FRP防水のトップコート塗り替え|工程・費用・メンテナンスのタイミングについて紹介

FRP防水のトップコート塗り替えについて知ろう

FRP防水のトップコートとは何か?

FRPとは、Fiber Reinforced Plastic(繊維強化プラスチック)の略称で、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維をプラスチックに混ぜ合わせて作られた屋外用の建材です。

屋上やベランダ、バルコニーの床面に使用され、耐久性や防水性に優れています。

トップコートとは、FRPの防水層を保護するために塗る塗料のことです。

トップコートを塗ることでFRP防水層を太陽光(紫外線)から守り、劣化を遅らせることができます。

トップコートを塗らなかったら、どうなるのか?

もし、トップコートを塗らずFRPの防水層だけの状態で太陽光(紫外線)を当て続けた場合、すぐに劣化し、防水性がなくなって雨漏りの原因となります。

雨漏りしてしまった場合、FRP防水の再施工をする必要があり、FRP防水の工事費用がかかります。

FRP防水は、ベランダやバルコニーで利用されるウレタン防水より、工事費用が高いため、金銭的な負担となります。

トップコートを塗っていれば、先に劣化するのはトップコートだけなので、防水機能がなくなることがありません。
※トップコート自体には、防水性はありません。

メンテナンスもトップコートの塗り替えのみで十分なため、メンテナンス費用が安くなります。

トップコートの塗り替えをする必要はあるのか?

先ほど、お伝えしたようにFRPのトップコートは、FRP防水層を保護する役割があります。

しかし、トップコートも長期間の太陽光(紫外線)や雨、ベランダやバルコニーを歩くときに発生する摩擦などで劣化し、色あせやひび割れ、表面の汚れなどが発生します。

そのまま放置してしまうと、FRP防水層まで影響が及び、防水機能がなくなってしまいます。

そうならないために、10年毎のトップコートの塗り替えが必要です。

FRPのトップコートの塗り替えの手順と注意点

FRP防水のトップコートの塗り替えは、以下の手順で行います。

  1. 高圧洗浄で全体的に汚れを落とす
  2. 密着を良くするために、表面を削る
  3. アセトンで不要な油分を拭き取る
  4. プライマーを塗る
  5. トップコートを塗る(1回または2回)

注意点としては、アセトンは引火性が高いためDIYでの施工はできません。

匂いもキツいものが多く、雨が少しでも降ると施工不良の原因となってしまうため、周囲の環境や天気にも注意が必要です。

FRP防水のトップコートの種類や劣化症状について知ろう

FRP防水のトップコートの種類

FRP防水のトップコートとして使われる塗料は2種類あります。

主に新築のFRP防水工事で使用されているのが、ポリエステル系のトップコートで、FRPが元々持ってる性能を生かすことが出来ます。

しかし、重ね塗りには適していないため、リフォームでは使用されません。

リフォームで一般的に使用されているトップコートは、アクリルウレタン系で硬さがないため、FRPの一部の性能を生かすことができませんが、塗り直しに向いています。

トップコートの劣化症状

FRP防水 トップコートの劣化症状

FRPのトップコートが劣化したとき、どんな症状が出るのか紹介します。

色あせ

ベランダやバルコニーで太陽が良く当たっているところと太陽が当たっていないところの床面の色を見てください。

太陽が当たっていないところの床面よりも太陽が良く当たっているところの床面の色が薄くなっていると感じたら、トップコートが劣化しているサインです。

小さな剥がれやひび割れ

ベランダやバルコニーの床面を見て、髪の毛くらいの小さなひび割れや1cm以内くらいの剥がれが見られたら、トップコートが劣化しているサインです。

ただ、剥がれやひび割れは小さくてもFRP防水層まで見えるくらい深かったり、大きかったりするとトップコートの塗り替えだけでは直せないため、FRP防水の再施工が必要になる場合もあります。

その見極めは素人では難しいため、プロの目を借りたほうが良いでしょう。

FRP防水のトップコートの塗り替えはDIYでやっても大丈夫?

基本的にDIYでトップコートを塗ることはおすすめできません。

危険な塗料が多いことと、失敗してしまう可能性が高いこと・トップコートが剥がれているだけなのか・防水層まで剥がれてしまっているのかの判断が素人では出来ないからです。

一度、失敗してしまうと元の状態まで戻すのに、余計な費用が発生してしまいます。

簡単そうだからとやってしまいたくなりますが、一旦、手を止めて、業者に依頼しましょう。

トップコート塗り替えをプロに依頼するメリットとデメリット

メリット・デメリット

プロの業者に依頼するメリット

プロの業者に依頼するメリットとしては、専門的な知識や技術を持っているため、ご自宅のベランダやバルコニーの床面の状態に合わせた施工が可能です。

また、綺麗な仕上がりや作業時間の短縮が期待できます。

プロの業者に依頼するデメリット

プロの業者に依頼するデメリットとしては、費用がかかります。

室内を通らないとベランダやバルコニーへ行けない場合、室内を通って塗料を運んだりするので、職人の出入りがあることが挙げられます。

また、他の外装工事であれば、不在でも工事は出来ますが、室内を通らないとベランダやバルコニーへ行けない場合は、在宅でないと工事が出来ないため、業者と日程を合わせる必要があります。

プロの業者に依頼する際の注意点

防水工事を行える業者は意外と少なく、限られた中でしか情報も共有されていません。

業者の中でも知識や経験が浅い人が施工を行い、施工不良を起こしてしまうケースが多いです。

そのため、プロの業者に依頼する際には、作業内容や費用について、事前にしっかりと質問をして、きちんと答えられるかを確認しましょう。

FRP防水のトップコート塗り替え費用

費用

FRP防水のトップコートのみを塗り替える場合の費用は、約10万円〜となります。

ベランダやバルコニーの大きさや人件費などを含めた費用です。

気温や天候にもよりますが、通常は1日で終わる作業になります。

普段のメンテナンス方法やメンテナンスのタイミング

普段からできることとしては、ベランダやバルコニーに汚れが付いた場合は、水洗いや中性洗剤で洗うことで表面の保護効果を維持することができるので、劣化を遅くすることができます。

トップコートは、新築から10年経った頃やトップコートの塗り替えを行ってから10年を過ぎた頃にメンテナンスをすることで、綺麗な状態と防水機能を保つことができます。

まとめ

今回は、FRP防水のトップコート塗り替えについて紹介しました。最後にまとめます。

  • トップコートとは、FRPの防水層を保護するために塗る塗料のこと
  • トップコートを塗ることでFRP防水層の劣化を遅くすることができる
  • 色あせや小さなヒビ割れ、剥がれが見られたら劣化しているサイン
  • トップコートのDIYは、おすすめできない
  • プロの業者に依頼したほうが状態に合わせた施工ができる
  • トップコートは10年毎のメンテナンスをすることで防水性を保てる
  • FRP防水のトップコートのみを塗り替える場合の費用は、約10万円〜
  • 気温にもよるが、作業は1日で終わる