サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングについての様々な疑問に答える!工事費用や工事のタイミングなどサッシ周りのコーキングについて知ることができます。

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングの疑問について解説

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングのゴムみたいなのが古くなっている気がすると感じたことはありませんか?

その他にも外壁塗装をする予定だけど、サッシ周りのコーキングは含まれているのかや打ち替えるタイミングや費用はどのくらいかかるのかなど、サッシ周り(窓枠まわり)に関する疑問があるかと思います。

この記事では、そんな疑問を一つ一つ解説して、みなさんのサッシ周り(窓枠まわり)に関する疑問を解決します。

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングとは?

サッシ周り(窓枠まわり)と壁の間にあるゴム状のものがコーキング

サッシ周りのコーキングとは、窓枠(サッシ)と壁との間にあるゴム状のものです。

すぐ目の前に窓がある方は、窓から外を覗いてみてください。

アルミでできているサッシと、壁の間が少し凹んでいませんか?

その部分を指で押してみると弾力のある、ゴム状のものが確認できると思います。

このゴム状のものがコーキングです。

サッシ周り(窓枠まわり)にコーキングが必要な理由

昔のサッシはスチール製のもの、さらに古いものでは木製のものもありますが、今ではほとんどがアルミ製が主流です。

アルミ製のサッシと壁との間は、素材が異なるため、一体化することはありません。

一体化されない部分には、少しの隙間が生じます。

その隙間を埋めるために、コーキングが使われています。

コーキングには止水効果があるため、水の侵入を防ぐことができます。

また、ゴム状なので伸び縮みし、地震などの揺れにも強い特徴を持っています。

そういった理由からサッシ周りをはじめとする、異なる材質のもの同士が繋がる部分には、コーキングが多く用いられています。

どんな状態がコーキングの劣化?コーキング工事をするタイミングはいつ?

コーキングは、性質上、紫外線に弱く、約10年前後で劣化をします。

特に太陽が多く当たる日当たりがいい壁側のサッシ周りは、劣化のスピードが早いため、10年経たずに劣化してまうケースもあります。

逆に日があまり当たらない壁側は、劣化が通常通りの10年または10年以上保つ可能性もあります。

どちらにしても新築の場合は建ててから10年、中古の場合は前回コーキング工事をしてから10年くらいを目処にコーキング工事の打ち替えを考えましょう。

さらに日当たりによって、劣化度合いが違うことも理解して、日がよく当たる壁側を特に気にしてみるようにすると劣化の早期発見に繋がります。

では、具体的にコーキングが劣化している状態とは、どんな状態をなのか、紹介します。

ひび割れ

コーキングがひび割れている様子

写真のようにコーキング表面に小さなひび割れが見られたら、弾力性を失い、劣化が始まっています。

ひび割れる原因は、寒暖差による収縮によるものや車・地震などの建物の揺れで発生します。

コーキングの正常な状態は、弾力のあるゴムのような状態です。

この状態であれば、寒暖差による収縮や車・地震などの建物の揺れにも追従してひび割れることはありません。

しかし、紫外線に当たることで徐々にコーキングの特徴であるゴムのような弾力性がなくなり、寒暖差による収縮によるものや車・地震などの建物の揺れに追従することができなくなり、ひび割れが発生してしまいます。

この表面のひび割れはやがて内部まで進行し、最終的にコーキングは破断してしまいます。

肉やせ・剥離

コーキングが肉やせしている様子

写真のようにコーキングが溝の幅より細くなってきている状態が見られたら、肉やせが起こっています。

肉やせの原因は、紫外線による劣化もありますが、コーキング工事のときに注入するコーキング材の量が少なかった可能性もあります。

工事をしてから2年~3年で写真のような肉やせの状態になってしまった場合は、施工不良の可能性も考えて、施工業者に連絡しましょう。

また、肉やせした状態のコーキングを放置すると、どんどんサッシ(窓枠)や壁から剥離し、外壁の中の防水シートなどが見えるようになってしまいます。

ここまで進行してしまうと、水が壁の中に入り放題になってしまうので、肉やせの状態を見つけた時点で業者へ相談しましょう。

軟化

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、特定の材料に起こる、練りたてのように柔らかくなる現象を軟化と呼びます。

通常コーキングは、一度乾燥して固まるとゴム状になり、その状態を保ちます。

しかし、一部の特定の材料(2成分形ポリサルファイド系シーリング材)で、一度ゴム状まで固ったのに、練りたてのように柔らかく変わってしまう現象が起きます。

実際に触ってみるとネトネトしていて、手にコーキング材がつくので、その状態になっていたら、軟化している判断して、業者に連絡しましょう。

このように軟化したコーキングは、コーキングに求められている防水効果や弾力性を発揮しないので、新しくコーキングを打ち替える工事が必要です。

コーキングの劣化が原因で発生する問題

窓周りの雨漏り

コーキングが古くなっていると感じたとき「まぁ、あとでも良いか〜」と放置していませんか?

もし、コーキングが傷んだまま放置した場合、どのようなことが起こる可能性があるのか見ていきましょう。

窓周り(部屋の中の窓枠)への雨漏り

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングが傷んでくると、隙間が生れてきます。

その隙間から水が侵入すると、部屋の中の窓枠に雨漏りが起こります。

部屋の中の窓枠は、木材で作られているところが多いので、雨漏りしていたら、雨染みがあったり、雨漏りが進行しているとカーテンにカビが付いていたり・・ということもあります。

カビの増殖は、身体にも良くありません。

雨漏りが起こるまでに修繕することをおすすめします。

下の部屋への雨漏り

窓周り(部屋の中の窓枠)の雨漏り以上に、多額の費用負担に繋がるのが下の部屋への雨漏りです。

サッシ周りのコーキングが痛んで雨漏りすると、直結する部屋の中の窓枠だけを気にしてしまいますが、水は通れる道があればどこでも流れてしまいます。

そのため、サッシ周りから入った水が下の部屋に流れて、部屋の天井に雨漏りが・・ということも少なくありません。

ひとたび下の部屋に雨漏りが起こると、どこから雨漏りしているのか調査するための費用や原因箇所の修繕費用、雨漏りした部屋の内装修繕費用など多額の出費に繋がる可能性があります。

外壁下地材が劣化する

サッシ周りのコーキングが傷んでしまうと、防水性がなくなりますので水が建物の壁に浸入していきます。

浸入した水は雨漏りするだけでなく壁の内部に湿気として留まり、柱や壁を腐らせます。

柱や壁など建物の骨組み部分が傷んでくると、建物の倒壊につながる非常に危険な状況に陥る可能性があります。

もちろん、水が入ったからといってすぐに建物破損に繋がることはありませんが、水が入り続けている状態が何年・年十年と放置されると、最悪な結果になってしまいます。

そうなる前に対策をしましょう。

サッシ周りのコーキングする場合の工事工程

サッシ周りの溝にコーキングを流し込む作業をしている様子

コーキングの工事は、どろっとした粘度のあるコーキング材を専用の道具(コーキングガン)に流し込み、サッシ(窓枠)と壁との溝に沿って注入します。

上の写真が、溝にコーキングを流し込む作業をしている様子です。

一般的な外壁の目地のコーキング工事もサッシ周りのコーキング工事も工程は同じで以下のようになります。

工程①|既存のコーキングを取り外す

工事工程①既存のコーキングを取り外す

今ある既存のコーキングをカッターで切れ込みを入れて取り外します。

ここで気をつけなければいけないことが、中に入っている防水シートを切ってしまわないようにすることです。

誤って切ってしまうと、そこから水が入って雨漏りの原因となってしまいます。

工程②|接着剤を塗る

工事工程②汚れを取り除き、接着剤を塗る

溝の周りが汚れている場合があるため、汚れを取り除きます。

コーキングの密着が良くなるように接着剤(下塗りプライマー)を塗ります。

工程③|養生テープを貼り、コーキングを流し込み、ヘラなどで平にする

工事工程③養生テープを貼り、コーキングを流し入れて、ヘラで平にする

他の箇所に余計なコーキングが付いてしまわないように養生テープを貼り、適切な量のコーキング材を流し込みます。

その後、溝にコーキングが均一に埋まるようにヘラなどを使って、平にします。

工程④|周りに貼ったテープを外す

工事工程④養生テープを剥がして、作業完了

最後にサッシ(窓枠)と壁に貼っていた養生テープを剥がして、作業終了です。

あとは、コーキングが自然に乾くのを待ち、ゴムのような弾力のある硬さまで固ったら工事完了です。

サッシ周りのコーキングする場合の工事費用

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキング費用

サッシ周りのコーキングする場合の工事費用は、コーキングをするメーター数、どの種類のコーキングを使うか、どの工法で工事をするかなどによって変わります。

コーキングの工法ごとの工事費用とコーキング材ごとの工事費用を紹介します。

コーキングの工法ごとの工事費用

コーキングの工法には、打ち替えと増し打ちの2つがあります。

打ち替えは、古いコーキングを外して、新しいコーキングを注入する工事です。

増し打ちは、古いコーキングはそのままで、新しいコーキングを注入する工事です。

この2つの違いは、古いコーキングを残すか・外すかの違いで、工事費用にも影響します。

打ち替えの場合は、古いコーキングを外すので、その分、撤去費用がかかり、工事日数も増えます。

そのため、増し打ちよりも打ち替えのほうが少し工事費用が高くなります。

相場感としては、以下のようになります。

  • コーキングの打ち替え¥750~¥1,000/m
  • コーキングの増し打ち¥450~¥800/m

どちらの工法を選ぶかは、コーキングの劣化の状態や希望している予算感などがあるので、お客様と相談しながら、決めていくことになります。

コーキング材ごとの工事費用

様々なコーキング材がありますが、ここでは主にサッシ周りに使われることの多い種類を使用した場合の工事費用を紹介します。

ポリウレタンコーキング

商品名:サンスター技研株式会社 ペンギンシール PU9000typeNB

サンスター技研株式会社 ペンギンシール PU9000typeNB

ポリウレタンコーキングは、非常に塗料と相性の良いコーキングです。

価格面でも優れており、集合住宅、戸建てに限らず多く使用されています。

ただし、耐候性が悪いので、必ず上から塗装する必要があります。

そのため、外壁塗装とサッシ周りや壁の目地のコーキング工事をするときにポリウレタンコーキングを選ぶことがあります。

以下は、コーキングの打ち替え工事でポリウレタンコーキングを使用した場合の費用相場になります。

  • 既存のコーキング取り外し¥400/m
  • 新しいコーキング¥500〜¥1,000/m

※費用に幅があるのは、コーキングする溝の大きさによって使われる材料の量が変わってくるからです。

変成シリコンコーキング

商品名:サンスター技研株式会社 ペンギンシール MS2500typeNB

サンスター技研株式会社 ペンギンシール MS2500typeNB

変成シリコンコーキングは耐候性が高く、塗料との密着性も高いコーキングで、屋根や外壁の目地など多くの外装工事で幅広く使われているコーキング材です。

ポリウレタンコーキングと比べると、少し高いですが、塗装をする必要がないので、コーキング工事のみを行う場合は、変性シリコンコーキングを使用することが多いです。

以下は、コーキングの打ち替え工事で変成シリコンコーキングを使用した場合の費用相場になります。

  • 既存のコーキング取り外し¥400/m
  • 新しいコーキング¥700〜¥1,400/m

※費用に幅があるのは、コーキングする溝の大きさによって使われる材料の量が変わってくるからです。

外壁塗装のときにサッシ周り(窓枠まわり)のコーキングは含まれているのか?

外壁塗装のときにサッシ周り(窓枠まわり)のコーキングは含まれているのか?

外壁塗装をする人の中で「外壁塗装のときにサッシ周り(窓枠まわり)のコーキングは含まれているのか」と疑問に思われている人もいると思います。

この疑問に関しては、業者にもよりますが、別途費用がかかります。

同じ外壁を工事するから一緒でしょ?と思う人もいるかもしれませんが、外壁塗装とコーキング工事は全く違う種類の工事になります。

外壁塗装をやるために足場を建てるなら、サッシ周り(窓枠まわり)だけでなく、壁の目地のコーキング工事も一緒にやってほしいというお客様は多いです。

もし、コーキング工事も一緒にやりたい!という人は、施工業者に相談しましょう。

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングをDIYでできるのか?

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングをDIYでできるのか?

最近は、趣味でDIYをされる人も増えてきていますが、サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングを自分でやりたい!人もいると思います。

コーキングは、ホームセンターで気軽に買えるものなので、やろうと思えば、Youtubeやネット検索でやり方を調べてやることはできるでしょう。

しかし、業者目線からいうと、あまりお勧めできません。

様々な理由はありますが、一番お勧めできない理由は、危険だからです。

1階にあるサッシ周り(窓枠まわり)やベランダやバルコニーのサッシ周り(窓枠まわり)などの足場がしっかりとした場所なら、しっかりとした知識を持って、作業を行えば施工不良になることはないでしょう。

ただ、作業場所が2階などの高所や足場が安定しない場所にハシゴを掛けて、DIYをするのは、非常に危険なので、やめてください。

もし、雨漏りしている状況でDIYでコーキング工事をしたら?

例えば、部屋の中の窓枠から雨漏りをしているから、DIYで直結している外のサッシ(窓枠)のまわり自分でコーキングをしよう!としたとしましょう。

ここで考えられることがコーキングしたけれど、雨漏りが止まらない・・ということです。

この場合、雨漏りの原因箇所が違うかどこかの作業に不備があり、施工不良になってしまったことの2つが原因として挙げられます。

結局、業者に見てもらうことになり、せっかく頑張ってやったコーキングがやり直し・・になる可能性もあります。

このようなケースを防ぐには、業者に現状を見てもらい話を聞いた後で、業者に任せたほうが得なのか・DIYでやったほうが得なのかを決めるという方法を取ってもいいかもしれません。

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングは必要不可欠!【まとめ】

今回は、サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングについて、みなさんが疑問に思っていることを含めて解説しました。

サッシ周り(窓枠まわり)のコーキングの劣化は、気づきにくく、あまり重要だと思われない傾向にあります。

ところがサッシ周りは、雨がよく当たり水が溜まりやすい場所なので、コーキングの劣化を放置すると雨漏りになる可能性は高いです。

そのため、日当たりの良い壁側だけ、手の届く範囲だけでも構いませんので、確認してみてはいかがでしょうか。

「確認してみたけど分からない・・」「ちょっと気になるところがあった」などありましたら、無料で現地調査や相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

少しでもみなさんの疑問が解決していたら幸いです。

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2023年4月5日住宅知識,外壁