ベランダの水たまりの原因と対処法|放置すると危険な4つのリスクも解説

ベランダの水たまりの原因と対処法|放置すると危険な4つのリスクも解説

ベランダにいつの間にかできてしまう水たまり。

その小さな水たまりは、見た目の問題だけでなく、防水層や建物の構造に深刻なダメージを与えるサインかもしれません。

「床には防水層があるから大丈夫」と放置してしまうと、思わぬ雨漏りやカビの発生につながる可能性があります。

また、ベランダの水たまりは、雨どいの詰まりや勾配不良なども原因になり得ます。

早めに原因を特定して対処することが、家を守る最も確実な方法です。

今回の記事では、ベランダに水たまりができる原因から、放置すると危険なリスク、応急処置や修理の費用相場までわかりやすく解説します。

なぜできる?ベランダに水たまりができる原因

ベランダに水が溜まるのは、排水がうまくいっていないサインです

原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることが多いため、まずはどこに問題があるのか特定することが重要です。

防水層の劣化

防水層の劣化

防水層が経年劣化すると、ひび割れや剥がれが生じやすくなります。

こうした劣化部分から雨水がうまく排水されなくなり、結果としてベランダ床に水が残りやすくなります。

特に、築年数が10年以上経っている場合は、防水層の状態を一度確認するのがおすすめです。

ドレン(排水溝)の詰まり

ドレン(排水溝)の詰まり

落ち葉やゴミがドレン(排水溝)に詰まると、雨水がうまく流れず水たまりが発生します。

気づかないうちに排水溝が「完全に詰まっている」というケースも少なくありません。

ベランダ床の勾配不良

ベランダ床の勾配不良

※左側の排水溝に向かって緩やかに勾配がつけられています

本来、ベランダの床は排水溝に向かってわずかに傾いて造られています。

しかし、新築時やリフォーム時の施工不良などが原因で勾配が足りないと、床に水が溜まってしまいます。

原因はベランダだけじゃない?雨どいの詰まり

「原因はベランダだけじゃない?」意外と多い雨どいの詰まり

※排水溝奥の雨どいが水で溢れている

ベランダに水たまりができる原因は、床や防水層だけとは限りません。

実は意外と多いのが「雨どいの詰まり」によるものです。

ベランダの排水は、「ベランダ→排水溝→雨どい→排水管」という仕組みになっています。

そのため、雨どいが詰まると水の逃げ場がなくなり、逆流してベランダに溜まってしまいます。

雨どいには落ち葉や砂・泥が溜まりやすく、外から見えない箇所で詰まることも少なくありません。

特に周囲に木が多い環境やベランダに植木鉢を置いている場合は、注意が必要です。

こうした詰まりの防止には、落ち葉除けの「雨どいネット(落ち葉除けネット)」を設置する方法が効果的です。

小さな水たまりを放置する3つの大きなリスク

「すぐに乾くだろう」と水たまりを放置することは非常に危険です。

水たまりはベランダの寿命を著しく縮め、建物の主要な構造材にまで影響を及ぼす可能性があります。

リスク1|階下や室内への被害

リスク1|階下や室内への被害

水は思ったより深く浸透し、階下や室内にまで被害を広がることがあります。

雨水がコンクリートや床材を通って室内に染み込むと、天井や壁のシミやカビが発生し、雨漏りに発展する可能性もあります。

特に、長期間放置すると被害が広がり、階下の住人まで影響が及ぶ場合もあり、大きなトラブルにつながりかねません。

リスク2|滑りやすくなる危険

リスク2|滑りやすくなる危険

濡れた床は湯べりやすく、転倒のリスクが高まります。

水たまりのあるベランダは非常に滑りやすく、子供や高齢者にとって危険です。

安全確保のためにも、溜まった水はできるだけ早く排水しましょう。

リスク3|床の剥がれや浮き

リスク3|床の剥がれや浮き

水が残った状態が続くと床材が膨張し、剥がれや浮きの原因になります。

防水層に水分が入り込むと、床が反り返ったり剥がれたりすることがあります。

小さなふくらみや浮きでも見逃さず、早めに状態をチェックして適切に対処することが大切です。

リスク4|防水層の劣化

リスク4|防水層の劣化

小さな亀裂や水たまりでも、防水層の劣化を進行させます。

水が亀裂や微細な隙間に入り込むことで、防水層や下地の劣化が進んでしまいます。

劣化が進むと床材がさらに剥がれやすくなり、最終的には雨漏りの原因にもなります。

早い段階で応急処置をしておくことで、被害を最小限にとどめることができます。

水たまりを見つけたときの応急処置方法

水たまりを見つけたときの応急処置方法

水たまりを発見した場合、まず最初に行うことは「水たまりがそれ以上拡大しないようにすること」です。

まずは、"本格的な修理が必要なレベルなのか?"を判断するために、ご自身でできる応急処置を行いましょう。

一時的な対応ですが、防水層へのダメージを最小限に抑えることができます。

水をできるだけ取り除く

雑巾やスポンジで軽く水を吸い取り、ベランダに水が長時間残らないようにします。

完全に乾かせなくても、「水が溜まり続けている状態」を避けることが大切です。

ドレン(排水口)の清掃

水たまりの原因の多くは、ドレン(排水口)の機能不全です。

ドレンの詰まりが解消すれば、水たまりがなくなるケースも多々あります。

排水を邪魔しているものを退ける

植木鉢や収納ボックスなどが排水口の近くにあると、水が流れず水たまりの原因になります。

物の位置を少し変えるだけで改善するケースもあるため、簡単にできる対策としておすすめです。

根本解決!ベランダ防水工事の種類

応急処置で解決できない場合や勾配不良・防水層の劣化が原因である場合は、専門業者による防水工事が必要です。

ここでは、ベランダの防水工事の種類を3つ紹介します。

FRP防水

FRP防水

特徴内容
工法ガラス繊維強化プラスチック(FRP)樹脂を塗布して硬化させ、硬い層を作る工法。
メリット硬化が非常に速く、軽量で強度が高い。車も走行できるほどの耐久性がある。
デメリット塗膜が硬いため、地震などで建物が揺れるとひび割れやすい。

ウレタン防水

ウレタン防水

特徴内容
工法液体のウレタン樹脂を塗布し、化学反応でゴム状の弾力性のある防水膜を作る工法。
メリット下地の形状に馴染みやすい、複雑な形状のベランダや配管周りにも継ぎ目のない防水層が形成可能。
デメリット乾燥・硬化に時間がかかる、職人の技術により品質に差が出やすい。

シート防水

シート防水

特徴内容
工法ゴムや塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂でできたシートを、下地に貼り付ける工法。
メリット均一な厚みのシートを使うため品質が安定している。工期が比較的短く済む。
デメリットベランダの隅や出っ張りが多い複雑な形状には、シートを加工するため、継ぎ目が多くなって防水層が低下する可能性がある。

ベランダ防水工事後に水たまりができたら?

ベランダ防水工事後に水たまりができたら?

高額な費用をかけて防水工事を依頼したにもかかわらず「水たまりが解消されていない」あるいは「以前より悪化してしまう」というケースは存在します。

このような場合、施工不良や原因の見落としが考えられるため、早めに業者へ確認をしましょう。

考えられる原因

工事後に水たまりがある場合、主に以下の理由が考えられます。

勾配調整の失敗

防水層を形成する際、勾配(傾斜)の調整がうまくできておらず、床が水平(または逆勾配)になってしまった。

防水材の収縮

防水材は硬化するときにわずかに収縮します。
想定以上の収縮が起こると、部分的に凹み、水たまりの原因になることがあります。

建物の構造的沈下

建物の構造的な沈下(地盤のゆるみや建物内部の歪み)に気づかず、表面の防水工事だけで終わってしまった。

施工直後の防水層による水弾き

施工直後の防水層による水弾き

防水工事直後は、トップコートの性能が最大限に発揮されるため、水を強く弾いて一時的に水たまりのように見えることがあります。

これは、防水効果が正常に働いている証拠であり、「理想的な水弾き」のため、全く問題ありません。

業者に依頼するタイミングと費用相場

「自分で対処できないかも・・・」という場合や施工直後でも不安がある場合は、専門業者に相談するのが安心です。

ここでは、業者依頼のタイミングと費用の目安をわかりやすく紹介します。

業者に依頼するタイミング

業者に依頼するタイミング

ベランダの水がなかなか引かないときや自分で対処しても改善しない場合は、速やかに専門業者に調査依頼しましょう。

水たまりが長時間残る/大きくなる場合

応急処置をしても水たまりが半日~1日以上引かない場合は、床の勾配不良や構造的な沈下が考えられます。

専門的な調査が必要になりますので、業者に依頼をしましょう。

防水層の広範囲な劣化

床の防水層にひび割れ、塗膜の剥がれ、大きな膨れなど、劣化が広範囲に見られる場合は、防水層が寿命を迎えているサインです。

階下や室内への浸水

ベランダ下の部屋の天井やベランダに接している室内の壁にシミやカビが発生している場合は、すぐに業者に修理の依頼をしましょう。

この場合は、すでに雨水が建物の内部に侵入しており、緊急性が最も高い状態です。

工法別の修理費用相場

工事別の修理費用相場

ベランダ防水の修理費用は、使用されている防水工法によって大きく変わります。

ここでは、FRP・ウレタン・シート防水それぞれの目安をまとめています。

工法費用の目安向いている場所
FRP防水約6,000~12,000円/㎡戸建てのベランダに多い
ウレタン防水約5,000~9,000円/㎡出入りや段差が多い場所
シート防水約7,000~12,000円/㎡屋上や広いバルコニー

修理内容別の修理費用相場

防水層の部分補修から全面再施工まで、修理の内容によって費用は大きく異なります。

どの程度の修理が必要か、目安を把握しておきましょう。

修理内容相場価格ポイント
防水層の部分補修5,000円~小規模のひび割れや隙間の補修
排水口の清掃・詰まり除去5,000円~詰まりだけであれば比較的安い
ベランダの勾配調整
(下地工事含む)
250,000円~下地の状況や広さによって大きく変動する可能性有り
下地大工工事+
防水層全面再施工
35,000円~/㎡下地が腐食している場合、下地大工工事が必要になるため工事費用が高額になる

まとめ

  • ベランダの水たまりは「見た目だけの問題」ではなく、防水層や建物の構造に影響を与える可能性がある
  • 放置すると、階下への浸水・床の剥がれ・滑りやすくなる危険・防水層の劣化などのリスクがある
  • 水たまりを見つけたら、まずは水の除去・ドレン掃除・排水を妨げるものの撤去で応急処置
  • 防水工事後の水たまりは、施工直後の水弾きや軽微な勾配調整不足などが原因で一時的に発生することもある
  • 自分で対応できない場合や水たまりが長時間残る場合は、業者に相談して補償や費用を確認することが大切
  • 修理費用の目安は工法や修理内容によって大きく変動するため、見積もりを複数取って比較するのがおすすめ

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