カバー工法とは?構造・相場〜作業工程まで簡単に解説します!

今回は、『 カバー工法(重ね葺き) 』 について簡単に解説していきます!!

カバー工法(重ね葺き)とは

重ね葺き
カバー工法(重ね葺き)とは、今ある既存の屋根に新しい屋根材を重ねる方法です。
元々の屋根を撤去するという工程がないため、廃材が出ず、コストが抑えられることに加え、他の屋根工事より短期間で工事が完了するため、人気の高い屋根工事となっています。
今と違う屋根材に変更したいという理由でカバー工法を選ばれる方もいらっしゃいます。

葺き替えとカバー工法の違い

よくお客様から「葺き替えとカバー工法は、どう違うの?」と聞かれることが多いので、簡単に説明します。

葺き替えとは

  • 屋根の劣化が激しい場合やなんらかの理由で屋根が破損した場合などに行う
  • 今ある屋根材をすべて撤去して、下地からすべて新しいものに取り替える

カバー工法とは

  • 屋根が比較的きれいでコストを抑えたい場合などに行う
  • 今ある屋根はそのままで新たに屋根材を重ねる

上記のような違いがあるため、屋根の激しい劣化や破損が気になる場合葺き替え
今の屋根を取り替えるほどではないけれど、屋根の劣化や細かいキズなどが気になる場合カバー工法といったように考えると良いと思います。

カバー工法の構造

重ね葺き 構造

防水シート(ルーフィング)

元々に屋根材の上に防水シート(ルーフィングともいいます)を屋根全体に敷きます。
防水シートを敷くことによって雨水が侵入することを防ぐことができます。

新しい屋根材

防水シートの上に新しい屋根材を敷いていきます。
カバー工法では、軽量でサビにくく、劣化しにくいという理由から非常に優秀な屋根材としてガルバリウム鋼板という屋根材が主流とされています。
敢えて弱点を上げるとすると、雨音が少し大きくなるというデメリットも多少ありますが、逆に言うとそれくらしか弱点らしい弱点がありません。
その辺は気にならないお客様であればおススメの屋根材です。

カバー工法のメリット

① 既存の屋根に新しい屋根材を重ねる工事のため、廃材が出ず、全て張替えるよりも費用が安い。
② 既存の屋根を取り外す工程がないため、工期が短い。
③ 屋根が2層構造になるため、断熱性・遮音性・防水性が上がる。

カバー工法のデメリット

① 瓦屋根には施工できない。
② 屋根が2層構造になるため、重くなり、耐震性が低下する可能性がある。
③ 屋根の劣化状態により、施工できない場合がある。
④ カバー工法している屋根にさらにカバー工法の工事をすることはできないため、最終的に葺き替えが必要になる。

カバー工法の相場とメンテナンス時期

重ね葺き 相場 メンテナンス
カバー工法の費用は、屋根の大きさや形状・状態によって変わりますが、足場込みで80〜250万円くらいが相場と考えて良いでしょう。
また、カバー工法をした後のメンテナンスについては、10年に1度くらいで問題ありません。
デメリットで記載した通り、カバー工法している屋根にさらにカバー工法の工事をすることはできないため、20年後くらいには、葺き替えが必要となると考えておくと良いでしょう。

カバー工法の作業工程

棟板金の撤去

重ね葺き 棟板金の撤去
まず、はじめに既存の棟板金と貫板を撤去します。
カバー工法ではこの部分の廃材しか出ませんので、コストが抑えられます。

貫板 板金
スレートやガルバリウムの屋根には、棟の部分を貫板(ぬきいた)という板でおさえ、上から棟板金をかぶせています。この貫板と棟板金で雨水の侵入を防いでいます。

防水シート張り

重ね葺き 防水シート張り
元々の屋根の上に防水シートを上下の防水紙を10cmほど重ねながら設置します。
そうすることで、もし、屋根材から雨水が侵入しても防水シートより下へ入り込むことを防いでくれます。

新規の屋根材取り付け

重ね葺き 屋根材設置
続いて、新しい屋根材を取り付けます。
屋根材のズレがないように丁寧に設置していきます。

カバー工法でオススメしたい屋根材は、重量が軽いリッジウェイや軽くて強いガルバリウム鋼板、カラーベストのカバー工法用に開発されたスマートメタル、高い遮熱性・耐久性を持っている横暖ルーフSが良いと思います。ぜひ、参考にしてみてください!

貫板の取り付け


重ね葺き 貫板設置
木製の貫板をビスで取り付けます。
貫板を取り付けることで屋根材を抑える役割があります。
木製以外にもプラスチック樹脂製の貫板もあります。

棟板金の取り付け

重ね葺き 棟板金設置
貫板の上に棟板金を被せ、ビスを使って固定してながら棟板金を取り付けます。棟の形状に合わせて、調整しながら、工具を使って加工することもあります。
また、棟板金は風の影響を受け、剥がれやすいので、飛散しないようにしっかりと固定します。

最後に

カバー工法はコスト・工期的にもメリットがある工事ですが、お家の状況によって最適な工事を選んでほしいと思います。
しかし、お家の状況や何が最適な工事かということはお客様ご自身ではなかなか判断がつかないかと思われます。
当社ではご相談や調査を無料でさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。

2020年4月17日住宅知識,屋根カバー工法,屋根,簡単解説