ベランダ防水の剥がれは放置NG!原因・DIYでできる補修方法・費用まで徹底解説!

「ベランダの床がなんだかボロボロしてきた…」
「防水層が剥がれているけど、どうしたらいい?」
お家のベランダでふと足元を見て、このような症状に気づいたことはありませんか?
ベランダやバルコニーの防水層の剥がれは、単なる見た目の問題ではありません。
そのまま放置すると、雨水が下地に染み込んで雨漏りを招き、木材の腐食やシロアリ被害など、取返しのつかない事態を引き起こす可能性があります。
また、DIYで対応できるのは"トップコートの塗り替えのみ“で、防水層そのものの補修は専門業者の対応が必要です。
今回の記事では、ベランダ防水の剥がれの原因から、自分でできる状態の見極め方、DIYでの応急処置など知っておくべき情報を紹介します。
ベランダ防水の剥がれは放置NG!雨漏りリスクと建物への影響

防水層の剥がれを「まだ大丈夫だろう」と放置するのは、最も危険です。
ベランダは屋根と同じくらい過酷な環境にさらされており、劣化は日々確実に進行しています。
| 雨漏りの発生 | 防水機能が失われた箇所から雨水が侵入し、直下の部屋の天井や壁にシミができます。 |
|---|---|
| 構造部の腐食 | 侵入した水が壁内にとどまると、柱や梁などの重要な構造部分を腐らせ、家の強度を著しく低下させます。 |
| 資産価値の低下 | 雨漏り履歴のある物件や防水メンテナンスが行われていない物件は、売却時の査定額が下がる要因になります。 |
【セルフチェック】これって重症?剥がれ・ひび割れの状態
「ベランダ防水の剥がれ」と言っても、それが表面だけの軽い症状なのか、防水層そのものが痛んでいる重度の症状なのかで、必要な補修は大きく異なります。
まずは、次のポイントで現状をチェックしてみましょう。
【軽度】表面の細かいひび割れ

表面に細かくひび割れが入っている状態です。
すぐに防水層が劣化したり雨漏りする心配は少ないですが、トップコートの塗り替えを検討しはじめるといいかもしれません。
【中度】トップコートの剥がれ

表面のトップコートが、薄く剥がれている状態です。
緊急性は高くありませんが、放置すると防水層が紫外線や雨で痛みやすくなるため、早めの塗り替えをおすすめします。
【重度】防水層のひび割れ・浮き

トップコートの下にある防水層に亀裂が入っている状態や、床がぷにぷにと沈むような浮きが見られる状態です。
この状態を放置すると雨漏りに直結し、下地の腐食や大規模補修につながる可能性があります。
この場合、すぐ業者に修理依頼をしましょう。
なぜ剥がれる?経年劣化だけじゃない主な原因

なぜ防水層は剥がれてしまうのでしょうか?
主な原因を3つ紹介します。
| 原因 | 理由 |
|---|---|
| 紫外線と熱による劣化 | 常に直射日光にさらされるベランダは、紫外線による劣化や温度変化による膨張・収縮を繰り返しています。一般的にトップコートの寿命は5~7年、防水層の寿命は10~15年といわれています。 |
| 施工不良 | 新築時や補修時に、乾燥不足や接着材(プライマー)の塗りムラがあった場合、数年で塗膜が浮いてくることがあります。 |
| 物理的な衝撃・摩擦 | 重いプランターを引きずったり、頻繁に歩行する箇所が擦り減ったりすることで、物理的に傷がつき、そこから水が入って剥がれが広がります。 |
DIYで補修できる?トップコート塗り替え手順と注意点
「ホームセンターで材料を買って自分で直したい!」と考える人も多いでしょう。
しかし、DIYで対応できるのは「表面のトップコート塗り替え」までです。
すでに雨漏りしている場合や防水層の割れがある場合は、すぐに業者に修理の依頼をしましょう。
1|高圧洗浄

まず、高圧洗浄機で表面の汚れをしっかりと落とします。
2|サンディング

次に、グラインダーやサンドペーパーを用いて、サンディングと呼ばれる塗装面の目荒らしをします。
既存のトップコートを剥がすことで、表面に凹凸を作り、次に塗る塗料の密着を高めます。
3|アセトン拭き

サンディングが終わったら、アセトン拭きをします。
アセトンを使って全体を拭き上げることで、表面の油分やホコリを拭き取ります。
4|プライマーを塗る

プライマーとは、「下塗り材」のことです。
プライマーを塗布することで、塗料との密着性が上がります。
5|トップコートを塗る

プライマーが完全に乾いたら、トップコートを塗ります。
6│完成

トップコートが乾いたら、工事は完了です。
ベランダ防水の剥がれ・補修の費用相場

ベランダ防水工事は、劣化の進行度合いによって「表面のメンテナンスで済むのか」「防水層を再施工する必要があるのか」が変わります。
一般的な戸建てのベランダ(約4~5㎡)を想定した費用目安は以下の通りです。
| 工事の種類 | こんな症状 | 費用目安 | 耐久性 |
|---|---|---|---|
| 部分補修 | 一部の損傷 | 2~5万※範囲による | 約2~3年 |
| トップコート塗り替え | 表面の色あせ 細かいひび割れ | 8万~ | 約5~10年 |
| 防水層の再施工 | 全体的なひび割れ 雨漏りはしていない | 10万~ | 約10~15年 |
| 下地大工工事+防水層の全面再施工 | 下地が腐食 雨漏りしている | 25万~※下地補修込み | 約10~15年 |
「どの工事を選んだらいいの?」とお困りの人に選び方のポイントを紹介します。
- ①トップコート塗り替え
あくまで「予防」のためのリフォーム工事です。
すでに防水機能が失われている場合(雨漏り等)には効果がありません。 - ②防水層の再施工
最も一般的なリフォーム方法です。
古い防水層を撤去しないため、廃材処分費がかからず、コストを抑えて防水機能が復活できます。 - ③下地大工工事+防水層の全面再施工
下地まで水が回っている場合、表面だけのリフォームは意味がありません。
費用はかかりますが、下地からやり直す必要があります。
防水層を長持ちさせるためのメンテナンスと掃除方法
せっかく補修をしても、メンテナンスを怠ると防水層の寿命は縮まります。
ベランダ防水を長持ちさせるポオントは、以下の通りです。
排水溝(ドレン)の掃除

排水口が落ち葉や泥で詰まると、水たまりができ、防水層の劣化を早めてしまいます。
月に1回を目安に、ベランダの排水溝を掃除をするようにしましょう。
5年に1度トップコート塗り替え

防水層全体が痛む前に、表面のトップコートを定期的に塗り替えましょう。
トップコートがなくなると、防水層が一気に劣化してしまうため、注意が必要です。
ベランダ防水のトップコートについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
床に物を置きっぱなしにしない

プランターやすのこなどを床に置きっぱなしにするのは、注意が必要です。
特にプランターは底が湿りやすく、防水層のカビ・膨れの原因にもなります。
ベランダに置く場合は、排水口から離したり定期的に動かすのが鉄則です。
まとめ
ベランダの防水剥がれは、家の寿命に関わる重要なサインです。
表面の色あせ程度ならDIYでトップコート塗装も可能ですが、「ひび割れ」「浮き」「雨漏り」が見られる場合は、迷わず専門業者へ相談してください。
早めにメンテナンスを行うことが、結果的に修繕費用を抑え、大切なマイホームを守ることにつながります。





