コロニアルとは|特徴や寿命は?アスベストいつまで?別名・正式名称についても紹介

コロニアルとはケイミュー(株)が販売する屋根材の名称で、正確には「コロニアルグラッサ」などというように屋根材の名称の一部です。

同名称を付した製品の歴史は長く、「カラーベストコロニアル」などが昭和30年代(1960年代)から製造されています。

この記事ではコロニアルについて解説します。

特徴は?寿命は?アスベストを含むのはいつまで?スレートやカラーベストなど別名では?正式名称は?といった疑問も解説しています。

コロニアルとは?

コロニアル屋根の写真

コロニアルとは、ケイミュー(株)が販売する屋根材「カラーベスト」シリーズの名称の一部です。

カラーベストシリーズは以下のように4つのシリーズを含んでおり、遮熱性能や豊富な色の選択肢がある魅力あるシリーズです。

名称の多くに「コロニアル」が付いています。

カラーベストシリーズのラインナップ
  • プレミアムグラッサシリーズ
    • レイシャスグラッサ(全4色)
    • グラッサ600(全4色)
    • グラッサ600・シャッフル(全3パターン)
  • グラッサシリーズ
    • コロニアルグラッサ(全23色)
    • コロニアルグラッサ・シャッフル(全4パターン)
  • 遮熱グラッサシリーズ
    • コロニアル遮熱グラッサ(全9色)
  • クァッドシリーズ
    • コロニアルクァッド(全10色)

※カタログによる

カラーベストについての詳しい記事もありますのでぜひご覧ください。

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コロニアルの特徴は?

コロニアルの形状の図

「コロニアル」の特徴としては形状があります。

前述のカラーベストシリーズのラインナップで名称に「コロニアル」が付く製品はすべて形状が同じです。

「コロニアル」が付く名称のもの
  • グラッサシリーズ
    • コロニアルグラッサ(全23色)
    • コロニアルグラッサ・シャッフル(全4パターン)
  • 遮熱グラッサシリーズ
    • コロニアル遮熱グラッサ(全9色)
  • クァッドシリーズ
    • コロニアルクァッド(全10色)

    屋根材1枚の形状は以下の図のようになっており、特有の凹凸があるので損傷し欠損などしていなければ見分けるのは比較的簡単なのではないかと思います。

    コロニアルの形状の特徴を説明する図

    この図をたくさん並べて実際に屋根になったところのイメージは以下のようになります。

    コロニアル屋根材を多数ならべて図にしたもの

    実際の屋根の写真では以下のように見えます。

    並んでしまうと見分けるのがちょっと大変でしょうか?

    コロニアル屋根の写真

    屋根工事の業者にはすぐに分かると思いますので、信頼できる屋根工事業者にご自宅の屋根の調査やメンテナンスをしてもらうときなど、話題にされてみてはいかがでしょうか。

    なお、名称に「コロニアル」が付く製品を含む「カラーベスト」シリーズは全て「化粧スレート」に分類される製品です。

    コロニアルのその他の特徴については化粧スレートについての以下の記事が参考になりますので、こちらもぜひお読みください。

    コロニアル屋根の寿命は?

    コロニアル屋根に苔などが付着している写真

    コロニアル屋根の寿命について、コロニアルが含まれるシリーズである「カラーベスト」シリーズのカタログを見ると、環境にもよりますが、必要なメンテナンスを行っているうえで30年ほどが寿命ということになりそうです。

    なお、カラーベストは「化粧スレート」に分類される屋根材で、一般的に化粧スレートの寿命は25年とも30年ともいわれます。

    屋根を最大限長く使うために大事なのは塗装塗り替えのメンテナンスで、およそ10年前後に1度は屋根の状態を信用できる屋根工事業者に点検してもらい、必要に応じて塗り替えをしてもらうのがいいでしょう。

    コロニアル屋根の塗装をしている写真

    化粧スレートは本体に防水性能が無く、防水性能は表面に施す塗装に依存しています。

    塗装は10年前後経つとはがれてくることが多く、塗装がはがれた状態のまま放置すると屋根材本体に剥離が生じたりぼろぼろに崩れるようになってしまいます。

    こうなってしまうと雨漏りが発生するようにもなり、想定している寿命の前に屋根の葺き替えが必要になってしまいます。

    コロニアルは定期的な点検と塗り替えがとても大切です。

    コロニアル屋根の塗装直後の写真

    ※塗装直後の写真|屋根がきれいになっただけで思った以上に気持ちがいいものです

    コロニアルのアスベストはいつまで?

    アスベストの写真

    ※アスベスト

    国土交通省の資料によると「カラーベストコロニアル」という製品が1961年に販売になっており、白石綿という種類のアスベストを10~25%含んでいるものでした。

    その後、同資料によると2001年を最後に製造を終了しています。

    アスベストは昭和30年代(1960年代)ごろから化粧スレートの屋根材などの材料として使用されてきました。

    しかし発がん性があることが分かり、平成16年(2004年)10月に法律により販売が全面的に禁止となっています。

    もしアスベストを使用した屋根であってもすぐに撤去しなければならないという義務などはなく使用を続けられますが、穴をあけたり切断したりするとアスベストが周囲に浮遊する可能性がありますのでしないようにしてください。

    なお、屋根材が劣化してきている場合には屋根の葺き替え工事をご検討されることをおすすめします。

    アスベスト使用の化粧スレート屋根について、こちらの記事に詳しく書きましたので、ぜひお読みください。

    コロニアルの別名は?正式名称は?

    クエスチョンと英語で書かれデザインされた写真

    コロニアルのことを「スレート」「平板スレート」「薄型スレート」「カラーベスト」「石綿スレート」などという様々な呼び方で呼んでいるのを見かけます。

    コロニアルの別名?

    「スレート」

    フランスの世界遺産モン・サン=ミシェルの天然スレートを使った屋根のある建物の写真

    ※天然スレートの屋根(フランスの世界遺産モン・サン=ミシェルの建物)

    厳密には「スレート」というと、「天然スレート」と「化粧スレート」の2つがあります。

    • 天然スレート:天然の岩石を薄く加工するヨーロッパで使われてきた伝統的な屋根材
    • 化粧スレート:セメントで人工的に製造する一般的に使われている屋根材

    天然スレートは職人の手作業で作られるもので、供給量が少なく高価な屋根材です。

    これに対して化粧スレートは、入手しやすく、カラーバリエーションが豊富、軽量で耐震性能に貢献すること、比較的安価といったことから、現代の日本で一般的に使われている屋根材です。(より正式には「住宅屋根用化粧スレート」といいます)

    こういったことから現代日本の私たちにとって身近な「化粧スレート」のほうを単に「スレート」と呼ぶ習慣のようなものができてきたのだと思われます。

    「平板スレート」「薄型スレート」

    モニエル瓦の写真

    ※セメント瓦の一種の「モニエル瓦」

    「化粧スレート」はセメントと繊維質の素材を混ぜて作られる厚さ5mmほどの板状や波状の屋根材などをいいます。

    これとは別に、瓦(粘土瓦)のような15mmほどの厚さのある形状の「厚型スレート」と呼ばれるものや「セメント瓦」と呼ばれる屋根材もあります。

    セメントを材料に瓦の形状に製造するもので、セメントと骨材(川砂)と水を型枠で高圧プレス成型して作られます。

    「化粧スレート」をこれらの屋根材と区別した言い方で表現するときに、「厚型」に対して反対の意味の「薄型スレート」と言ったり「平板スレート」という言い方をしている、という認識でよいと思われます。

    そういったことから、「薄型スレート」も「平板スレート」も、結局は「化粧スレート」のことを指しています。

    「カラーベスト」

    カラーベスト」はこの記事の前半でご紹介した、ケイミュー(株)が販売する化粧スレートの屋根材のシリーズ名です。

    ケイミュー(株)の屋根材シリーズ「カラーベスト」のラインナップの中に以下の名称の屋根材もある、という関係になっています。

    • コロニアルグラッサ
    • コロニアルグラッサ・シャッフル
    • コロニアル遮熱グラッサ
    • コロニアルクァッド

    「カラーベスト」と「コロニアル」が全く同じ意味ということではありません。

    「石綿スレート」

    「石綿スレート」については、かつて使用されていたアスベスト(石綿)を含む化粧スレートを指しているような言葉であり、現在のアスベストを含まないコロニアルに対して正確な表現ではありません。

    コロニアルの正式名称は?

    コロニアルの正式名称について、「コロニアル」という名称の製品はありませんが、この記事の前半でご紹介したように「コロニアルグラッサ」「コロニアルグラッサ・シャッフル」「コロニアル遮熱グラッサ」「コロニアルクァッド」という名称の製品はあります。

    正式名称は何?と聞かれて強いて答えるとすればこれらが正式名称ということになるでしょう。

    最後に、この記事で解説した様々な呼び方について以下に簡単にまとめておきます。

    「コロニアル」関連の呼称まとめ
    • 「スレート」「平板スレート」「薄型スレート」の正式名称は「化粧スレート」(「住宅屋根用化粧スレート」)
    • 「カラーベスト」は「コロニアル」を含む屋根材のシリーズ名
    • 「石綿スレート」はアスベスト(石綿)を含む化粧スレート(×現在販売されている「コロニアル」はアスベストを含まない)
    • 「コロニアル」という名称の屋根材は無く、「コロニアル〇〇〇」のような名称の屋根材があり、これらが正式名称。