竪樋とは?竪樋と縦樋の違いや竪樋の部材の読み方・金具などの少し専門的なことまで全て解説します!
家の壁の角にある屋根まで伸びる配管のようなものは、雨どいの一部で竪樋(たてどい)と呼ばれるものです。
今回は、竪樋で使われる部材やその読み方、少し専門的な素材の話まで竪樋についてまるっと解説します。
これを読めば竪樋について知ることができます。
竪樋(たてどい)とは
竪樋(たてどい)とは、画像のように地面から屋根まで縦に設置されている樋(とい)のことをいいます。
竪樋は、外壁に金具をつけて竪樋を固定しているため、家の四つ角・玄関・ベランダ・家の駐車スペース付近に設置されています。
竪樋の構造と名称
普段から見ている竪樋は、プラモデルのように様々な部材を組み合わせて完成させたかたちです。
ここでは竪樋がどのような部材の組み合わせで作られているのかを表で解説します。
画像 | 部材名 |
①集水桝(しゅうすいます) 軒樋(のきどい)で受け止めた雨水を集めるための部材です。 集水桝があることで、集められた雨水が竪樋にスムーズに流れます。 |
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②エルボ 画像のようにL字に曲がった形の部材です。 エルボがあることで、外壁にある角など家の構造上、曲げて設置したいところに雨水の通り道を作ることができます。 |
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③呼び樋(よびとい) 集水桝と竪樋を繋げるために竪樋を適切な長さに切ったものです。 集水桝から竪樋を設置する壁に距離があるときに呼び樋を使います。 |
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④竪樋(たてどい) 配管のような筒状の円形や四角形の2.7m(1本)の長さがある部材です。 外壁に沿って縦に設置され、雨水を地面へ流す通り道になります。 |
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⑤たて継手(たてつぎて) 竪樋と竪樋を繋ぐための部材です。 竪樋の長さが足りないときに竪樋同士を繋ぎ合わせて、屋根から地上まで伸びる竪樋を作っています。 |
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⑥竪樋金具(たてどいかなぐ) 竪樋を固定するための金具で、でんでんと呼ぶ人もいます。 この金具を間隔を開けながら、ビスで外壁に設置して竪樋を金具の輪っかに入れ、固定をしています。 |
よくある質問!竪樋と縦樋の違い
検索していると「 竪樋 」と「 縦樋 」の2つが出て、どちらが正しいの?と困惑される人もいらっしゃると思います。
その答えは、どちらも正しいです。
なぜなら、「竪樋」と「縦樋」は表記の方法が違うだけで全く同じものを指すからです。
業界内では竪樋を使うことが多いですが、記事などの場合、縦樋と表記したほうがイメージがつきやすく、分かりやすいため「縦樋」表記を使う人が多いです。
雨樋の仕組みや劣化サインについてもっと詳しく知りたい人は以下の記事で解説しています。
事例写真あり!竪樋が壊れる理由と修理方法
竪樋は、塩化ビニル樹脂を素材としており、風でコロコロと転がってしまうほど軽く、強い衝撃を与えると割れたり、変形します。
ここでは、竪樋がどのような理由で壊れてしまうのか、どのような修理を行ったのかについて当社の事例を紹介します。
事例①|飛来物が飛んできて壊れてしまったケース
1つ目は、台風などの強い風で飛ばされたものが竪樋に当たって破損してしまったケースです。
今回の場合は、3階建の家で3階の高さにある雨どいが飛来物によって破損してしまいました。
修理方法は、竪樋交換で一般的に3万円〜の費用がかかり、作業日数は1日〜3日です。
※竪樋を変える本数や範囲、家の立地などによって費用は変わります。
※2階以上の場合は足場が必要となり、約10万円以上になります。
この家の場合は、3階建のため足場費用が通常よりも高くなり、50万円の修理費用が必要になりました。
しかし、台風による飛来物が原因の破損のため、火災保険が適用され、お客様は0円(無料)で修理をすることができました。
このようにどんな理由で壊れたかによって、一切費用を出すことなく、修理できる可能性もありますので、ご相談ください。
事例②|車でひいてしまったケース
2つ目は、車を駐車するときに誤って、竪樋をひいてしまい、竪樋が変形してしまったケースです。
冒頭でも書いた通り、竪樋が駐車スペースの近くに設置されている家もあり、誤って竪樋をひいて壊してしまったというお問い合わせは多いです。
修理方法は、竪樋の一部交換で破損した部分だけを切って、新しい竪樋へ交換する方法で3万円〜5万円の費用がかかり、作業日数は1日です。
※塩ビ以外の竪樋の場合は別途見積が必要です。
今回の場合は、4万4000円で竪樋の一部交換修理をしました。
事例③|ボールや自転車をぶつけて壊れてしまったケース
3つ目は、子供さんがボールで遊んでいたところ、竪樋にボールが当たってしまい、壊れてしまったケースです。
修理方法は、事例②と同じ一部交換で作業日数は1日です。
今回の場合は、一般的に使用されている塩ビの竪樋だったため、3万3000円で竪樋の一部交換修理をしました。
この他にも子供がお隣さんの家の竪樋に自転車をぶつけて穴を空けてしまったというお問い合わせもありました。
このような破損の傾向として、人間の腰よりも下くらいの位置が壊れていることが多いため、一部交換で3万円〜5万円で修理が可能です。
※塩ビ以外の竪樋の場合は別途見積が必要です。
また、このケースの場合は、お問い合わせ時に竪樋の写真などの事前情報をいただければ、現地調査を行う当日に交換することも可能です。
事例④|竪樋金具が抜けてしまったケース
4つ目は、竪樋を固定している竪樋金具が抜けてしまったケースです。
竪樋金具が抜けてしまう原因は、経年劣化または台風などの自然災害の影響が考えられます。
また、抜けてしまった竪樋金具の傾向として打ち込み金具という種類の金具であることが多いです。
打ち込み金具は、釘のように先が尖ったもので穴を開けた外壁にハンマーで直接打ち込んで設置します。
上下左右に動かすと、女性の力でもスポッと抜けてしまうくらい揺れに弱いため、強い風が吹いたときに竪樋が揺らされると金具も一緒に揺れるので、徐々に抜けやすくなります。
このような弱点があるため、今では竪樋金具をビスで固定できる金具があり、ほとんどがビスで固定する竪樋金具に切り替わっています。
新築の家ではビスを使って金具を設置しているところが多いですが、築25年以上を過ぎている家の場合、打ち込み金具で竪樋を固定している可能性があります。
修理方法は、竪樋金具の交換で一般的に3万円〜の費用がかかり、作業日数は1日〜3日です。
※竪樋を変える本数や範囲、家の立地などによって費用は変わります。
※2階以上の場合は足場が必要となり、約10万円以上になります。
竪樋金具だけ変える人は少なく、竪樋金具を変えるならついでに竪樋も一緒にと竪樋交換も行う人が多いです。
事例⑤|接続部が外れてしまったケース
5つ目は、竪樋を形成している部材が外れてしまったケースです。
竪樋の構造と名称でも書いた通り、竪樋はプラモデルのように様々な部材が組み合わさって形成されています。
竪樋の部材は、接着剤を各部材につけて接着をしています。
経年劣化や台風などの自然災害の影響で外れてしまうこともありますが、もし、竪樋交換をしてすぐに外れてしまった場合は接着剤の量が少なかったなど施工不良の可能性もあります。
施工不良の場合は、やり直しになるので無料で修理することができるでしょう。
経年劣化や台風などの自然災害の影響の場合は、竪樋交換で一般的に3万円〜の費用がかかり、作業日数は1日〜3日です。
竪樋の接続部が外れてしまった原因が台風などの自然災害と認められた場合は、火災保険金で賄うことも可能です。
竪樋の必要性はあるのか
雨どいは、主に軒樋・集水器・竪樋というパーツを組み合わせて作られています。
その中でもし竪樋がない場合、軒樋(横樋)で集められた雨水が集水桝に集められ、そのまま地面へ滝のように流れ落ちます。
バケツに貯めた水を2階以上の高さからひっくり返していることと、あまり変わりません。
それが数年続くと、土がえぐれ、コンクリートもえぐれ、家の土台にも影響を与える恐れがあります。
例えば、家庭菜園やガーデニングを楽しんでいる人なら、花や木を腐らせてしまう原因にもなります。
そのように考えると怖いですよね。
そうならないために、雨水の通り道を竪樋で作り、安全に地面へ流れるよう竪樋は作られています。
実例あり!竪樋を外れたまま放置すると
この写真は、竪樋が外れたまま修理をしなかったお家ですが、明らかに外壁の汚れ具合が違います。
写真で外壁が汚れている部分には元々、竪樋が設置されていたので、竪樋が設置されたままなら壁が汚れることはありません。
しかし、竪樋を外れてしまったままにしていたため、壁の汚れ具合に違いが発生してしまいました。
これが外れた竪樋の残骸です。
このように外れた竪樋をそのまま置いている家もあるのではないでしょうか。
このまま放置すると、竪樋がない部分の外壁はまとまった雨水が当たるようになってしまうので、汚れて他の外壁よりも劣化する速度が早くなります。
雨漏りに繋がる可能性も高くなるので、竪樋が外れたら、なるべく早く修理するようにしましょう。
竪樋の形状
ここでは、竪樋の3種類の形状についてと少し専門的なサイズについて簡単に解説します。
丸形状
※ 画像参照元|Panasonic(丸形状のたてとい)
丸形状は、最もスタンダードな竪樋の形で、円柱という形の特性で外からの力に強いため、壊れにくく、価格も安価です。
よく利用される竪樋はPanasonic製で60サイズ(外側の直径が60mm)です。
サイズは、45サイズ・60サイズ・75サイズ・90サイズの4種類あり、数字は外側の直径(外径)の長さを表しています。
サイズ | 45 | 60 | 75 | 90 |
外径(mm) | 45.0 | 60.4 | 75.5 | 90.0 |
また、竪樋の60サイズは多くの家で使われているため、エルボや継手などの周辺部材が揃っており、カラーバリエーションも他のサイズに比べて豊富に揃っています。
当社での人気のカラーは、王道のミルクホワイト・しんちゃ・ブラックの無難なカラーがお客様に選ばれています。
角形状
※ 画像参照元|Panasonic(角形状のたてとい)
角形状は、丸形状より雨水を多く流すことができるとされているため、雨の多い地域で多く採用されています。
また、見た目がスタイリッシュなため、デザインにこだわりがある家は角形状を利用している傾向にあります。
角形状の竪樋もPanasonic製が主流で、PC30またはS30が多く使われています。
丸形状では、同じ形でサイズが違いましたが、角形状の竪樋は各シリーズで形・サイズが異なります。
その中でPC30とS30の大きな違いは竪樋金具です。
PC30はステンレスのみですが、S30はプラスチックのみのものやプラスチック+ステンレスなど金具の種類が豊富です。
そこまでこだわりのない人はPC30を選びますが、素材にこだわりたい人はS30を選ばれています。
鎖形
※ 画像参照元|Panasonic(化粧くさり)
玄関専用になりますが、デザイン性に特化したおしゃれな外見の鎖型の竪樋です。
雨水が鎖を伝って流れる様子が古都に合うような風流な竪樋で、旅館などで見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
しかし、デザインに特化しているため、風や雨の強さによっては雨水が周囲にばら撒かれたり、鎖自体が風で舞って外れてしまうことがあります。
家に設置したい場合は、玄関に奥行きがある場所など設置場所に考えたほうが良いでしょう。
竪樋の素材
竪樋の素材には、塩化ビニール・ガルバリウム鋼板・銅・アルミニウム・ステンレスの5種類あります。
その中から、ここでは一般な住宅で使用される竪樋の素材について解説します。
塩化ビニール
塩化ビニールとは、軽くて丈夫なブラスチックで、燃えにくい性質を持った素材です。
建築資材や農業資材、医療用機材、自動車、文房具、雑貨まで私たちの生活の様々なところで使われています。
竪樋にも使われており、塩化ビニールは【 軽い・簡単・安い 】の三拍子が揃った竪樋で主流の素材です。
デメリットは、紫外線の影響で劣化しやすく、壊れやすいことです。
しかし、塩化ビニール製の竪樋は多く流通しているため、修理などのメンテナンスも簡単で、修理費用も他の竪樋に比べると安価です。
近年では硬質ビニール樹脂が素材として使われるようになって、耐久性が上がった製品も増えています。
ガルバリウム
※ 画像参照元|タニタガルバリウム雨樋カタログ
ガルバリウムとは、屋根材にも使われている金属で錆びにくく耐久性が高いとされる今、注目されている素材です。
他の金属素材に比べて最も普及している素材で、金属素材の中では価格が抑えられています。
ガルバリウム製の竪樋は、耐久性が高いため壊れにくく、見た目がスタイリッシュなため選ぶ人もいるようです。
ただ、一般的な塩化ビニールの竪樋と比べてしまうとメンテナンス性やコスト高くなることが気になる人も一定数いらっしゃるようなので、まだ普及するまでには至っていないという印象です。
耐久性は間違いないので、耐久性を重視したい人にはおすすめの素材です。
最後に
今回は、竪樋について解説しました。
当社が扱う竪樋のトラブルは、台風で竪樋が壊れてしまった・外れてしまったというご相談や車がぶつかって竪樋が壊れてしまったなど相談内容は様々です。
誤って竪樋を壊してしまった場合や劣化による破損で、1階までの高さの修理であれば、ご訪問当日に約30分〜1時間ほどで修理することも可能です。
また、台風などの自然災害による破損の場合は、ご加入いただいております火災保険を利用して、修理が可能です!
まずはお気軽にご相談ください。