【完全版】ベランダ防水の勾配不良の直し方|原因・チェック方法・修理費用を徹底解説

【完全版】ベランダ防水の勾配不良の直し方|原因・チェック方法・修理費用を徹底解説

「雨が降ったあと、ベランダに水たまりができるのは当たり前」そう思っていませんか?

実は、水がうまく流れない原因の多くは、ベランダの傾斜が足りない「勾配不良」にあります。

水たまりを放置すると、防水層の劣化が進み、最悪の場合は室内への雨漏りや建物の腐食につながることもあります。

今回は、ベランダの勾配がなくなる原因やベランダに必要な角度、勾配不良が引き起こすリスクをわかりやすく解説します。

さらに、自分でできる勾配チェックの方法や補修費用の目安も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【基礎知識】ベランダの水勾配とは?

【基礎知識】ベランダの水勾配とは?

水勾配とは、ベランダやバルコニーの床面に設けられる、「ドレン(排水溝)に水が流れるようにするためのわずかな傾き」のことを指します。

この傾斜の役割は、雨水を停滞させずに素早く・確実に排水へ導くことです。

水が流れずに溜まる「滞水(たいすい)」を防ぐ、非常に重要な仕組みです。

もし勾配が適切でない場合、水が特定の場所に残り続けてしまい、防水層が水分に長時間さらされて劣化が進行してしまいます。

水勾配は、防水層の寿命を左右する「命綱」ともいえるほど大切です。

建築基準が推奨する適切な角度・比率

ベランダの防水工事では、建築基準法や業界の施工指針により、適切な勾配が定められています。

一般的に推奨される勾配は、1/50(50分の1)~1/100(100分の1)程度です。

  • 1/50の場合:50cm進むごとに1cm下がる
  • 1/100の場合:100cm進むごとに1cm下がる

このわずかな傾斜が、水たまりを防ぎ、良好な水切れを保つうえでとても重要になります。

また、積雪が多い地域や雨風が強い環境では、より水が流れやすいように強めの勾配(1/50)を採用することもあります。

ベランダの勾配不良が起きる原因

ベランダの床面は本来、排水溝に向かってわずかに傾斜がつけられています。

しかし、さまざまな理由でその傾きが失われ、雨水が適切に流れず、水たまりが発生する原因になります。

施工時の勾配ミス(新築・リフォーム時)

施工時の勾配ミス(新築・リフォーム時)

最も多いのが、施工時に勾配のつけ方を誤るケースです。

床が水平に近かったり、排水溝とは反対方向に傾いてしまっていると水が溜まりやすくなります。

新築やリフォーム直後から水が流れにくい場合、この原因が疑われます。

下地の沈下や凹み(経年劣化)

下地の沈下や凹み(経年劣化)

経年劣化や地震・地盤沈下などによって建物がわずかに傾くと、ベランダの床の勾配が崩れ、水が流れにくくなります。

また、防水層の下にある下地材が腐食や湿気で沈下し、部分的に凹みが生じて水が溜まるケースもよく見られます。

防水層やトップコートの塗りムラ

防水層やトップコートの塗りムラ

ウレタン防水やFRP防水の場合、塗りムラ・塗布量不足・微妙な段差によって水が引っかかり、滞水が発生することがあります。

施工直後から水が残るようになった場合は、この原因の可能性が高いです。

排水溝の詰まりによる一時的な滞水

排水溝の詰まりによる一時的な滞水

排水溝に落ち葉や砂、ホコリが溜まると、水が一時的に流れなくなり、水たまりが発生します。

これは厳密には勾配不良ではありませんが、防水層を長時間水に浸すという点でリスクが生じるため、定期的な清掃が欠かせません。

危険!勾配の不具合が引き起こすリスク

勾配不良は「水たまりがあるだけ」と軽く見られがちですが、実際には放置することでさまざまなトラブルを引き起こします。

ここでは、ベランダと建物に及ぼす3つの深刻な悪影響を解説します。

トップコートの早期劣化・剥離

トップコートの早期劣化・剥離

防水層の表面を保護する「トップコート」自体には、防水機能がありません。

そのため、水に長時間さらされると劣化が急速に進行します。

トップコートの劣化が進むと、「表面のひび割れ」「パリパリとした剥がれ」「色あせや粉化」といった症状が現れます。

トップコートが剥がれると、防水層は紫外線・水分に直接さらされ、防水層の寿命が一気に短くなるという大きなリスクがあります。

コケ・カビの発生と滑りやすい危険な床面

コケ・カビの発生と滑りやすい危険な床面

水たまりが慢性的にできる環境は、コケや藻・カビが繁殖しやすくなります。

見た目が悪くなるだけでなく、床面が滑りやすくなり、転倒事故のリスクが高まるのが大きな問題です。

水の侵入による下地の腐食・雨漏り

水の侵入による下地の腐食・雨漏り

最も重大なリスクが「下地への浸水」です。

滞水によって劣化した防水層のひび割れ部分から水が侵入し、下地の腐食・膨れ・ひび割れの拡大を起こします。

最終的には、防水層を貫通して室内への雨漏りにつながる危険性もあります。

あなたのお家のベランダは大丈夫?勾配チェック方法

勾配不良が起きているかどうかは、ご自身で簡単に確認することができます。

ここでは、誰でもできるチェック方法をまとめました。

「もしかして勾配不良かも?」と感じたら、ぜひ試してみてください。

水流チェック

水流チェック

ホースやバケツなどで軽く水を流し、スムーズに排水溝に向かっていくか確認します。

途中で水の流れが止まる・流れが極端に遅い・反対方向に広がる」といった場合、勾配不良の可能性があります。

ビー玉やゴルフボールを転がす

ビー玉やゴルフボールを転がす

シンプルで分かりやすい確認方法です。

ビー玉・ゴルフボールなど転がりやすいものを床にそっと置いてみましょう。

正常な勾配があれば、ゆっくりと排水溝の方向へ曲がります。

もし「途中で止まる・別方向に転がる・全く動かない」という場合は凹み(沈下)や逆勾配が発生している可能性が高いです。

水平器を使用する

水平器を使用する

ホームセンターなどで購入できる「水平器」を使うと、傾きを直接チェックすることができます。

排水溝の方向に向かって、推奨される傾斜(1/50~1/100程度)が確保されているか確認しましょう。

水平器の気泡が、傾斜を示す目盛りの範囲内にあれば正常です。

【簡単】スマホの水平器アプリを利用する

【簡単】水平器アプリ

専用の水平器がなくても、スマートフォンの「水平器アプリ」で確認することができます。

無料でダウンロードできるものも多く、精度も日常チェックには十分です。

スマートフォンを床面に密着させて角度を測り、異常な傾きがないか確認しましょう。

勾配不良を解消する補修方法

勾配不良を解消する補修方法

勾配不足による水たまりを根本的に解決するには、大きく分けて「塗り重ねで調整する方法」と「下地からやり直す方法」の2種類あります。

ここでは、専門業者が行う具体的な補修方法と、それぞれの特徴を詳しく解説します。

やねまるの勾配補修工事

当社では、既存の状況や劣化の程度を丁寧に確認したうえで、最適な勾配補修工事をご提案しています。

雨水の流れや既存下地の状況に配慮しながら、建物に負担をかけずに施工を進めます。

【根本解決】下地大工工事+防水層再施工

勾配不良の原因が、下地の腐食や沈下など「構造体そのもの」にある場合、表面だけ直しても再発の可能性があります。

その場合は、既存の防水層と下地材をすべて撤去し改めて勾配を作り直す必要があります

この方法は、最も工期と費用がかかりますが、構造的な問題から解決できるため、最も確実で耐久性の高い補修となります

勾配調整は、とても難しく技術が必要な工事です。
施工方法や費用・品質は業者によって大きく異なるため、慎重に業者選びを行いましょう。

勾配不良解消工事の費用相場

勾配修正工事の費用相場

勾配不良を解消するための工事費用は、採用する工法やベランダの広さによって大きく変動します

ここでは、一般的な住宅のベランダ(5㎡~10㎡)の費用相場を紹介します。

補修内容費用相場適したケース
やねまるの勾配補修工事約50,000円~軽度の勾配不良・部分的な水たまりに対応
下地大工工事+
防水層再施工
約250,000円~下地から勾配を作り直す必要がある場合

※上の表の金額はあくまで参考価格です。実際の費用は建物の構造、下地の劣化の状況によって大きく変動します。
※勾配不良は個体差が大きいため、数万円~十数万円程度まで費用が前後することもあります。

よくある質問

よくある質問

ベランダの勾配不良について、よくある質問をまとめました。

勾配不良は自分で直せますか?

塗り厚(塗料で作る厚さ)の調整は専門技術が必要なため、DIYでの施工は困難です
状態を悪化させる可能性もあるため、専門業者に相談をしましょう。

逆勾配でも部分補修で直せますか?

逆勾配は、範囲が広いほど部分補修が難しくなります。
広範囲の場合は、下地からやり直すケースが多いです

勾配不足を確認する一番簡単な方法は?

ビー玉テストがおすすめです
正常であれば排水溝方面へ自然と転がります。

マンションのベランダの勾配を自分で修理できますか?

分譲マンションの場合、ベランダは共有部分扱いのため、勝手に施工すると規約違反になることがあります。
管理組合への確認が必須です。

勾配調整材(セルフレベリング材)はDIYで使えますか?

勾配調整材は、水平にするためのものが多く、むしろ勾配が失われることがあります
そのため、勾配調整材をDIYで使用するのは不向きです。

調査に来てほしいけど、費用はどのくらいかかる?

やねまるは、完全無料で現地調査を行っています。

まとめ

  • ベランダの水たまりは、勾配不良が原因のことが多い
  • 勾配不良を放置すると、防水層の劣化・雨漏り・下地腐食につながる
  • 勾配の目安は1/50~1/100(排水溝に向かうゆるい傾斜)
  • 水流チェック・ビー玉テスト・水平器で自分でも簡易確認が可能
  • 軽度ならウレタン重ね塗りで調整でき、費用を抑えられる
  • 下地に問題がある場合は下地大工工事+防水層の再施工で根本解決!
  • 費用相場は5~25万円以上(症状や広さで大きく変動有り)
  • 迷った場合は専門業者に調査の依頼をしましょう。

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