス方法は5つ考えられます。
部分補修
最も簡単で安価なメンテナンス方法です。
屋根材が部分的に破損したり、ひび割れているところをコーキングしたり、屋根材を一枚だけ交換するなどの補修方法になります。
補修箇所が数カ所で雨漏りなどの原因が分かっている場合は、この方法でも良いでしょう。
棟板金交換・補修
棟板金は風の影響を最も受けやすいため、釘が取れてしまっていたり、棟板金が浮いた状態になってしまうことがあります。
放置してしまうと、水が入ってしまう原因となるので、定期的な点検が必要となります。
棟板金のメンテナンス方法は全体的な棟板金の交換や一部だけの交換、釘が取れている場合は新たにビスを打ち込んで固定したりなどを行います。
屋根塗装
スレート屋根やガルバリウム屋根などの金属屋根で表面の色あせや劣化が見られたときに行うメンテナンス方法です。
一般的に約10年〜15年で屋根塗り替えが必要となります。
もっと詳しく屋根塗装について知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
カバー工法
スレート屋根やガルバリウム屋根などの金属屋根でできる方法で、既存の屋根の上から新しい屋根材を取り付けます。
屋根を葺き替えるよりも工事費を抑えられるので、カバー工法を選ばれる方も多いです。
ただ、カバー工法は屋根の重量が重くなるため、一度しかできない方法です。
もっと詳しくカバー工法について知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
屋根の葺き替え
カバー工法をした屋根や瓦屋根、屋根の下地や防水シートまで劣化している場合は屋根の葺き替えが必要です。
屋根の葺き替えは、既存の屋根を全て取り外して、新たに下地や防水シート・屋根材を設置する方法です。
もっと詳しく屋根の葺き替えについて知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
まとめ
今回は招き屋根について紹介しました。
招き屋根は、差し掛け屋根と間違えやすい屋根ですが、招き屋根は非常にシンプルで雨漏りしにくい屋根ですので、これから家を建てる人におすすめです。
しかし、差し掛け屋根や複合タイプの招き屋根は、雨漏りのリスクがありますので、しっかりメンテナンスをしましょう。