ケイミューの屋根材ついて、どこよりも詳しく解説します!
ケイミュー株式会社は、1890年(明治23年)に開業した「大出鋳物」をルーツとし、屋根材・外壁材・雨どいをトータルに扱う日本唯一の外装建材メーカーです。
特に屋根材部門では、1961年に発売された「カラーベストコロニアル」以降、軽量で耐震性に優れた化粧スレート屋根材を中心に、豊富なラインナップを展開しています。
今回の記事では、ケイミューとはどんな会社?主な屋根材のラインナップは?ケイミューの屋根材の特徴・メリット、メンテナンスの注意点や方法は?など気になるポイントを分かりやすく解説します!
ケイミュー(株)とは?
ケイミュー株式会社は、日本で唯一、屋根材・外壁材・雨どいといった外装建材とトータルで扱う総合メーカーです。
そのルーツは、明治時代に創業した鋳物業「大出鋳物」にさかのぼります。
ケイミュー(株)の沿革
年 | 項目 |
---|---|
1890年 | 大出鋳物を創業 |
1957年 | 久保田建材工業(株)を設立。住宅建材事業に進出 |
1961年 | 屋根材「カラーベストコロニアル」発売 |
1990年 | (株)クボタに社名変更 |
2003年 | 松下電工と統合し、クボタ松下電工外装(株)が発足 |
2010年 | ケイミュ-(株)に社名変更し、現在に至る |
ケイミュー製品の環境・安全への取り組み
ケイミュー株式会社は、住宅の快適性だけでなく、環境負荷の軽減や安全性の向上にも積極的に取り組んでいます。
まず、ケイミューの屋根材や外壁材には、リサイクル素材の活用や環境に配慮した製造プロセスが導入されており、持続可能な社会づくりに貢献しています。
ケイミューの製品は耐火性能に優れていて、火災時の安全性を高める設計がされているため、万が一の際にも安心して暮らせる住まいづくりを支えているのが、ケイミューです。
さらに、ケイミューはVOC(揮発性有機化合物)の低減にも注力しており、健康に配慮した建材として評価されています。
これらの取り組みは、環境意識が高まる現代の住宅市場において、選ばれる理由の一つとなっています。
屋根材のラインナップと特徴は?
ケイミュー(株)が取り扱う屋根材の最大の特徴は「軽量であること」です。
軽量な屋根材は、以下のようなメリットがあります。
- 建物の耐震性を高め向上させる
屋根が軽くなることで、地震の揺れに強くなり、倒壊リスクの軽減につながります。 - カバー工法に対応できる
既存の屋根を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねる「カバー工法」が可能です。重い屋根材では施工できないため、軽さはリフォームする際にも大きな武器になります。
このように、ケイミューの屋根材は「耐震性」「施工性」の両立が強みです。
カバー工法について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください!
ここからは、代表的な屋根材のラインナップとそれぞれの特徴を紹介します。
ROOGA(ルーガ)
ROOGA(ルーガ)は、ケイミューが独自開発した複合素材「HYBRID PIF(ハイブリッド ピフ)」を採用したセメント瓦タイプの屋根材です。
見た目は重厚感・高級感・上質感のある瓦屋根のようですが、重さは一般的な陶器瓦の約1/2と、非常に軽量です。
「HYBRID PIF」は、高分子材料・無機材料・繊維材料を組み合わせたハイブリッド構造の複合素材です。
この素材によって、ROOGAは軽くて強く、割れにくいという特徴を持っています。
ROOGAには以下の2種類あります。
ROOGA:雅(みやび)
※写真のカラーはモダン・グレー
日本の粘土瓦のような緩やかな曲線デザインが特徴で和風・和モダンの建物にぴったりです。
カラーは、モダンな雰囲気のある6色展開。
伝統と現代の調和を感じさせる仕上がりになります。
ROOGA:鉄平(てっぺい)
※写真のカラーはストーン・オーク
鉄平石の自然な風合いを再現したデザインです。
鉄平石とは、日本庭園などで見られる自然石を敷き詰めた石材のことです。
落ち着いたトーンのオレンジ・グリーン・シルバーなどの6色展開で、シックで重厚な印象の屋根に仕上がります。
※鉄平石の石敷きの舗装イメージ(参考)
COLOR BEST(カラーベスト)
COLOR BEST(カラーベスト)は、セメントにシリカ粒子・パルプ繊維・超微粒子を配合した化粧スレートです。
販売開始から60年以上の歴史があり、軽量屋根材の代名詞的な存在となっています。
COLOR BEST(カラーベスト)のラインナップは、以下の4シリーズに分けられます。
プレミアムグラッサ
※写真はレイシャスグラッサ|カラーはグラッサ・ココナッツブラウン
天然石のようなテクスチャが特徴の高級感あるシリーズ。
ラインが横に整った一文字デザインで洗練された印象です。
- レイシャスグラッサ(4色):長さ910mmのスタンダードサイズ
- グラッサ600(4色):長さ606mmのコンパクトタイプ
- グラッサ600・シャッフル(3パターン):複数職を組み合わせたデザイン
遮熱グラッサ
※写真はコロニアル遮熱グラッサ|カラーはグラッサ・クールブラック
太陽熱を反射し、屋根の温度上昇を抑える遮熱機能付き屋根材です。
「ヒートアイランド対策技術」として環境省の実証も取得済みです。
- コロニアル遮熱グラッサ(9色):エコと快適を両立できる
グラッサ
※写真はコロニアルグラッサ・シャッフル|カラーはユーロミックス
グラッサは、伝統的にもモダンにもマッチする万能デザインです。
色展開が豊富で、個性的なカラーも選べます。
- コロニアルグラッサ(12色+オプションカラー)
- コロニアルグラッサ・シャッフル(4パターン):複数色ミックスのアクセントに!
「コロニアル」について、こちらの記事でくわしく紹介していますので、ぜひお読みください。
クァッド
※写真はコロニアル・クァッド|カラーはウェザード・グリーン
シリーズの中でもっともスタンダードな屋根材です。
表面はアクリルコート仕上で、カラーは12色展開になっています。
- コロニアルクァッド(12色):コスパを重視したい人におすすめ
GRAND NEXT(グランネクスト)
GRAND NEXT(グランネクスト)は、カラーベストと同じくシリカ粒子やパルプ繊維を配合した軽量な化粧スレートです。
そこにより個性的なデザイン性を加えることで、住宅の外観にインパクトを持たせたい方にもおすすめのシリーズです。
GRAND NEXTは以下の4シリーズあります。
Uroko(うろこ)
※写真のカラーはグラッサ・ファジーレッド
うろこ状の丸みのあるデザインが特徴です。
ヨーロッパの童話に出てくるようなかわいらしい外観に仕上がります。
- カラー展開:4色(レッド系・オレンジ系など明るめもあり)
Hishi(ヒシ)
※写真のカラーはグラッサ・ボルドーレッド
斜めに交差したひし形のラインが印象的なデザインです。
外壁とコーディネートすることで、全体の統一感を演出できます。
- カラー展開:6色(ブルー・グリーン・レッド系など個性的な色も)
Sand(サンド)
※写真のカラーはグレイ×グレイ
砂のようなテクスチャが特徴の屋根材です。
自然で落ち着いた印象を与える、飽きのこないデザインです。
- カラー展開:5色(ブラック・ブラウン・シルバーなど)
Simple(シンプル)
※写真のカラーはグラッサ・パールグレイ
名前の通り、シリーズの中で最もシンプルで落ち着いたデザインです。
ナチュラル系の住宅や控えめな外観が好きな人にぴったりです。
- カラー展開:6色(落ち着きのあるグライ系など)
K-METAL(ケイメタル)
K-METAL(ケイメタル)は、金属製の屋根材シリーズで、耐久性に優れた「スマートメタル」と、リフォーム向けの「リコロニー」2種類があります。
スマートメタル
※写真のカラーはブラック
金属屋根材「スマートメタル」は、ガルバリウム鋼板よりも高性能な素材「エスジーエル」を採用、耐食性はガルバリウム鋼板の3倍以上といわれています。
錆びにくく、長期間美観と性能を保てるのが特徴です。
- カラー展開:ブラック/ブラウン/グリーン(全3色)
エスジーエルは、日鉄鋼板(株)の登録商標で、マグネシウムを加えたことで従来のガルバリウム鋼板よりも耐久性・耐食性が向上した金属素材です。
リコロニー
※写真のカラーはブラウン
「リコロニー」はリフォーム専用に開発されたガルバリウム鋼板製の屋根材で、既存のスレート屋根に直接貼り付けるカバー工法で施工します。
専用の接着剤を使うことで、施工がスピーディで手軽になります。
- カラー展開:ブラック/ブラウン(全2色)
主な屋根材の価格・重量一覧
ケイミュー(株)が展開する屋根材の価格と重量を主要製品ごとに比較しやすくまとめました。
屋根材を選ぶうえで、価格や重量はとても重要なポイントです。
カタログに掲載されている標準価格(税抜)を一覧にまとめたものであり、施工費や設置費等は含まれていません。
実際の見積金額は、建物の構造や立地条件、施工の難易度などにより変動します。
あくまでも目安として参考にしてください。
屋根材 | 重量(kg/㎡) | 標準価格(円/㎡) |
---|---|---|
ROOGA(雅・鉄平) | 約20kg | 約8,500円~ |
カラーベスト(グラッサ) | 約5kg | 約2,200円 |
GRAND NEXT | 約5kg | 約3,000~3,500円 |
スマートメタル | 約4~5kg | 約4,000~5,000円 |
リコロニー | 約4~5kg | 約3,500円~4,000円 |
メンテナンスの方法は?
ケイミュー(株)の屋根材は、定期的な点検と必要に応じた部分補修、そして塗装の塗り替えを中心にメンテナンスを行います。
カタログに基づいた目安は以下の通りですが、環境によって変わるため、あくまでも参考としてご覧ください。
屋根材 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
---|---|---|---|
ROOGA | 不要 | 不要 | 塗り替え |
GRAND NEXT | 不要 | 不要 | 塗り替え |
COLOR BEST クァッド以外 |
不要 | 不要 | 塗り替え |
COLOR BEST クァッド |
塗り替え | 塗り替え | 塗り替え |
K-METAL スマートメタル |
塗り替え | 塗り替え | 塗り替え |
カタログ上はこのようにまとめられていますが、屋根材の防水性能は塗装に大きく依存しています。
塗装が剥がれたまま放置すると、屋根材本体の劣化が急速に進む可能性があります。
そのため、塗装の塗り替えは約10年ごとを目安に検討すると、屋根を長持ちさせることにつながります。
まとめ
- ケイミュー(株)は屋根材・外壁材・雨どいをトータルに扱う外装建材の総合メーカー。
- 代表的な屋根材は「ROOGA、COLOR BEST、GRAND NEXT、K-METAL」があり、軽量かつ耐久性に優れている。
- 屋根材ごとに特徴やデザイン、カラー展開が豊富で、多様な住宅スタイルに対応ができる。
- 価格や重量は屋根材のレードによって異なり、施工環境によって変動する。
- メンテナンスは約10年ごとの定期点検と塗装の塗り替えが基本で、防水性能維持に重要。
- 適切なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、美観と機能性を保つことができる。