屋根の葺き替え相場ってどのくらい?
葺き替え(ふきかえ)とは、屋根の全ての部材を取り外して丸ごと新しいものに変える工事方法です。
大体の相場は、足場込みで120万円〜です。
そもそも屋根の葺き替えって必要?
雨漏りしているなどの実害がある場合や屋根の劣化が激しい場合は葺き替えが必要です。
屋根は太陽の紫外線、雨、風などの自然の影響を直接受ける部分です。そのため経年による劣化や自然の猛威に耐えられず壊れてしまうこともあります。
そんな時に行うのが屋根の葺き替えです。屋根工事の中では、金額面でも工事内容としても大規模なものになります。
葺き替えは15年〜20年くらいを目安に!!
どんな屋根材を使っているかにもよってどのくらい雨風に強いか・地震に強いかが変わってはきますが、大体15年〜20年くらいを目処に葺き替えを考えるといいでしょう。
何か雨漏りなどの症状が出てからと思っている方もいらっしゃるかとは思いますが、その場合は、すぐに修理をしてほしいです。
なぜなら、目に見える症状として出ているということは、見えないところの状態がかなり悪いということになるからです。
そのため、葺き替えだけではなく、他の工事も追加・追加で発生する可能性があります。
その結果、修理費用が大きく膨らんでしまい、予想外の出費で苦しい思いをしてしまうかもしれません。
そうならないよう、早めの行動をオススメします。
屋根の葺き替えが必要なサインとは?
今まで一度も屋根のメンテナンスをしたことがない
葺き替え必要度:レベル3
築20年以上で一度も屋根のメンテナンス(屋根塗装や葺き直しなど)をしたことがない場合は、屋根の耐久性が低くなっている可能性があります。
このまま何もせずにいると、台風や地震などの災害が起こった時に屋根が壊れてしまうかもしれません。
屋根材の色あせやカビ・コケが生えている
葺き替え必要度:レベル4
屋根を見たときに「古くなってきたな」と感じたら、葺き替えのタイミングかもしれません。
屋根材の色あせやカビ・コケが生えていると劣化し始めているので、そう遠くない未来に雨漏りしてしまう可能性が高いです。
雨漏りや天井に雨染みがある
葺き替え必要度:MAX
雨が降った時に雨漏り・天井に雨染みができる場合は、屋根材が破損していたり、屋根の下地部分が劣化していたりなど屋根に何かしらの原因があると考えられるので、早急な対応が必要です!
もし、その際に「この前の台風の時から・・」「地震の時から・・」という心当たりがある場合は、火災保険を使える可能性が高いので、業者に確認してみましょう。
屋根の葺き替え相場内訳
はじめに大体の相場は、足場込みで120万円〜と書きましたが、その内訳について紹介します。
足場費用 | 700円~/㎡ |
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足場養生シート | 200円~/㎡ |
既存屋根の撤去 | 1,200円~/㎡ |
下地(野地板)の設置 | 2,000円~/㎡ |
防水紙(ルーフィング)の設置 | 600円~/㎡ |
新しい屋根材の設置(スレート) | 4,500円~/㎡ |
新しい屋根材の設置(ガルバリウム鋼板) | 6,000円~/㎡ |
新しい屋根材の設置(アスファルトシングル) | 5,000円~/㎡ |
棟の設置 | 2,000円~/㎡ |
付属部の設置(ケラバなど) | 1,500円~/㎡ |
屋根材の種類
今現在、自身のお家の屋根が何か分かる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
葺き替えの場合は、現在の屋根を撤去する作業が入ります。そうなると、必然的に屋根材の廃棄費用がかかります。
ある特定の屋根材は通常の屋根の2~3倍も廃棄費用がかかってしまいます。ある特定の屋根材について、他の屋根材の紹介と合わせて簡単に説明します。
瓦屋根
一昔前は瓦屋根が主流でした。耐久性は一番と言っていいでしょう。
ただ、瓦自体が非常に重いため地震に弱く、近年地震が多い日本では葺き替えで他の屋根材に変える方が多いのが現状です。
従来は木に引っ掛けるだけの施工方法でしたが、現在はビスを打ってきちんと固定するようにしたりと、地震でも壊れにくいよう施工方法が変わってきています。
◆ 劣化サイン : コケが生えてきた・瓦の割れ / 欠け / ズレなど
スレート屋根
最近建てられているお家で多く使われている屋根材です。安価・耐久性・重さも瓦の半分以下のため、とても使いやすい屋根材です。
スレート屋根には、アスベストが含まれているスレート材があります。
アスベストはご存知の方も多いと思いますが、有害物質が発見され、現在では取り扱いのない屋根材です。
先ほど、ある特定のと言いましたが、それがアスベスト入りのスレート屋根です。
このアスベスト入りの屋根材が今、使用されている屋根材だった場合、廃棄費用が高額になります。
そのため、費用面から既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せるカバー工法を選択される方も多くいらっしゃいます。
◆ 劣化サイン : 反り返り・ひび割れが多い・白っぽくなるなど
ガルバリウム屋根
金属屋根のひとつで軽いため、建物への負担を軽くすることができます。
サビにくく、耐震性も高いのでガルバリウム屋根に変える方もいらっしゃいます。
ただ、雨音が大きいとおっしゃる方もいるので、音に敏感な方は向かないかもしれません。
耐久性が高く、塗装などのメンテナンスもほとんど必要がないため、他の屋根材からガルバリウム屋根に葺き替える方が多い印象です。
◆ 劣化サイン : 浮き上がり・剥がれ・サビ・めくれなど
トタン屋根
一昔前に普及した屋根材です。
長持ちさせるためには10年毎の定期的な塗装が必要なため、メンテナンスが大変ということで他の屋根材に変える方が多いです。
特にトタンからガルバリウムに葺き替える方が多いです。
◆ 劣化サイン : 赤っぽいサビ、穴が空くなど
葺き替えの施工方法と期間
葺き替えの工事は、屋根の大きさにもよりますが、約1週間〜2週間程度で施工が完了します。
天候にも影響されるので、梅雨時期の葺き替えはおすすめできません。
では、実際の施工はどのように行っているのか見てみましょう。
1、既存の屋根材などの撤去
現在、使用している屋根材などを全て撤去します。
葺き替え工事を行う場合、屋根材を全て取り去ってしまうので、天候が大きな影響を及ぼします。
もし、工事中に雨が降ってしまうと屋根材がない状態なので、そのまま屋内に雨が入ってしまいます。
そのため、葺き替え工事は天候も考慮して工事日程を決めるように業者と相談しましょう。
2、屋根の下地の設置
屋根の下地となる部分の設置をします。屋根の下地とは【 野地板・防水紙(ルーフィング)】のことを指します。
※ 瓦の場合は、【 野地板・防水紙(ルーフィング)・桟木 】になります。
この工程をしっかり行うことで、雨漏りなどを防ぐことができるので、とても重要な工程となります。
補足説明
【 野地板 】
瓦やスレートなどの屋根材の下地になる板のことで、屋根の構造の中間にある部材です。野地板がなければ、防水紙・屋根材を固定することができません。
【 防水紙(ルーフィング)】
防水紙(ルーフィング)は、防水紙と書いている通り防水機能があるシートです。この防水紙のおかげで雨が室内に入ることを防いでいます。
【 桟木(さんぎ)】
細長い角材で瓦を取り付ける時に桟木に引っ掛けたり、瓦を留めるために必要な部材です。
3、屋根材の設置
下地の設置まで完了したら、屋根材を設置します。
このとき既存の屋根材と同じ種類で新しい屋根材にする方やこの機会に全く違う屋根材(瓦からスレートなど)に変える方もいらっしゃいます。
この判断はお客様にお任せしますが、一度の葺き替えでその後何十年とお家を守ってくれます。
後悔のないような選択ができるように分からないことがあれば業者に質問したり、相談しましょう!
最後に
お家は長く住み続ける場所です。長く住み続ける中で必ずといっていいほど行うリフォーム工事が屋根の葺き替えです。
何か起こってから。と考える方が多いですが、お家の場合、その考えはとても危険です。
お家を購入された方、借りている方、お客様の状況は様々ですが、これからも長く住んでいくお家なので、何か起こってからではなく、何かが起こる前にメンテナンスしていくことで、突発的な状況(地震や台風などの自然災害など)にも最小限の被害で済むかもしれません。
金額面で迷われる方もいらっしゃいますが、金額を抑えるためのリフォーム方法や火災保険が使える場合など金額を抑えながらメンテナンスする方法はたくさんありますので、一度ご相談ください。
お客様の状況に合わせたご提案をさせていただきます。