屋根の葺き替えとは?施工方法から屋根材の種類、相場と内訳や葺き替えが必要なサインなど徹底解説します!

屋根の葺き替え工事の相場はどのくらい?

屋根の葺き替え(ふきかえ)とは、現在の屋根の部材をすべて取り外して、丸ごと新しい屋根材に交換する工事のことです。

屋根材や下地を新しくすることで、屋根の耐久性が向上し、建物全体の寿命を延ばすことが可能です。

この記事では、屋根の葺き替え工事の施工方法や屋根材の種類、相場と内訳や葺き替えが必要なサインなどを解説します。

そもそも屋根の葺き替えって?

屋根の葺き替えとは?

屋根の葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に張り替える工事のことを言います。

屋根は紫外線、雨、風などの影響を直接受けているため、経年劣化や自然の猛威に耐えられず、壊れてしまうことがあります。

そんな時に行うのが、屋根の葺き替えです。

屋根の葺き替えを行うことで、建物全体の耐久性や耐震性を向上させることができます。

屋根工事の中では、金額面も工事内容としても大規模なものになります。

屋根の葺き替えが必要なサインとは?

今まで一度も屋根のメンテナンスをしたことがない

屋根のメンテナンスをしたことがない

葺き替え必要度:★★★☆☆

築20年以上で一度も屋根のメンテナンス(屋根塗装や葺き直しなど)をしたことがない場合は、屋根の耐久性が低くなっている可能性があります。

何もせずにいると、台風や地震などの災害が起こった時に、屋根が壊れてしまうかもしれません。

屋根材の色褪せやカビ・苔(コケ)が生えている

屋根材の色あせやカビ・コケが生えている

葺き替え必要度:★★★★☆

屋根を見て「古くなってきたなあ」と感じたら、葺き替えのタイミングかもしれません。

屋根材の色褪せやカビ・苔は劣化が始まっているサインです。

放置すると、雨漏りしてしまう可能性もあるため、業者に点検の依頼をしましょう!

雨漏りや天井に雨染みがある

雨漏りでできた雨染み

葺き替え必要度:★★★★★

雨漏りが起きていたり、天井に雨染みができる場合は、屋根材の破損や劣化など、屋根に何かしら異常があると考えられるので、早急な対応が必要です。

もし、その際に「この前の台風の時から・・・」「地震の時に・・・・」など心当たりがある場合は、火災保険を使える可能性があるため、業者に確認してみましょう。

葺き替え工事の相場と内訳

葺き替え工事の費用内訳

屋根の葺き替え工事の相場は、使用する屋根材によって異なります。

スレート屋根:70万円~200万円程度

ガルバリウム鋼板:80万円~210万円程度

瓦屋根:100万円~270万円程度

相場の内訳を、以下の表にまとめました。

足場費用 700円~/㎡
足場養生シート 200円~/㎡
既存屋根の撤去 1,200円~/㎡
下地(野地板)の設置 2,000円~/㎡
防水紙(ルーフィング)の設置 600円~/㎡
新しい屋根材の設置(スレート) 4,500円~/㎡
新しい屋根材の設置(ガルバリウム鋼板) 6,000円~/㎡
新しい屋根材の設置(アスファルトシングル) 5,000円~/㎡
棟の設置 2,000円~/㎡
付属部の設置(ケラバなど) 1,500円~/㎡

屋根材の種類

次に、屋根材の種類についてご紹介します。

葺き替えの場合、現在の屋根を撤去するため、必然的に屋根材の廃棄費用がかかります。

屋根材の種類によって廃棄費用が大きく異なるため、注意が必要です。

瓦屋根

瓦屋根

一昔前は、瓦屋根が主流でした。

日本で古くから使用されており、その耐久性は非常に優れています。

従来は引っ掛けるだけの施工方法でしたが、現在はビスを打って固定するようにしたりと、地震でも崩れないような施工方法に変わってきています。

瓦屋根について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

スレート屋根

スレート屋根

近年多くのお家で使われている屋根材で、価格・耐久性・重さも瓦の半分以下のため、とても使いやすい屋根材です。

ご存知の方も多いと思いますが、"アスベスト"という有害物質が含まれているスレート材が発見され、現在では取り扱いのない屋根材です。

アスベスト入りのスレート屋根は、廃棄費用が高額なため、費用面から既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せるカバー工法を選択される方も多いです。

スレート屋根について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください!

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は金属で軽いため、建物への負担を軽くすることができます。

サビにくく耐震性も高いため、ガルバリウム鋼板屋根は近年大人気の屋根材です。

雨音が大きいと感じる方もいるため、音に敏感な方は避けた方が良いかもしれません。

ガルバリウム鋼板について詳し知りたい方は、こちらの記事もご覧ください

トタン屋根

トタン屋根

一昔前に普及した屋根材です。

トタン屋根の寿命は、約15~20年とされていますが、錆びやすくメンテナンスが必須です。

そのため、近年はトタンからガルバリウムに葺き替える方が非常に多くなっています。

以下の記事でトタン屋根とガルバリウム鋼板の比較をご紹介しています。

葺き替えの施工方法

葺き替えの工事は、屋根の大きさにもよりますが、約1週間〜2週間程度で施工が完了します。

では、実際の施工はどのように行っているのか見てみましょう。

1.既存の屋根材などの撤去

既存の屋根材を撤去

既存の屋根材や下地・防水シートなど、全て撤去します。

葺き替え工事を行う場合、屋根材を全て取り去うため、天候が大きな影響を及ぼします。

もし、工事中に雨が降ると、室内にそのまま雨が入り込んでしまいます。

葺き替え工事は、雨の多い時期を避け天候も考慮して、業者と工事日程を相談しましょう。

2.野地板の設置

野地板の設置

野地板は、屋根材の下地になる板のことで、屋根の構造の中間にある部材です。

野地板がなければ、ルーフィング(防水紙)や屋根材を固定することができません。

基本的に、野地板は増し張り(重ね張り)を行いますが、腐食や劣化が進んでいる場合は、既存の野地板を撤去し、新しい野地板に交換する場合もあります。

3.ルーフィング(防水紙)の設置

ルーフィング(防水紙)の設置

次に、ルーフィング(防水紙)の設置をします。

ルーフィングは、屋根材の隙間から入り込む雨水を、建物内に侵入させないようにする役割を担っています。

もし、屋根材が破損してしまった場合、雨水が建物内部に浸入するのを防ぎ、雨漏りを抑制します。

4.屋根材の設置

屋根材の設置

最後に、屋根材を設置します。

屋根材は下から順番に設置し、雨水が確実に流れるように重ねて施工します。

屋根材の設置が終わったら、役物や棟板金などの仕上げ部材を取付して工事完了です。

最後に

今回は、屋根の葺き替えについて紹介しました。

お家は、長く住み続ける場所です。

「何か起こってから・・・」と考える人が多いですが、その考えはとても危険です。

「何か起こってから」ではなく、“何かが起こる前"にメンテナンスをすることで、突発的な状況(地震や台風といった自然災害など)にも、最小限の被害で済むかもしれません。

大規模な工事になると金額面で迷われる方も多いと思いますが、金額を抑えるためのリフォーム方法や火災保険が使える場合など金額を抑えながらメンテナンスする方法はたくさんあります。

お客様の状況に合わせたご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください!

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2020年3月5日住宅知識,屋根