ベランダの水が流れない原因は?自分でできる対処法と業者に頼むべきサイン

ベランダに溜まった水を見て「排水口が詰まってる?」「どこが悪いんだろう?」と原因や対処法に困ったことはありませんか?
原因がわからないまま放置すると、雨漏りや防水層の劣化、さらに階下への漏水につながる恐れもあります。
今回の記事では、ベランダの水が流れない主な原因から応急処置や放置してはいけない理由、業者に依頼すべきケースまで、詳しく解説します。
安全に対処して、トラブルを未然に防ぎましょう。
ベランダの水が流れない主な原因
ベランダの床に水が残ってしまう原因は、排水口の詰まりだけではありません。
ほかにも、内部の排水ルート異常や勾配不良、防水層の劣化などいくつかの要因が重なっていることがあります。
大切なことは「どこで水が止まっているのか」を正確に把握することです。
ここでは、よくある原因を順番に解説します。
排水口(ドレン)の詰まり

落ち葉や砂埃・ゴミが溜まると、排水口が機能せず水は流れなくなります。
特に、「秋~冬」や周囲に木が多い環境では、詰まりやすい傾向があります。
排水ルートの詰まり(雨どい)

排水口の先にある「雨どい」が詰まっているケースです。
雨どいの中は、外から見ることが難しいため、気づいたときは既に水が逆流していることもあります。
ベランダの勾配不良

本来、ベランダは排水口に向かって水がスムーズに流れるように勾配(傾斜)を付けています。
しかし、経年劣化や施工不良により勾配が無くなると、水は排水口に流れなくなります。
防水層の劣化・膨れ

FRP防水やウレタン防水など「防水層」が劣化すると、表面にへこみや膨れが起きます。
すると、部分的に水が溜まりやすくなり、さらに劣化が進んでしまいます。
ベランダの排水トラブルを放置するとどうなる?

ベランダの水が長時間流れずに溜まり続けると、防水層は通常より早く劣化します。
小さなひび割れから水が染み込み、最終的には室内へ「雨漏り」が起きる可能性あります。
また、排水不良を放置すると、防水層の剥がれや膨れが進行し、部分補修では追い付かず、全面的な防水工事が必要になるケースも考えられます。
早めに原因を特定して、対処することが、結果的に費用と被害を抑えるポイントです。
「ベランダからの雨漏り」について、こちらの記事で詳しく紹介しています!
自分でできる応急処置とチェック方法
ベランダの水が流れない場合でも、まず自分で簡単に確認できるポイントがあります。
安全に作業できる範囲だけをチェックし、無理だと感じたらすぐに業者へ相談しましょう。
排水口まわりのゴミを取り除く

最も多い原因が、排水口(ドレン)付近のゴミ詰まりです。
手袋をして、落ち葉・泥・髪の毛・砂埃などを取り除くだけで、水が流れるようになるケースが非常に多いです。
作業前には、排水口カバーや網が敷いてある場合は取り外し、周辺のゴミもまとめて取るとより効果的です。
排水ルートに異常がないかチェックする

排水口の先にある"雨どい“が詰まっている可能性があります。
水を流してみて逆流したり、まったく流れない場合は、すでに雨どいが詰まっているかもしれません。
雨どいの構造は複雑になっていて、破損のリスクもあるため、業者へ雨どい掃除の依頼をしましょう。
ベランダ床のへこみ・膨れを目視で確認する

ベランダの防水層が劣化してへこんでいる場所は、そこだけ水が溜まりやすくなります。
「いつも同じ場所に水溜まりができる」という場合、このパターンがとても多いです。
へこみや剥がれ・膨れが見られる場合は、放置すると雨漏りにつながりやすいため早めの相談が安心です。
こちらの記事で当社の雨漏り調査について紹介していますので、ぜひご覧ください!
すのこやプランターが邪魔になっていないか確かめる

意外と多いのが、「ベランダの置物が排水の流れを妨げているケース」です。
人工芝やすのこ・植木鉢・物置などは排水口を塞ぎやすいので、一度退かして水の流れを確認してみてください。
業者に依頼すべきケース

応急処置で改善しない場合や以下の項目に当てはまる場合は、早めの専門業者へ相談しましょう。
無理に自分で修理しようとすると、部品の破損や防水層の劣化を悪化させる可能性があります。
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 雨どいの詰まり | 排水口に詰まったゴミや泥を無理に押し込むと、雨どいが破損する可能性があります。 |
| 勾配不良 | 勾配を直す工事はとても難しく、素人がDIYで行うことは不可能です。 |
| 防水層の剥がれ・膨れが広範囲 | 放置すると雨漏りに繋がる可能性があります。劣化が進むと全面工事が必要な可能性も有るため、早めの調査依頼がおすすめです。 |
修理内容別の費用相場

トラブルの原因によって、必要な工事内容が変わるため、費用も大きく変動します。
下の表は、各修理内容の費用相場です。
工事を検討している人は参考にしてみてください!
| 修理内容 | 相場価格 | ポイント |
|---|---|---|
| 防水層の部分補修 | 5,000円~ | 小規模のひび割れや隙間の補修 |
| 排水口の清掃・詰まり除去 | 5,000~15,000円 | 詰まりだけであれば比較的安い |
| ベランダ笠木の補修 | 10,000~50,000円 | 劣化が進むと費用が上がる |
| 防水層の再施工 | 15,000~25,000円/㎡ | 防水層の工法により変動有り |
| 下地大工工事+ 防水層全面再施工 | 35,000円~/㎡ | 下地が腐食している場合、下地大工工事が必要になるため工事費用が高額になる |
ベランダに水が溜まらないようにする方法

日頃のメンテナンスで、排水トラブルの多くは防ぐことができます。
特別な道具は必要ないので、ぜひ習慣にして、水たまりを予防しましょう。
定期的な掃除(月1程度)
落ち葉や泥は、少しずつ排水口に集まり、「詰まりの原因」となってしまいます。
ホウキで掃く・排水口のゴミを取り除くなどの簡単な掃除でOKです。
排水口にゴミが入らないようにガードを付ける
100円ショップなどで買える「排水口ネット」や「砂防止ネット」で詰まりを予防できます。
また、雨どいには「落ち葉除けネット」を使用して、落ち葉を防ぐ方法もあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
年1回の簡易点検
雨のあとに「同じ場所に水が残っていないか」や「床が沈む感じがしないか」などチェックします。
もし、気になることがあれば早めに防水専門の業者へ相談することをおすすめします。
まとめ
最後に今回の記事の内容をまとめます。
- ベランダの水が流れない原因は「排水口の詰まり」「内部詰まり」「勾配不良」「防水層の劣化」が中心
- 応急処置で改善することもあるが、内部詰まりや勾配不良は業者対応が必要
- 放置すると雨漏りや階下への漏水につながり、補修費が高額化しやすい
- 日々の清掃と配置の工夫で、水がたまりにくく予防ができる
- 早めに点検をすることが、家を長持ちさせる一番のポイント






