樋の破損はなぜ起きる?今後、破損させないためにできることや応急処置の方法を紹介
「上から水がポタポタ垂れてくる…」と見上げたら、雨樋が破損していた!という経験がある人いませんか?
他にも「車でぶつけて壊してしまった!」「金具ごと外れて今にも落ちそう・・・」など、雨樋のトラブルは意外と身近に起こります。
今回は、そんな雨樋の破損について、破損する原因や修理方法、今後壊さないためのポイントを分かりやすく解説します。
樋の役割とは
樋(とい)とは、屋根から流れ落ちる雨水を集めて排水するための部材です。
外壁や地面に雨水がかかるのを防ぎ、お家の耐久性を守る重要な役割を果たしています。
屋根と平行に取り付けられているのが「軒樋(のきどい)」で、屋根からの雨水を最初に受け止めます。
軒樋には、半円型の「半丸樋」や四角い「角樋」があります。
そして屋根から垂直に取り付けられているのが「縦樋(たてどい)」と言い、軒樋で受けた雨水を、排水管や地面まで流す役目を担っています。
この縦樋にも、丸型と角型があります。
こちらの記事で雨どいについて、詳しく解説していますのでぜひご覧ください!
また、縦樋について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
「縦樋と竪樋って何が違うの?」と言った疑問や縦樋の破損を放置した際の状況など詳しく解説しています。
樋が破損してしまう原因は3つ
樋の破損の原因は、主に以下の3つが挙げられます。
樋の老朽化
樋は長年使い続けることで劣化し、機能が低下してきます。
多く使われている塩化ビニル樹脂製の樋は、紫外線に弱く、直射日光にさらされることで劣化が進みます。
屋根の端など、日差しが直接当たる部分は特に注意が必要です。
自然災害による影響
強風・雹(ひょう)・雪などの自然災害によって、樋が破損することもあります。
例えば「金具が外れかかっている」「穴が空いてしまった」「樋が曲がった」などの症状が見られる場合、自然災害の影響かもしれません。
2022年6月、関東地方で降った雹によって、多くのお家で雨樋に穴が空いてしまったという報告がありました。
当社にもたくさんのお問い合わせをいただき、火災保険を使って修理された方もいらっしゃいました。
車で轢いてしまったなどの事故
縦樋は、駐車場の近くに設置されていることが多いため、「車でうっかり轢いて壊してしまった!」というご相談が非常に多いです。
また、ボール遊びをしていたお子さんが誤ってぶつけてしまったり、物が当たって変形するケースもあります。
このような場合、経年劣化していたところにダメージが加わって、破損に繋がることが多いです。
このような事故による施工事例を掲載していますので、よろしければご覧ください!
樋の破損の症状は?
軒樋・縦樋それぞれに見られる、よくある破損の症状を写真付きでご紹介します。
軒樋で発生する破損症状
破損状況 | 実際の写真 |
---|---|
穴が開いている | ![]() |
金具が外れている | ![]() |
割れている | ![]() |
縦樋で発生する破損症状
破損状況 | 実際の写真 |
---|---|
呼び樋が外れている | ![]() |
車で轢いて割れ、取れてしまった | ![]() |
縦樋の金具が外れている | ![]() |
樋が破損したときにすること
樋が破損した際は、早めに業者に修理を依頼するのが基本です。
また、破損箇所によっては、雨水が隣家に流れるなどのトラブルの原因になります。
縦樋に限りますが、自分でできる簡単な応急処置方法も合わせて紹介します。
自分できる簡単な応急処置
写真のように縦樋が破損してしまった場合の、簡単な応急処置をご紹介します。
このような破損には、防水性の高い「ブチルテープ」を使い、ぐるぐると巻きつけることで対処が可能です。
「見た目が気になる…」という人もいると思いますが、破損部分だけに細く貼ると剥がれやすくなるため、2倍ほど広めに巻くと剥がれにくくなります。
また、テープを貼る際は、表面がしっかり乾いた状態で行うと、粘着力が高まり、より頑丈に貼ることができます。
根本的な修理をしたい場合は、専門業者による修理・交換が必要です。
業者による修理方法
軽度な破損や小さな隙間であれば、コーキング材を使った補修が可能です。
樋が外れた・金具が取れた・大きく割れているなどのケースでは、部分的または全体の交換が必要になります。
交換方法には、「破損部分だけ交換する一部交換」と、「すべて新しくする全交換」があり、樋の状態やメンテナンス状況、予算に応じて選ぶことをおすすめします。
なお、交換工事には足場が必要な場合が多いため、「屋根や外壁も気になっている」という場合は、一緒にまとめて工事をしたほうがコストを抑えられる可能性があります。
費用の目安
雨樋の修理費用は、破損の程度や作業範囲によって変動しますが、一般的には数万円~数十万円ほどかかります。
1階部分でハシゴが安全に立てられ、軽微な破損であれば数万円で済むケースもありますが、多くの場合は足場の設置が必要になるため、15万円以上かかると見ておくと安心です。
ただし、台風や雹(ひょう)などの自然災害が原因の場合は、火災保険の適用が可能なことがあります。
樋の破損を防ぐためにできること
樋の破損を防ぐには、5~10年に一度の点検・メンテナンスが効果的と言われています。
寿命はおよそ15年とされ、それを過ぎると破損リスクが高まります。
点検は業者に依頼をし、清掃や破損チェックを行い、必要に応じて補修や交換を検討しましょう。
「業者を呼んで点検するのは面倒・・・」という人も15年を目安に一度は見てもらうのがおすすめです。
また、予算に余裕がある場合は、耐久性に優れたガルバリウムやステンレス製の樋を採用するのも選択肢の一つです。
まとめ
今回は、樋が破損してしまう原因や対処法、そして予防のためにできることを紹介しました。
「ちょっと水が垂れてるだけ」と放置してしまうと、やがて外壁のひび割れや雨漏りにつながる恐れがあります。
さらに、破損した樋が落下し、通行人や車に被害を与えるリスクもあるため、早めの修理が安心です。
費用面で迷っている人も、自然災害による破損であれば火災保険が使える可能性がありますので、お気軽に当社までご相談ください。