ガルバリウム鋼板屋根の特徴は?メリットとデメリットをわかりやすく紹介します。

ガルバリウム鋼板屋根の特徴とは?

「ガルバリウム鋼板はどんな屋根材?」

「ガルバリウム鋼板屋根のメリットやデメリットが知りたい」

このような疑問をお持ちではありませんか?

今回の記事では、ガルバリウム鋼板屋根の特徴やメリット・デメリット、また人気のガルバリウム鋼板の製品も解説します。

この記事を最後まで読むと、ガルバリウム鋼板屋根の特徴が分かりますよ。

安心して長く住めるお家にするために、屋根材はとても重要です。

ぜひ、最適な屋根材選びの参考にしてください。

屋根のカバー工法で使われることが多い、ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは、表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンの膜を施した薄い鉄板のことです。

約40年前までは、金属屋根といえばトタン板が主流でしたが、現在では、より性能の高いガルバリウム鋼板が広く使われています。

その理由は、ガルバリウム鋼板がトタン板よりも錆びにくく、耐久性に優れているからです。

耐用年数がおよそ30~40年とされており、高い耐水性と防火性を兼ね備えた金属屋根材として注目されています。

さらに軽量で建物への負担が少なく、既存の屋根の上に新しい屋根を重ねる「カバー工法」にも適しています

ガルバリウム鋼板の屋根を選ぶ4つのメリット

ガルバリウム鋼板を選ぶ4つのメリット

ガルバリウム鋼板の屋根を選ぶメリットは4つあります。

耐久性が高い

金属製の屋根材の中でも、特に優れた耐久性を誇るのがガルバリウム鋼板です。

一般的に、鉄などの金属は錆びやすいものと認知されていますが、ガルバリウム鋼板は、アルミや亜鉛で表面が保護されているため、酸化しにくく、錆びにくい素材になっています。

耐用年数は30~40年ほどで、屋根塗装は20年に1度程度で済むため、メンテナンスの回数が少なく済みます。

一般的な屋根材は10年~15年ごとの塗装が必要とされるため、ガルバリウム鋼板手間を抑えたい方にもおすすめです。

耐震性が高い

ガルバリウム鋼板は、厚さ1~3mmほどの非常に薄くて軽い素材のため、耐震性に優れています

屋根の重さは、建物全体の耐震性に大きな影響を与えます

屋根が重いほど建物への負荷が大きくなるため、地震の揺れによる被害も大きくなる傾向にあります。

以下は、ガルバリウム鋼板とその他の屋根材の重さの比較です。

屋根材 1m²あたりの重さ
ガルバリウム鋼板 約5kg
スレート 約20kg
約60kg

このようにガルバリウム鋼板は、ほかの屋根材と比べても、とても軽い屋根材だと分かります。

そのため、耐震性が高いとされており、葺き替えやカバー工事の際にガルバリウム鋼板の屋根を選ばれるお客様が非常に多いです。

防水性が高い

ガルバリウム鋼板は、金属でできており、水を吸わないため防水性が非常に高いです。

一方で、瓦やスレートの屋根は吸水性があるため、雨水などの影響を受けて経年劣化が進みやすくなります。

しかし、ガルバリウム鋼板は吸水性がないため、劣化リスクを抑えられ、雨漏りにも強いのが魅力的なポイントです。

加工しやすい

ガルバリウム鋼板は、薄く柔軟性のある金属板なので、加工がしやすい屋根材です。

そのため、複雑な形状の屋根にも対応しやすく、屋根の形状を選ばずに施工できるという大きなメリットがあります。

ガルバリウム鋼板の屋根を選ぶ4つのデメリット

ガルバリウム鋼板の屋根を選ぶ4つのデメリット

ガルバリウム鋼板には多くのメリットがありますが、選ぶ前に知っておきたい注意点も存在します。

断熱性が低い

金属は熱を通しやすい性質があるため、ガルバリウム鋼板は断熱性がやや劣る、というデメリットがあります。

断熱性とは、外の暑さや寒さを室内に伝えにくくする性質のことで、断熱性が低いと、室内に冷気や熱気が入りやすくなります。

しかし、断熱性が低いガルバリウム鋼板にも、断熱性能を高める方法がいくつかあります

  • 断熱材がセットなった商品を選ぶ
  • 屋根の下地(屋裏)に断熱材を施工する
  • カバー工法の屋根材として活用する

しかし、工事費用や材料費が増えるので、予算と相談して決めるようにしましょう

防音性が低い

ガルバリウム鋼板は、素材が薄く硬いため雨音などの外部の音が室内に響きやすいというデメリットがあります。

対策として、振動を抑える素材(制振材)が貼られている商品を選んだり、既存の屋根に新しい屋根をかぶせるカバー工法を採用する方法もあります。

ガルバリウム鋼板の屋根材には、こうした防音対策が施されている製品もあるため、気になる方はこのような商品を選ぶのがおすすめです。

傷がつきやすい

衝撃に弱い素材でもあるため、物が当たるとへこみや傷がつきやすい点注意が必要です。

強風で飛ばされた物が屋根にぶつかったり、雹が降って多くのへこみができるといった被害は、今後考えられます。

このデメリットは、どれだけ注意していても、完全に排除することはできません

もし、強風や雹など自然災害によって屋根がへこんだり破損した場合は、火災保険を利用して修理できる可能性があります

火災保険について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。

勾配がないと施工できない場合がある

ガルバリウム鋼板は、屋根の勾配によって施工できない場合があります。

特に「横葺き」という施工方法の場合は、屋根の勾配(傾き)が必要です

横葺き」は、横長の屋根材を上下で重ねて施工する方法で、水がスムーズ流れにくく、蛇行しやすいため、流れるスピードが遅くなります。

そのため、最低でも2.5寸以上の屋根勾配が必要で、2.5寸未満だと雨漏りのリスクが上がります

しかし、「縦葺き」という施工方法であれば、この問題は解消されますので、勾配が2.5寸未満の屋根にガルバリウム鋼板を使いたい場合は縦葺きができる屋根材を選ぶのがおすすめです

人気のガルバリウム鋼板屋根材3選

ここでは、人気のガルバリウム鋼板屋根材を3選ご紹介します。

スーパーガルテクト

スーパーガルテクト

スーパーガルテクトは、金属外装材でトップシェアを誇るアイジー工業が販売している商品です。

従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加え、耐久性3倍に引き上げています。

また、断熱性がないというデメリットを解消した屋根材で、断熱材を内蔵しているのが大きな特徴です。

カラーバリエーション

スーパーガルテクトのカラーバリエーション

※画像はアイジー工業公式サイトから

スーパーガルテクトの、カラーバリエーションは全6色で、どれも落ち着いた色合いのため、スタイリッシュな屋根に仕上がります。

断熱材がセットになっていて、豊富な色から選びたい方に、ぜひチェックしてほしい屋根材です。

横暖ルーフ

横暖ルーフ

※画像はニチハ株式会社公式サイトから

次に紹介する横暖ルーフは、住宅建材の大手メーカー、ニチハ株式会社が販売している屋根材です。

断熱材一体型の屋根材として人気が高く、20年以上の実績があり、信頼性も高いです。

また、以下の保証もついています。

  • 塗膜15年
  • 赤錆20年
  • 穴あき25年

大手メーカーならではの安心感と手厚い保証があり、信頼度の高い屋根材を探している人におすすめです。

カラーバリエーション

横暖ルーフのカラーバリエーション

横暖ルーフのカラーバリエーションは全3色展開です。

横暖ルーフシリーズの「横暖ルーフαS」のみ4色展開になっていて、「ギングロ」が追加されています。

スーパーヒランビー

スーパーヒランビー

※画像は稲垣商事公式サイトから

3つめに紹介するのは、金属屋根や金属外壁材を取り扱う稲垣商事が販売している屋根材「スーパーヒランビー」です。

主に、スレート屋根のカバー工法に選ばれており、リフォームにも適しています

断熱性と遮音性に優れた「カルフォミクス」というガラス系断熱材が含まれており、外気の熱が入りにくく、雨音などの軽減もできます。

カラーバリエーション

スーパーヒランビーのカラーバリエーション

カラーは艶消しの3色展開で、落ち着いたシックな印象に仕上がります

また、塗膜には15年保証がついているため、安心して選べる屋根材です。

※なお、一般タイプの「ヒランビー」は2023年3月末で販売終了しており、現在は「スーパーヒランビー」のみ販売されています。

ガルバリウム鋼板を長持ちさせるコツ

耐久性が高いことが魅力的なガルバリウム鋼板ですが、メンテナンス次第でさらに寿命を延ばすことができます

屋根を長くきれいに保つための3つのポイントを紹介します。

定期的に洗浄する

屋根を高圧洗浄する

屋根に付着したホコリやコケ、排気ガスなどの汚れは、放置すると劣化の原因になります。

1~2年に1回を目安に、業者に屋根の高圧洗浄を依頼しましょう!

特に、日当たりの悪く湿気の多い場所は、コケが生えやすいので注意が必要です。

屋根の上は高所で非常に危険です!無理に自分で登らず、専門業者に依頼するようにしましょう。

定期的に塗装メンテナンスを行う

定期的な屋根塗装のメンテナンス

ガルバリウム鋼板は、塗装なしで使用可能ですが、10~15年ほどで光沢や防水性が低下する場合があります。

状態を見ながら、遮熱塗料防汚性のある塗料で再塗装を行うと、耐久性も美観を維持することが可能です。

傷や劣化を補修する

屋根の傷や劣化を補修する

小さなキズやサビをそのままにしておくと、そこから劣化が進行してしまいます。

気づいたタイミングで早めに補修をすることで、大きなトラブルを防ぐことができます。

劣化がひどい場合は葺き替えの検討を

劣化がひどい場合は葺き替えの検討をしましょう

長年使っていると、屋根材だけではなく下地まで傷んでしまうケースもあります。

そうすると、カバー工法では対応できず、屋根全体の葺き替えが必要になる場合もあります。

「劣化が進んでいる」と判断されたときは、専門業者に相談して葺き替えの検討をしましょう!

葺き替え工事について、以下の記事で紹介しています。

まとめ

今回は、ガルバリウム鋼板の屋根について知りたい人向けに、ガルバリウムの特徴やメリット・デメリット、人気の商品を紹介しました。

ガルバリウム鋼板屋根は耐久性が高く、軽量であるために耐震性にも優れています。

金属屋根で非常に人気がある屋根材です。

デメリットもありますが、施工方法や断熱材を併用するなどの工夫によって、十分に欠点を補えます。

ぜひ、耐久性が高く、長く安心して住める住宅にするために検討してはいかがでしょうか。

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2023年5月28日住宅知識,屋根