ベランダのウレタン防水とは?メリット・デメリット、施工方法や費用までまるっと紹介!

ウレタン防水とは

ウレタン防水は、建物のベランダやバルコニー・屋上などの床面に使用される防水工事の一種です。

ウレタン樹脂を主成分としており、その特性を活かして場所を選ばずに防水工事ができます。

ウレタン防水の特徴

ウレタン防水は、ウレタン樹脂が液状の状態で施工され、時間とともに硬化して防水膜を形成することで雨水の侵入を防いでいます。

この防水膜は柔軟性があり、建物の動き(振動)に対応することができます。

ウレタン防水の特徴としては、柔軟性や弾性・耐衝撃性・防音性に優れていることが挙げられます。

また、既存の防水層の上から施工することも可能で、多くの家の防水として利用されています。

ウレタン防水のメリット

メリット

ひび割れしにくい

ウレタン防水のメリットは、柔軟性に優れていることです。

家が呼吸していると表現されることもありますが、家は温度による収縮と膨張で動きます。

近くを走る大きな車の微振動や地震で揺れることがあり、その影響でひび割れが起きる可能性があります。

しかし、柔軟性があるとその揺れに合わせて動いてくれるため、ひび割れを起こしにくいです。

費用が安い

ベランダやバルコニー、屋上の防水工事の中でウレタン防水は費用が安いです。

耐久性は他の防水工事と比べると劣ってしまいますが、雨の侵入を防ぐというところでは十分な防水性を備えています。

複雑な形・重ね塗りも可能

ウレタン防水は塗料を塗って防水層を作るので、複雑な形のベランダや狭いところでも防水工事が可能です。

また、塗料なので重ね塗りが可能で、メンテナンスもし易さもメリットの一つです。

ウレタン防水のデメリット

デメリット

工期が長め

ウレタン防水は塗料を何度も塗り重ねて防水層を作りますが、塗料の乾燥に時間がかかります。

ベランダ・バルコニーの防水で用いられるFRP防水の工期が1〜2日程度に対し、ウレタン防水の工期は3〜10日程度かかる可能性があります。

※天候や気温や現場の状況によって変わります。

塗料の匂いある

ウレタン防水の塗料は、シンナーで希釈(薄めて)使うものが多いので匂いがあります。

締め切った空間だとかなりキツいですが、外で工事する分には気になるほどではありません。

ただ、匂いに敏感な人には向いていないかもしれません。

匂いに敏感な人や子供やペットがいるから気になるという人は、水で希釈(薄める)塗料もあるので、業者に相談してみましょう。

職人の技術が必要

ウレタン防水は塗料を塗るだけなので、簡単そうに見えますが、実はとても技術が必要な作業です。

ウレタン防水をする場合は、ベランダ床面を均一な状態にしなければなりません。

なぜなら、ベランダの床面が凸凹だと凹の部分に水たまりが出来て、劣化が早まってしまうからです。

厚みが厚すぎても薄すぎても施工不良の原因となるため、適切な厚みで均一にする作業が必要となり、職人の技術力が試される作業です。

ベランダの防水工事の必要性

ウレタン防水

ベランダ防水工事が必要な理由について説明します。

ベランダの防水工事は、普段の雨もそうですが、風を伴った横殴りの雨や激しい雨が降ったときでも家の中へ水が侵入しないようにするために非常に重要です。

ベランダは屋外に面しているため、雨水や湿気が侵入しやすく、防水層の劣化や浸水による家の劣化や腐食を引き起こす可能性があります。

ベランダの防水工事を行うことで、家の耐久性を向上させることができ、室内への水漏れやカビの発生を防ぐことができます。

ウレタン防水工事の手順と流れ

ベランダのウレタン防水工事の手順は下地によっても様々ですが細かい処理は省いて大きな流れは以下の通りです。

  1. ベランダの表面を清掃し、古い防水層や汚れを取り除きます。
  2. 密着性を高めるためにケレン・油膜取りを行います。
  3. 下塗りをしたら、ウレタン塗料を塗布します。
    均一な厚みを保つために、複数回に分けて施工することが一般的です。
  4. ウレタン防水が固まったら、仕上げにトップコートを塗ります。

施工時における注意点

ウレタン防水の施工時における注意点は以下の通りです。

  • ベランダに荷物を置いている場合は、防水工事をしている時に汚してしまったり、しっかりとした施工が出来なくなる可能性があるため、予め邪魔にならないところに移動する必要があります。
  • 施工中は、室内を通って機械や塗料を運ぶことが多いので、どなたかの在宅をお願いしています。室内に入られたくない場合は、安全性を確保するため、足場を設置することが必要です。(梯子で上り下りができるところは不要)
  • 防水工事中の雨は施工不良の原因となるため、確実に雨が降らない日が3日間続かないと防水工事は出来ません。(当社基準)
  • 洗濯物に匂いがつく可能性があるため、施工中はベランダやバルコニーに洗濯物を干すことは推奨しません。
  • 施工後は、ウレタン塗料が完全に固まるまで歩行や荷物を置いたり、洗濯物を干すことが出来ません。

ウレタン防水の耐久性とメンテナンス方法

外壁を塗り終えてピカピカになった外壁を見てくださいと言う作業員。
ウレタン防水の耐久性は、施工品質や使用環境によって異なりますが、一般的には10年以上の耐久性が期待されます。

ただし、紫外線による劣化が起こるため、定期的なメンテナンスが必要です。

ウレタン防水のメンテナンス方法としては、日常的に行える定期的な清掃やウレタン防水の再施工やトップコートの塗り替えなどが挙げられます。

また、ベランダの床面に膨れやひび割れ、色あせなど何かが見つかった場合には、ご自分でDIYで塗装される方も大家さんなどでたまにお見掛けします。しかし、ご自分で施工されてしまった場合、下処理や前回塗布されたものとの相性、はたまた分量を間違えてしまって膨れてしまった。。このような事態になってしまった後にご依頼頂くと、まずその薬品をこそぎ取り、剥がすところから始まってしまうため、防水工事に関してはご自分でやるのはなるべくやめた方がいいです。

一度、業者への調査を依頼することをおすすめします。

ウレタン防水の工事費用と施工業者の選び方

工事費用

ウレタン防水の工事の費用と施工業者の選び方について紹介します。

工事費用の相場

ウレタン防水の工事費用は、一般的に約3,000〜7,500円/㎡が相場となっています。

工事費用は、ベランダやバルコニーの広さや既存の床面の状態によって施工にかかる時間や材料の量が変わるため、費用に影響します。

今回紹介した金額は目安で、施工業者によって工事費用は異なるため、複数の業者から見積もりを取りましょう。

当社の場合は、トップコートの塗り替えで、一般的なバルコニーであれば70,000円などで行うことが多かったです。

施工業者の選び方とポイント

先ほども記載した通り、ウレタン防水工事は職人の技術力が必要な工事のため業者選びが重要になります。

まずは施工業者の実績や口コミを確認し、信頼できると思う業者に現地調査を依頼しましょう。

プロの職人であればベランダの床の状態を見れば、どんな方法が適切なのか見極めることができます。

不安なことや気になることがあれば、質問してみてください。

プロの職人であれば、知識も豊富なので、きちんと答えてくれるはずです。

ひとつの業者だけでは判断できないので、複数の業者から見積もりを取り、料金や内容はもちろん、人柄や対応などを比較して適切な業者を選びましょう。

まとめ

今回はウレタン防水について紹介しました。最後にまとめます。

  • ウレタン防水は、ベランダやバルコニー・屋上などの床面に使用される防水工事の一種
  • ウレタン塗料を何度も塗って防水層を作る工法
  • 柔軟性や弾性・耐衝撃性・防音性に優れている
  • ひび割れしにくく、複雑な形にも対応できる
  • 工事期間が長めで職人の技術力が必要な工事
  • 工期は3日〜10日くらい
  • 一般的には10年以上の耐久性が期待できる
  • 一般的に約3,000〜7,500円/㎡が相場